事業内容
株式会社シンカは「ITで 世界をもっと おもしろく」を経営理念に掲げ、中小企業の顧客対応業務のDXを支援するクラウド型コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」を開発・提供する。主要顧客層は自動車・不動産業界を中心とした中小企業で、固定電話着信時の顧客情報ポップアップ表示(CTI機能)を核に、通話録音・音声テキスト化・SMS送信・ビデオ通話・携帯通話録音・メール連携・クラウド電話(カイクラフォン)など多様なコミュニケーションチャネルを一元管理する。
2024年3月に東京証券取引所グロース市場に上場し、2025年12月期末時点でアクティブユーザー数は3,182社・6,202拠点に達している。
ビジネスモデル
収益は「初期売上」「月額売上」「従量課金売上」の3区分で構成される。月額売上はアクティブ拠点数×ARPA(1拠点あたり月額単価)で決まるサブスクリプション型であり、拠点数増加とARPA向上が収益を逓増させる。
2025年12月期の月額売上は1,136,944千円と売上全体の77.6%を占め、従量課金売上(SMS等)も190,170千円と伸長。NTTグループ・大塚商会・SB C&Sとの協業やOEM提供も販売チャネルとして機能する。
企業の強み
月次解約率(年度平均)は2025年12月期も前期と同率の0.3%を維持。オンボーディング活動やユーザーの声を反映した機能開発を継続した結果であり、SaaSビジネスにおける収益基盤の安定性を裏付ける実績である。
2025年12月期末のアクティブユーザー拠点数は6,202拠点(前期末比9.8%増)、ARPAは19,557円(前期末比11.7%増)と量・単価ともに拡大。月額売上は前年同期比30.4%増の1,136,944千円に達し、SaaSの複利的成長が顕在化している。
東日本・西日本電信電話との代理店契約(2015・2019年)、NTTドコモ(現NTTコミュニケーションズ)との取次契約(2019年)に加え、2024年に大塚商会・SB C&Sとの業務提携を開始。大手の販売力・ブランド力を活用した多層的チャネルを構築している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023期1,040百万円→2024期1,232百万円→2025期1,464百万円と年率約19%成長を継続し、2026年12月期第1四半期は423百万円(前年同期比23.8%増)と成長が加速している。一方、利益面は2023期営業利益101百万円をピークに2024期78百万円・2025期60百万円と逓減し、2026年12月期第1四半期は営業損失42百万円に転落。
通期予想は営業損失579百万円と大幅な赤字拡大を計画しており、人件費・広告宣伝費を中心とした販管費の積極投入が主因。市場環境としてDX推進加速・クラウド市場拡大という追い風が続く中、投資効果の発現時期が業績回復の鍵を握る。
成長戦略
拠点数拡大・ARPA向上・AI機能強化・大手協業の4軸で成長加速
自動車・不動産業界への集中営業と大手パートナー経由の販売強化により拠点数を積み上げる。2026年12月期第1四半期末時点で6,415拠点(前年同期比10.9%増)を達成しており、引き続き拡大基調を維持している。
通話録音オプション等の追加機能販売によりARPAを前期末比11.7%増の19,557円に向上させており、既存拠点からの収益最大化を図る。追加機能の拡充により単価向上余地を継続的に創出する。
自動要約・感情ラベリング・会話品質判定等のAI機能を昨年度後半より毎月新機能として実装継続中。AI実装の加速により競合との差別化を図り、解約抑制と新規獲得の両面に寄与させる。
大手パートナーの既存顧客基盤を活用した間接販売チャネルを強化し、自社営業リソースを補完する形で中小企業層への到達範囲を拡大する。協業深化により大型拠点獲得の加速を目指す。
2026年2月13日公表の中期計画に基づき、今年度を将来成長に向けた積極投資の年と位置付け、人件費・広告宣伝費を中心に販管費を大幅増加させる。通期営業損失579百万円を計画しており、投資効果の発現は次期以降を想定。
最終更新: 2026年7月17日

