事業内容
SAAFホールディングス株式会社は、連結子会社17社を含むグループで、建設土木事業(売上高の約58%)、システム開発事業(約19%)、人材事業(約15%)、コンサルティング事業(約8%)の4セグメントを展開する。地盤調査・改良工事から官公庁向けDXコンサルティング、ニアショア開発、製造業・教育分野向け人材派遣まで幅広い事業領域を持つ。
主要顧客は戸建・マンション・ビル等の建設関連事業者、中央官庁・地方公共団体、製造業・流通業・教育機関等であり、「持続可能な社会の実現」をパーパスに掲げ、ICT・DXを活用した社会インフラの付加価値向上を目指している。2018年に共同株式移転で設立され、2024年9月に現商号へ変更した。
ビジネスモデル
建設土木事業では地盤調査・改良工事を特命受注(2026年3月期は受注の100%が特命)で受託し、安定的な売上を確保する。IT系2事業(コンサルティング・システム開発)は官公庁・民間企業のDX需要を取り込み、受注型の開発・コンサルフィーで収益を得る。
人材事業は製造業・教育分野への派遣・紹介フィーが収益源。4事業の連携により、DX戦略立案からシステム開発・人材提供・現場施工まで一貫したソリューションを提供し、高付加価値化を図る構造である。
企業の強み
2026年3月期の建設土木事業における受注方法別比率は特命100%(前期99.7%)であり、顧客からの指名受注が事業基盤を支える。地盤調査・改良に加え、NEW-EAGLE杭工法・TBHリバースサーキュレーションドリル工法・BH工法等の多様な工法を保有し、戸建から中高層マンション・ダム・大規模造成まで顧客層を拡大している。
コンサルティング事業は2026年3月期に売上高2,276百万円(前期比114.1%)を達成。中央官庁・独立行政法人・地方公共団体向け標準化支援、防災・教育DX等の重点領域で受注が拡大した。
AI利活用・内製化進展により案件収益性が向上し、セグメント利益率は11.2%を確保。株式会社フォーバルとの業務提携で中四国エリアへの展開基盤も構築した。
2026年3月期の販売費及び一般管理費は6,476百万円(前期比94.8%)に圧縮され、売上高販管費率は前期23.7%から21.9%へ改善した。社内DX推進による業務効率化、不採算事業(その他事業)の清算・縮小、株式会社アイニードの譲渡等の事業ポートフォリオ見直しが奏功し、営業利益は前期比327.5%増の1,094百万円に拡大した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期30,528百万円をピークに減少傾向が続いていたが、2026年3月期は29,581百万円(前期比2.5%増)と下げ止まり。利益面では、販管費削減353百万円・建設土木事業の黒字転換・その他事業の損失縮小が複合的に寄与し、営業利益1,094百万円(前期334百万円)・経常利益1,001百万円(前期142百万円)・親会社株主帰属当期純利益460百万円(前期損失129百万円)と大幅改善。
営業CFも305百万円から2,069百万円へ急増し、インタレスト・カバレッジ・レシオは1.9倍から12.4倍へ改善。ただし包括利益は投資有価証券評価差額金の悪化により△161百万円と2期連続マイナス。
外部要因として建築基準法改正による住宅着工減少(前年同期比14.3%減)が建設土木事業の成長を抑制した一方、情報サービス業界のIT投資拡大(前年同月比7.0%増)がIT系事業を下支えした。
成長戦略
4コア事業への選択と集中とMTG2028による2029年3月期売上353億円・営業利益20億円の達成
8セグメントから4セグメント(コンサルティング・システム開発・人材・建設土木)への再編を2026年3月期に実施。その他事業(金融・M&A・ドローン等)は清算手続きを進め廃止予定。株式会社アイニードを2026年3月2日付で譲渡し、経営資源の最適配分を推進。
戸建住宅市場依存からの脱却を図り、中高層マンション・ホテル・公共インフラ向けにNEW-EAGLE杭工法・TBHリバースサーキュレーションドリル工法等の受注を拡大。大型重機への設備投資を計画的に実施し、九州・東北エリアの拠点再編によるコスト削減効果も進展。
2026年3月期にセグメント損失から利益238百万円への黒字転換を達成。
防災DX・教育DX等の重点領域での受注拡大、AI利活用・内製化推進による生産性向上と案件収益性改善を継続。株式会社フォーバルとの業務提携で中四国エリアの自治体DX推進体制を強化。
人材紹介分野での地方公共団体向けサービス提供も開始し新収益源を獲得。2026年3月期売上高は前期比114.1%増と全セグメント最高成長率を記録。
2026年4月開始の中期経営計画MTG2028を策定。最終年度2029年3月期に売上高353億円・営業利益20億円、長期ビジョン2032年3月期に売上高500億円・営業利益35億円を目標に設定。
現場デジタルプロバイダーとしての基盤確立を図り、建設・インフラ領域のデジタル化支援とデジタル人材育成・供給を通じて事業機会を拡大。詳細は2026年6月下旬に開示予定。
最終更新: 2026年7月19日

