事業内容
株式会社秋川牧園は1979年創業の山口県に本拠を置く食品メーカーで、農薬・化学肥料・抗生物質等に頼らない安全な食肉・加工食品・鶏卵・牛乳等を生産・販売している。連結子会社6社(篠目三谷、ゆめファーム、菊川農場、チキン食品、むつみ牧場、秋川牧園(常州)農業有限公司)とともに垂直統合型のサプライチェーンを構築。
主要顧客はグリーンコープ生活協同組合連合会(売上高比21.5%)・生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(同16.8%)等の生協・宅配チャネルと、全国の個人会員向け直販チャネルの二本柱で事業を展開する。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
生産卸売事業では、協力農場・子会社で生産した若鶏等をチキン食品等で一次処理し、当社で製品化して生協・量販店等に卸す。直販事業では、自社製品と外部仕入商品を個人会員に直接販売するD2Cモデルを採用。
生産卸売事業(売上高6,622百万円)がコア収益源であり、直販事業(同1,661百万円)が高付加価値チャネルとして補完する二層構造で収益を得る。
企業の強み
1972年の健康・安全な食づくり開始以来、若鶏の無投薬飼育、全植物性飼料の開発、ポストハーベスト無農薬コーンの開発輸入、飼料原料の非遺伝子組み換え化など、業界で困難とされた課題を技術開発でクリアしてきた実績を持つ。この技術蓄積は競合が短期間で模倣困難な固有の参入障壁を形成している。
グリーンコープ生活協同組合連合会(1,782百万円、21.5%)と生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(1,392百万円、16.8%)の2社合計で売上高の38.3%を占める。1988年からの長期取引実績に裏付けられた産直型の安定的な販売基盤であり、価格改定(値上げ)を実現できる交渉力の源泉ともなっている。
農場(菊川農場・協力農場)→一次処理(チキン食品)→製品化(当社)→販売という一貫した垂直統合体制を構築。鶏卵(篠目三谷)・牛乳(むつみ牧場)も子会社で生産し、品質管理を内製化している。
2026年3月期の生産実績は7,553百万円(前年同期比107.6%)と拡大しており、生産能力の着実な増強が確認できる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期6,639百万円から2026年3月期8,283百万円へ5期連続増収(同期間CAGR約5.7%)。営業利益は2022年3月期116百万円から2025年3月期に△3百万円へ悪化したが、2026年3月期は143百万円と黒字転換を果たした。
冷凍加工食品の販売好調と価格改定効果、工場生産性向上が寄与した。一方、直販事業・中国子会社の固定資産に係る減損損失143百万円を計上したため、親会社株主帰属純利益は21百万円(前期28百万円から減少)にとどまった。
外部要因として原材料・人件費・物流費の上昇が継続しており、消費者の節約志向を背景に鶏肉需要は相対的に堅調に推移している。
成長戦略
中期経営計画7つの基本戦略を軸に2027年3月期売上高90億円・経常利益率3%以上を目指す
冷凍食品の商品構成を成型品にシフトし、機械化・IT化・販売製造計画の精緻化を推進。2026年3月期に生産卸売事業の売上高6,622百万円・セグメント利益558百万円(前期比35.5%増)を達成し、工場生産性向上の効果が顕在化している。
会員限定商品の開発・投入、ECサイトのユーザビリティ改善、ブランドコンセプトを軸にしたコミュニケーション強化により新規会員獲得と注文率回復を目指す。2026年3月期は新規会員数減少・注文率低下により売上高1,660百万円(前期比1.8%減)と計画未達。減損損失も計上しており立て直しが急務。
2024年3月に連結子会社化した中国子会社において、販路拡大・無投薬飼育技術の安定化・品質管理強化を推進。2026年3月期は事業環境の変化を踏まえ固定資産の減損損失を計上しており、事業基盤の確立は計画を下回って推移している。
持続的成長の基盤として、社員が安心してチャレンジできる環境づくりや人財マネジメント強化を推進。サステナビリティ推進委員会を設置し、脱炭素・脱プラ・地域連携・中山間地農業問題への貢献を目指す「土の分野」の事業化にもチャレンジしている。
最終更新: 2026年7月19日

