事業内容
ジェコス株式会社は、JFEスチール㈱を中核とするJFEグループに属し、建設仮設材(H形鋼、鋼矢板等)の賃貸・販売および仮設工事の設計・施工を主力とする重仮設事業と、連結子会社レンタルシステム㈱が担う建設機械賃貸事業の2セグメントで構成される。重仮設事業では国内全拠点に加え、シンガポール(FUCHI Pte. Ltd.)・ベトナム(GECOSS VIETNAM CO., LTD.)にも展開し、海外事業も本格化している。
主要顧客は建設ゼネコンや土木工事会社であり、首都圏大型再開発案件から地方インフラ更新まで幅広い建設需要を捕捉している。みずほリース㈱とも資本業務提携を締結し、事業領域の多様化を推進している。
ビジネスモデル
建設仮設材を自社保有・管理し、建設現場に賃貸することで繰り返し収益を得るアセット活用型モデルが基本構造。使用後の仮設材は自社工場で復元修理・再加工し再賃貸するため、鋼材の循環利用が収益性を支える。
これに設計・コンサルティング(ジェコス設計㈱)、仮設工事施工(㈱オトワコーエイ等)、運送(トラック・エンド・メンテナンス・サービス㈱)を組み合わせ、ワンストップで付加価値を提供する。建設機械事業では採算性の高い商品への資産構成入替により収益基盤を強化している。
企業の強み
JFEスチール㈱の完全子会社であるJFEグループに属し、建設仮設材の一部をJFEグループから安定調達できる供給基盤を持つ。国内は全国規模の支店・工場網を展開し、海外はシンガポール・ベトナムに現地法人を保有。
2025年8月にはFUCHI Pte. Ltd.を連結子会社化し、海外事業の本格取り込みを実現した。
東京・名古屋・仙台・大阪・福岡等の全国工場で建設仮設材の復元修理・製作加工を内製化しており、2026年3月期の修理実績は1,577百万円(前年比6.0%増)。鋼材を繰り返し活用する循環型モデルが原価管理と資産効率を支え、採算性向上活動と相まって重仮設事業の経常利益率を高めている。
長沼工場は鉄骨製作工場認定Hグレードを取得し、高付加価値加工にも対応する。
設計費等コストに見合った対価取得(価格適正化)を継続的に推進した結果、2026年3月期の重仮設事業経常利益は8,604百万円(前年同期比29.8%増)を達成。連結営業利益も8,012百万円(同16.9%増)と大幅増益となり、売上高営業利益率は2022期の4.1%から2026期の6.9%へ段階的に改善している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は115,680百万円(前期比+3.7%)、営業利益8,012百万円(同+16.9%)、親会社株主帰属純利益5,853百万円(同+28.8%)と増収増益。売上総利益率は22.9%(前期20.9%)に改善し、採算性向上活動の成果が顕在化した。
外部要因として首都圏大型再開発案件を中心とした建設需要の堅調さが追い風となった。営業外では円安に伴う為替差益196百万円・受取補償金94百万円が経常利益を押し上げ、経常利益は8,709百万円(同+28.2%)。
特別損益ではFUCHI社連結化に伴う負ののれん発生益401百万円と段階取得差損418百万円が計上された。過去5期の営業利益推移(4,705→4,503→6,244→6,851→8,012百万円)は2023年3月期を底に一貫して改善しており、質的転換が定着しつつある。
成長戦略
採算性向上・事業領域拡大・海外シナジーを柱とする中期経営計画(2025〜2027)最終年度へ
設計費等コストに見合う対価取得の徹底と施工能力拡大を継続推進。2026年3月期の重仮設事業経常利益は8,604百万円(前期比+29.8%)と大幅増益を達成し、施策の効果が数値に表れている。2027年3月期予想は8,200百万円とやや減益見通しだが、営業利益ベースでは増益を見込む。
持分法適用関連会社であったシンガポールのFUCHI Pte. Ltd.及びその子会社2社を2026年3月期に連結子会社化。海外売上の本格取り込みと東南アジア市場でのシナジー拡大を目指す。連結化に伴い負ののれん発生益401百万円を計上。今後はFUCHI社との連携強化をさらに推進する方針。
2026年3月期の鉄構加工・橋梁売上高は11,565百万円(前期比△5.2%)と減収。インフラ更新需要の捕捉強化を目指し全国的展開を進める方針だが、2027年3月期予想は11,500百万円と横ばい水準にとどまる見込み。事業規模拡大に向けた施策の推進が引き続き課題。
ジェコス・レンタルシステム㈱・みずほリース㈱の3社間で資本業務提携契約を締結し、協業強化による事業領域拡大に着手。2026年3月期の建設機械事業経常利益は391百万円(前期比+20.2%)と増益。2027年3月期予想は450百万円(同+15.1%)と引き続き成長を見込む。
重仮設事業における山留周辺分野の事業体制確立と、安定的な需要が見込まれる土木工事の受注拡大に取り組む。2026年3月期の仮設工事売上高は30,039百万円(前期比+17.6%)と大幅増収を達成しており、施工能力拡大の成果が表れている。2027年3月期予想は27,500百万円とやや減少見込み。
最終更新: 2026年7月19日

