事業内容
北陸瓦斯株式会社は1913年創業、新潟県内を主要供給エリアとする都市ガス事業者である。北陸瓦斯㈱を中心に連結子会社5社・関連会社5社で構成され、都市ガスの製造・供給・販売を主軸に、LPG販売、ガス設備の保全・設計施工、住宅設備機器の販売施工、土木・管工事、太陽光発電の6セグメントを展開する。
新潟・長岡・柏崎の3地区で供給区域内世帯普及率94.1%を誇り、都市ガスお客さま数は436,752件(2026年3月末)に達する。2025年4月の小千谷市ガス事業譲受けにより供給エリアをさらに拡大した。
ビジネスモデル
都市ガスの製造・供給・販売が売上高の約94%を占め、ガス料金収入が安定的な収益基盤を形成する。グループ内では北陸ガスエンジニアリング㈱が保安点検を、北栄建設㈱がガス工事を、北陸ガスリビングサービス㈱が住宅設備機器販売・検針を担い、垂直統合型のバリューチェーンを構築している。
原料費調整制度によりLNG価格変動の一部を料金に転嫁できる仕組みも収益安定に寄与する。
企業の強み
2026年3月末時点で供給区域内世帯普及率94.1%、都市ガスお客さま数436,752件を有する。新潟地区では96.2%と極めて高い浸透率を誇り、長年の地域密着営業で構築した顧客基盤は競合他社が短期間で代替困難な参入障壁を形成している。
2009年以降、長岡市越路・三島・与板・栃尾・川口地区、柏崎市、見附市、小千谷市と自治体からのガス事業譲受を継続的に実施してきた。2025年4月の小千谷市譲受(取得対価3,209百万円)により顧客数・販売量が拡大し、都市ガス販売量は前期比2.7%増の416,639千㎥となった。
2026年3月末時点の有利子負債残高は69百万円と極めて低水準であり、自己資本比率は74.9%を維持する。純資産は569,230百万円規模に達し、設備投資や事業譲受を内部資金で賄える財務基盤を有する。営業キャッシュフローは9,007百万円(前期比16.1%増)と安定的なキャッシュ創出力を持つ。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は64,436百万円(前期比4.3%増)、営業利益3,798百万円(同169.4%増)、親会社株主帰属当期純利益3,180百万円(同62.9%増)と過去5期で最高の利益水準を達成した。外部要因として前年比でLNG価格が低下し売上原価が343百万円減少したことに加え、2024年10月のガス料金改定効果と小千谷市ガス事業譲受(2025年4月)によるガス販売量2.7%増が売上増加を牽引した。
一方、次期(2027年3月期)はLNG価格上昇・設備投資増加を主因に営業利益1,920百万円(前期比49.5%減)と大幅減益を予想しており、当期の高収益は構造的改善というよりも複数の好条件が重なった結果と位置づけられる。営業キャッシュフローは9,008百万円と堅調だが、投資活動での流出は10,003百万円に拡大し、現金及び現金同等物は5,249百万円(前期末比1,397百万円減)となった。
成長戦略
料金適正化・エリア拡大・設備強靭化・カーボンニュートラル対応の4軸で持続成長を目指す
2024年10月に14年ぶりのガス料金改定を実施し、原料費上昇分を料金に反映させる収益構造の適正化を図った。2026年3月期は改定効果が通期寄与し、売上高・利益の改善に大きく貢献した。次期は原料費調整に伴う料金単価上昇も見込む。
2025年4月に小千谷市の都市ガス事業を3,481百万円で譲受し、のれん1,577百万円・顧客関連資産440百万円を計上した。ガス販売量の前期比2.7%増に寄与しており、今後も自治体からの事業移管ニーズを取り込む方針を継続する。
経年ガス管の取替や供給設備の保全・機能強化に継続的に取り組む。2026年3月期の有形固定資産取得支出は5,962百万円と前期比44.6%増加しており、次期も高水準の設備投資を継続する方針。これにより次期営業費用の増加要因となる見込み。
太陽光発電事業(メガソーラー)を運営し、2026年3月期売上高70百万円・セグメント利益56百万円と前期比それぞれ11.3%増・23.5%増を達成した。グループの脱炭素化戦略における再生可能エネルギー事業として位置づけ、天然ガスの移行期エネルギーとしての活用と並行して推進する。
最終更新: 2026年7月19日

