事業内容
東部ネットワーク株式会社は1943年創業の総合物流企業で、東京証券取引所スタンダード市場に上場。当社及び子会社3社(株式会社東北三光、魚津運輸株式会社、テーエス運輸株式会社)で構成されるグループは、関東圏を中心に本州・四国に輸送ネットワークを展開する。
主力の貨物自動車運送事業では飲料・産業用ガス・セメント等の特殊貨物輸送から3PL事業まで幅広く手掛け、コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社や日本エア・リキード合同会社等の大手企業を主要顧客とする。不動産賃貸事業では自社保有のオフィスビル・物流センターを運営し安定収益を確保。
2026年3月期の連結売上高は10,077百万円。
ビジネスモデル
主力の貨物自動車運送事業(売上高の約91%)では、飲料・産業用ガス・セメント等の特殊貨物輸送と3PL(物流一括受託)を組み合わせ、荷主の多様なニーズに対応する。傭車比率は約38.7%で外部協力会社と連携しながら輸送能力を確保。
不動産賃貸事業(売上高の約6.5%)では自社保有施設を物流センター・オフィスとして賃貸し、高い利益率(セグメント利益率約62.9%)で安定収益を創出する。
企業の強み
産業用ガス輸送(日本エア・リキード合同会社向け売上高1,216百万円、前年比19.5%増)やセメント輸送など、高度な安全管理と専門知識を要する特殊貨物輸送に強みを持つ。魚津運輸株式会社の完全子会社化により工業ガス・特殊輸送分野のノウハウをグループ内に取り込み、競合他社が短期間で模倣困難な専門性を蓄積している。
東部ヨコハマビルをはじめ、海老名・北陸・神戸・滋賀・広島等に自社物流センターを保有。不動産賃貸事業のセグメント利益率は約62.9%(2026年3月期:売上高657百万円、セグメント利益413百万円)と高水準で、東部ヨコハマビルは満床稼働が継続しており、安定した賃料収入が主力事業の収益変動を補完する構造となっている。
2026年3月期末の自己資本比率は82.7%、純資産合計は20,913百万円と財務健全性が極めて高い。有利子負債依存度が低く、営業活動によるキャッシュ・フローは803百万円(前期737百万円から増加)を確保。
この財務基盤がM&Aや設備投資を自己資金中心で実行できる原動力となっており、テーエス運輸・魚津運輸の子会社化もこの財務力を背景に実現した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高10,077百万円(前期比-2.8%)と2期連続の減収となったが、売上原価の圧縮(前期9,324百万円→当期8,823百万円)により売上総利益は1,254百万円(同+19.8%)に改善。営業利益270百万円(同+44.8%)・経常利益370百万円(同+48.2%)・純利益300百万円(同+184.4%)と利益面は顕著に回復。
特別損失の減損損失が前期153百万円から当期27百万円へ大幅縮小したことも純利益押し上げに寄与。過去5期の営業利益推移は2022期404百万円→2023期431百万円→2024期315百万円→2025期187百万円→2026期270百万円と、2025期を底に反転局面に入った。
外部要因として中東情勢に起因するエネルギー価格高騰・人手不足が引き続きコスト圧力となっている。
成長戦略
特殊貨物・3PL拡大とM&Aによる業容拡大・収益構造改革の三本柱
工業ガス・毒物劇物等の特殊貨物輸送分野への専門人材育成投資を加速。魚津運輸の完全子会社化(2025年12月)により工業ガス輸送能力を強化し、日本エア・リキード向け売上高1,217百万円を獲得するなど収益改善が進展。
公共投資・国内産業成長が期待される九州・北海道エリアへの3PL展開を推進。半導体製造向け産業用ガスの保管・輸送体制の構築を着実に進めており、新規収益源の確立を目指す。
グループ化後2年でテーエス運輸の収益構造改革が着実に進展し、貨物自動車運送事業セグメント利益の倍増(前期170百万円→当期347百万円)を牽引。引き続き中核子会社として業績貢献が期待される。
トランスポートサービス(配車サービス)においてDX推進による業務効率化を図り、主要荷主の物流合理化に対応した荷主構成の見直しと傭車先との輸送連携強化を進め、将来の市場変化に対応できる営業体制を構築。
2025年11月に自己株式取得を実行(取得支出125百万円)。2026年3月期の年間配当金は20.00円(前期15.00円から増配)、2027年3月期予想も20.00円を維持。配当性向は37.3%に低下し、持続的な還元水準を確保。
最終更新: 2026年7月19日

