事業内容
株式会社シーラホールディングス(旧クミカ)は、1970年の型枠工事業創業を起源とし、マンション・ホテル等の開発分譲(開発事業)、請負工事・型枠工事(建築事業)、富裕層・投資家向け不動産仕入販売(不動産販売事業)、賃貸管理・売買仲介(その他事業)の4セグメントを展開する総合不動産グループ。東京証券取引所スタンダード市場上場。
2025年6月に株式会社シーラテクノロジーズと株式交換による経営統合を完了し、商号をシーラホールディングスに変更。主要顧客は富裕層・法人投資家・長谷工コーポレーション等の大手不動産会社。
2025年5月期売上高は5,419百万円で、不動産販売事業が売上の約74.6%を占める主力セグメント。
ビジネスモデル
建築事業による自社施工(内製化)でローコストオペレーションを実現しながら、開発事業でマンション・ホテルを分譲する垂直統合型モデルを基軸とする。不動産販売事業では市場ニーズに応じた柔軟・迅速な仕入により競合を回避し、富裕層向け相続対策・投資用物件のコンサルティング販売で利益率の高い案件を確保。
その他事業の賃貸管理・仲介フィーがストック型の安定収益を補完する構造。2025年6月のシーラテクノロジーズ統合後は、AIやビッグデータを活用した仕入・販売および不動産クラウドファンディング「利回りくん」を加えた収益多様化を目指す。
企業の強み
型枠工事業を創業起源とする建築事業部門が、グループ開発案件の施工を内製化することで建設原価を抑制。2025年5月期の建築事業受注高は2,075百万円(前期比2,386.1%増)、期末残受注高は1,988百万円に積み上がり、次期以降のグループ内製化推進の基盤が整備されている。
不動産販売事業は2025年5月期に売上高4,044百万円(前期比92.7%増)、セグメント利益531百万円を計上し、全社売上の74.6%を占める主力事業。株式会社シーラ(売上比32.6%)・長谷工コーポレーション(同28.9%)等の大口顧客との取引が確立されており、安定した販売チャネルを有する。
賃貸住宅仲介・管理および不動産売買仲介を担うその他事業は、2025年5月期に売上高496百万円(前期比12.6%増)、セグメント利益168百万円(前期比36.1%増)、セグメント利益率33.9%を達成。景気変動に左右されにくいストック型収益として全社収益を下支えしている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
個別ベースでは2022期6,065百万円→2025期5,419百万円と低迷していた売上高が、2026期は連結化(シーラテクノロジーズ等4社を連結範囲に追加)により39,331百万円へ急拡大。営業利益も3,186百万円(営業利益率8.1%)と大幅改善。
ただし親会社帰属純利益6,684百万円は負ののれん発生益7,909百万円という一過性特別利益を含む。経常利益は2,067百万円(経常利益率2.9%)にとどまり、支払利息935百万円の負担が重い。
外部環境として首都圏収益用マンション市場は底堅い賃貸需要が継続する一方、建築資材価格高騰・金利上昇懸念が収益を下押しするリスクとして残存。2027年5月期は売上高38,000〜40,000百万円、営業利益3,700〜3,900百万円を予想し、実力ベースでの収益改善が見込まれる。
成長戦略
首都圏集中供給・建設内製化・再エネ事業拡大・生成AI活用で企業価値向上を目指す
2027年5月期の新築物件供給計画を14棟とし、台東区秋葉原・神奈川区入江の工事請負案件(進行基準)も加わり売上高38,000〜40,000百万円を予想。翌期以降の供給に向けた事業用地の積極取得も継続中。
自社施工の深化と建築仕様の標準化推進により原価低減を図る。2026年5月期は建設事業がセグメント損失603百万円と赤字継続だが、外部デベロッパー・投資ファンドからの請負案件獲得も開始し収益多様化を進める。
香川銀行融資を受け系統用蓄電所を取得し、2026年9月の需給調整市場参入に向けた試運転を実施中。埼玉県さいたま市の太陽光発電関連事業譲受により自社土木工事も可能となり、一気通貫体制を強化。
生成AIを業務プロセスに組み込み、用地仕入・設計・販売・管理の各工程における効率化を推進。具体的な数値目標・施策詳細は現時点で開示されていないが、中長期の企業価値向上施策として位置付けられている。
台東区秋葉原・神奈川区入江において土地売却と同時に建物工事請負契約を締結する新スキームを導入。他事業セグメントとのシナジーを活かしつつ資本回転率を高め、2027年5月期から進行基準で収益計上予定。
最終更新: 2026年7月17日

