事業内容
三共生興株式会社は1920年創業、連結子会社14社を擁する繊維・ファッション複合企業である。英国「DAKS」・仏「LEONARD」の2つの欧州高級ファッションブランドを保有し、中国・香港・マカオ・台湾・韓国・タイなどアジア市場を中心にグローバルなブランドビジネスを展開するファッション関連事業、繊維衣料製品のOEM事業を中核とする繊維関連事業、東京・横浜・大阪・神戸の自社所有不動産を活用したオフィス賃貸・ビジネスホテル・イベントホール事業からなる不動産関連事業の3セグメントで構成される。
2026年3月期の連結売上高は23,984百万円。
ビジネスモデル
ファッション関連事業では自社保有ブランドの企画・生産・販売およびライセンスビジネスにより収益を得る。繊維関連事業では主要アパレルメーカー向けOEM受託生産が収益の柱であり、東南アジアの生産サプライチェーンを活用したコスト競争力が強みとなる。
不動産関連事業では自社所有物件の長期賃貸契約(東横インとの契約期間は最長2050年まで)により安定的な賃料収入を確保し、グループ全体の収益基盤を下支えする構造となっている。
企業の強み
英国「DAKS」(1991年買収)・仏「LEONARD」(2022年連結子会社化)の2ブランドを自社保有し、中国・香港・マカオ・台湾・韓国・タイ等アジア主要市場に独自の販売ネットワークを構築している。台湾では2025年11月にSANKYO SEIKO (TAIWAN) Co., Ltd.を設立し、現地での意思決定を迅速化するなど、アジア展開基盤を継続的に強化している。
東京・横浜・大阪・神戸に自社所有不動産を保有し、東横インとの賃貸契約は最長2050年1月まで締結済みである。2026年3月期の不動産関連事業セグメント利益は744百万円、セグメント資産は15,701百万円に達し、オフィスビル・ビジネスホテルの安定稼働がグループ全体の収益を下支えしている。
繊維関連事業では主要取引先との取引が堅調に推移し、新規取引先開拓も進展している。2026年3月期のセグメント利益は479百万円と前期比11.4%増を達成した。
独自の冷感素材「アイスドファブリック」を開発し、スポーツ・アウトドア・寝具など幅広い用途への展開を進めるなど、OEMの枠を超えたオリジナル機能素材の提案力を高めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期16,914百万円から2026年3月期23,984百万円へ5期で拡大してきたが、2026年3月期は前期比2.5%減と初の減収に転じた。営業利益は2024年3月期2,473百万円をピークに2期連続で大幅減少し、2026年3月期は750百万円(営業利益率3.1%)まで低下。
DAKS・LEONARDブランドの商品評価損531百万円・減損損失1,526百万円が主因。外部要因として中国市場の消費低迷・香港マカオの旅行客購買傾向変化・物価高騰による衣料品消費マインドの慎重化が業績を圧迫した。
一方、営業CFは2,854百万円(前期1,113百万円)と改善し、現金及び現金同等物は10,786百万円に増加した。
成長戦略
中計修正後の3軸戦略でブランド再建・OEM変革・不動産成長投資を推進
DAKS・LEONARDの収益性を慎重に検討し、在庫評価見直し・ブランド資産最適化を実施済み。DAKSメンズ・DAKS GOLFの国内展開や他ブランドとのコラボレーション、LEONARD次世代顧客向け商品企画開発を推進。台湾現地法人化によりアジア市場での意思決定を迅速化。
東南アジアの生産サプライチェーン拡充によるコスト競争力強化に加え、独自冷感素材「アイスドファブリック」等オリジナル機能素材の開発・展開でアパレル以外の用途拡大を推進。三共生興アパレルファッション株式会社の吸収合併により経営体制を強化し、2026年3月期繊維関連セグメント利益は前期比11.4%増を達成。
遊休土地の再開発決定および新規事業としてのホテル事業参入を決定。2026年3月期の不動産関連有形・無形固定資産増加額は1,213百万円と前期比大幅増加。オフィスビル・ビジネスホテルの安定稼働を維持しつつ、中長期的な収益力強化を図る。
2026年5月15日公表の中期経営計画見直しにより、2027年3月期の連結業績予想を売上高24,000百万円・営業利益1,500百万円・経常利益2,600百万円・当期純利益2,000百万円に設定。当初計画から数値目標を修正し、現実的な回復シナリオを提示。
配当は1株当たり27円00銭(配当性向49.9%)を維持予定。
最終更新: 2026年7月19日

