事業内容
株式会社松風は1922年創業の歯科材料・機器の総合メーカーで、国内4社・海外14社の連結子会社を擁するグローバルグループを形成している。主力のデンタル関連事業では人工歯、充填修復材料(化工品類)、CAD/CAM関連製品、セメント類、機械器具類など幅広い製品を製造・販売し、売上高の約94%を占める。
販売網は北米・欧州・中国・アジア・中南米・インドに及び、主要顧客は歯科医院・歯科技工所・歯科ディーラーである。第二セグメントとしてネイル関連事業(ジェルネイル・アクリルネイル製品)も展開し、東証プライム市場に上場している。
ビジネスモデル
松風グループは国内外の製造子会社で歯科材料・機器を生産し、各国の販売子会社・代理店を通じて歯科医院・歯科技工所・ディーラーへ販売する垂直統合型モデルを採る。研究開発費として2,165百万円(2026年3月期)を投じ、新製品を継続的に市場投入することで製品競争力を維持する。
三井化学・サンメディカルとの資本業務提携により材料技術・製品ラインナップの補完も図っている。
企業の強み
1922年創業以来100年超にわたり歯科材料・機器の研究開発・製造を継続し、充填修復材料「BEAUTIFIL」シリーズや口腔内ケア製品「メルサージュ」など多数のロングセラーブランドを保有する。2026年3月期の研究開発費は2,165百万円に上り、毎期継続的な製品刷新を実現している。
米国・ドイツ・英国・シンガポール・中国・ブラジル・インドなど世界主要市場に販売子会社を設置し、地域特性に応じた事業展開を行っている。2026年3月期の海外売上はデンタル関連事業の主要成長ドライバーとなっており、北米・中南米・中国での充填修復材料、欧州でのCAD/CAM関連製品が堅調に推移した。
2020年に三井化学と資本業務提携を締結し、三井化学が発行済株式の20.01%を保有する安定株主となっている。提携内容は新製品開発促進・製品ラインナップ補完・国内外販売ネットワーク活用・生産機能の補完共有に及び、持分法適用関連会社であるサンメディカルとの3社連携により歯科材料市場での事業力強化を図っている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期28,137百万円から2026年3月期39,994百万円へ5期連続増収(年平均成長率約9.2%)。ただし2026年3月期の増収率は3.3%と前期(10.3%)から鈍化した。
営業利益は販売費及び一般管理費の増加(914百万円増)により前期比3.1%減の5,226百万円と5期ぶりの減益。経常利益は為替差益・貯蔵品売却益等の営業外収益増加により前期比6.1%増の5,859百万円、当期純利益は投資有価証券売却益836百万円の寄与もあり前期比13.2%増の4,887百万円で過去最高を更新。
外部要因として米国関税政策の不確実性・中東情勢悪化・物価上昇が経営環境の不透明感を高めており、為替(米ドル150円・ユーロ170円想定)のプラス影響が海外売上の円換算額を下支えした。
成長戦略
第五次中期経営計画と長期ビジョン「Vision10」でデジタル歯科グローバルトップ10を目指す
松風ブロックPEEK・松風ブロックHC スーパーハード・松風ディスクZR ルーセントスープラ等のCAD/CAM関連製品ラインアップを拡充し、歯科医療デジタル化の進展を取り込む。2026年3月期は国内デンタル事業の増収に貢献。
2027年3月期も充填修復材・CAD/CAM材料・予防ケア製品のシェア拡大を継続方針。
北米・中南米での充填修復材料(化工品類)、欧州でのCAD/CAM関連製品、アジアでの総合的な製品展開を推進。2026年3月期の地域別売上高は北米・中南米5,103百万円、欧州8,658百万円、アジア9,121百万円と各地域で前期比増収を達成。
2027年3月期は主力化工品類・セメント製品の積極的な市場投入を継続。
グローバル需要拡大に対応するため、本社新工場第一期棟を2026年3月期に竣工。国内製造子会社でも新工場建設に着手し、有形固定資産取得支出は3,433百万円と前期比約2.8倍に拡大。中長期的な生産体制の再構築により、第五次中期経営計画および長期ビジョンの数値目標達成を支える基盤を整備。
2040年を見据えた次期長期ビジョン「Vision10」を策定。歯科業界グローバルトップ10入りを目標に、グループ売上高250,000百万円・営業利益率20%を長期目標として設定。
経営資源の有効活用・事業運営の効率化を通じた資本効率改善(ROE10.7%、2026年3月期)にも取り組む。連結配当性向40%以上・DOE3.0%以上の株主還元方針も継続。
最終更新: 2026年7月19日

