事業内容
株式会社ソノコムは1962年創業、東京証券取引所スタンダード市場上場の電子部品向けスクリーン印刷用マスク専業メーカーである。主力製品はスクリーンマスク・メタルマスク・フォトマスクで、電子部品の生産、プリント回路板の表面実装(SMT)、液晶デバイス生産等に使用される。
主要顧客は太陽誘電をはじめとする電子部品メーカーで、AIサーバー・データセンター向けおよびスマートフォン等情報通信関連向け電子部品の需要を取り込んでいる。千葉県松戸工場・神奈川県玉川工場の2拠点体制で製造し、スクリーン印刷用資機材の仕入販売も手掛ける。
2026年7月にはマクセルのEF2事業を承継する九州ソノコム株式会社を子会社化し、精密加工領域への事業拡大を図る。
ビジネスモデル
製品売上(スクリーンマスク等の受注製造販売)と商品売上(スクリーン印刷用資機材の仕入販売)の二本柱で収益を得る。2026年3月期の製品売上高は2,314百万円(売上構成比約85%)、商品売上高は398百万円(同約15%)。
顧客の高精度・短納期ニーズに応える現場密着型の技術開発体制を強みに、電子部品メーカーとの継続的な取引関係を構築している。設備投資・運転資金は全額自己資金で賄う無借金経営を維持している。
企業の強み
2026年3月期末の現金及び現金同等物は4,143百万円、自己資本比率は92.1%、借入金ゼロ。総資産10,144百万円に対し純資産9,344百万円という極めて健全な財務構造を維持しており、九州ソノコム子会社化を含む将来の投資を全額自己資金で賄える財務的柔軟性を有する。
本社技術部・松戸工場製造技術課(13名)が中心となり、研究開発費136百万円(製品売上高比5.9%)を投じた現場密着型開発体制を構築。高強度低伸度めっき被膜の量産化、リブメッシュコンビ版・リブ入メタルマスクUB-5Vの量産化など、当事業年度だけで複数の新製品を量産化した実績を持つ。
1962年創業以来60年超にわたりスクリーン印刷用製版に特化し、技術・ノウハウを蓄積。太陽誘電との取引は前事業年度比36.6%増の452,948千円(売上構成比16.7%)に拡大しており、主要電子部品メーカーとの継続的な取引関係が業績の安定基盤となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024期2,134百万円を底に2025期2,423百万円、2026期2,712百万円と2期連続で拡大。営業利益は2024期137百万円→2025期202百万円→2026期332百万円と急回復し、売上高営業利益率は2024期6.4%→2025期8.3%→2026期12.2%(※2026期は332/2,712)へ大幅改善。
外部要因として、AIサーバー・データセンター向けおよびスマートフォン等情報通信関連向け電子部品需要が堅調に推移したことが主要ドライバー。一方でEV等自動車関連向けは引き続き低位で推移。
製品売上高は前期比12.7%増の2,315百万円、商品売上高は同7.7%増の398百万円。販売費及び一般管理費は前期比微減(548百万円→541百万円)となり、売上増加が利益に直結した。
営業CFは前期△79百万円から524百万円へ大幅改善。2027年3月期は会社予想で営業利益190百万円(△42.8%)と急減速を見込む。
成長戦略
EF2事業子会社化による精密加工領域拡大と高付加価値製品開発の二軸戦略
高度化する市場ニーズに対応するため、試験研究費136百万円(売上高比5.0%)を継続投入。機械及び装置の積極的な更新(当期取得額257百万円)により生産効率向上と高精度製品の安定供給体制を強化。2026年3月期に売上高営業利益率16.9%(※短信表記)を達成。
マクセル株式会社のEF2(Electro-Fine-Forming)事業を承継する新設会社の全株式を取得し、九州ソノコム株式会社として子会社化。精密微細加工技術と顧客基盤を取り込み、既存スクリーン印刷用マスク事業とのシナジーを創出することで事業領域を拡大し、中長期的な企業価値向上を目指す。
スクリーン印刷用資機材の仕入販売(商品売上)は2026年3月期398百万円(前期比7.7%増)と堅調に拡大。製品売上高に次ぐ第二の収益柱として、顧客への総合的なソリューション提供を通じた関係深化と売上高の底上げに寄与している。
最終更新: 2026年7月19日

