事業内容
フクビ化学工業は1953年創業の福井県本拠の合成樹脂製品メーカーで、プラスチックを中心とする異形押出成形技術をコア技術として保有する。事業は建材事業(売上高の約63%)、CSE事業(住宅設備・車両向けOEM/ODM)、精密事業(反射防止付樹脂シート等機能性コーティング)、グローバル事業(ASEAN・北米向け建材)の4セグメントで構成される。
主要顧客は住宅・建設業界向け商社・代理店のほか、自動車メーカー・物流施設向けOEM顧客など多岐にわたる。国内外に子会社8社・関連会社1社を擁し、ベトナム・タイ・米国に海外拠点を持つ。
ビジネスモデル
自社保有の材料配合・成形加工技術を活用して外装・内装・断熱・精密コーティング等の多品種製品を開発・製造し、商社・代理店・販売店を通じて建設業界や自動車メーカーへ販売する。建材事業では汎用品から高付加価値断熱材・環境配慮型製品へのポートフォリオ転換を進め、CSE・精密事業ではOEM/ODM受注による安定収益を確保する。
2026年4月にはグループ工事事業をフクビ・リフォジュールアーキテクツに統合し、資材提供に留まらないソリューションビジネスへの転換を推進している。
企業の強み
積水化学工業からフェノールフォーム断熱ボード事業を承継し設立したフクビ岡山にて第2工場建設を決定。経済産業省「大規模成長投資補助金」に採択された事業であり、福井との2拠点分散生産体制を確立することでBCP対応力と安定供給体制を同時に強化する。
建材事業の営業利益は前期比5.3%増の3,737百万円を確保した。
塩化ビニル建材から出発し、再生木材『プラスッド』(グッドデザイン賞受賞)、PFASフリー光ガイディングバー、CFRTP一貫製造プロセス(NEDO省エネルギー技術開発賞・理事長賞受賞)まで、コア技術を水平展開して多領域に製品群を拡大してきた実績を持つ。研究開発費は当期1,027百万円を投入している。
2026年3月期末の自己資本は39,905百万円、自己資本比率は72.6%(前期末比3.9ポイント改善)。有利子負債依存度が低く、現金及び現金同等物の期末残高は13,499百万円を保有する。無借金に近い財務構造が成長投資と株主還元の両立を可能にしている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は40,594百万円(前期比1.6%増)、営業利益1,733百万円(同11.8%増)、親会社株主帰属当期純利益1,680百万円(同14.6%増)と全利益段階で増益を達成し、2025年3月期の一時的な利益減少から回復した。高性能断熱材の伸長と非住宅・車両関連部材の復調が増収を牽引。
製造コスト上昇に対し生産性向上で対応し売上総利益率は30.5%(前期30.0%)に改善。為替差益86百万円(前期29百万円)や投資有価証券売却益230百万円も経常・純利益を押し上げた。
一方、営業CFは1,353百万円と前期4,435百万円から大幅減少しており、仕入債務の減少(2,309百万円)が主因。自己資本比率は72.6%と5期連続改善。
成長戦略
循環型ビジネス拡大・収益基盤強化・組織づくりの3軸で第7次中計(2023〜2027年度)を推進
経済産業省「大規模成長投資補助金」採択を受け、フクビ岡山株式会社にて第2工場建設を決定。福井との2拠点体制によりBCP対応力と安定供給体制を強化。
建築物省エネ法改正による需要増に対応し、断熱事業の収益拡大を図る。後発事象として2026年4月に20億円のシンジケートローン契約を締結(最終返済期日2038年3月31日)。
2026年4月1日付でグループ内工事事業をリフォジュール株式会社(商号変更:フクビ・リフォジュールアーキテクツ株式会社)に統合。リソースの最適配置と効率化を加速させ、単なる資材提供に留まらない工事請負・ソリューション提供による収益性向上を目指す。
リフォーム・リノベーション・非住宅建築物分野の成長を確実なものとする。
再生木材『プラスッド』の好調推移とグッドデザイン賞受賞を基盤に、プラットフォーム型事業ブランド『Fukuvi commons』を立ち上げ。CFRTP一貫製造プロセスのNEDO省エネルギー技術開発賞受賞、PFASフリー『光ガイディングバー』の開発完了など、環境規制対応製品の拡充により新規顧客・市場を創造する。
精密事業では車載向け部材の需要拡大と製造原価低減により2026年3月期に営業利益が前期比122.0%増と急拡大。CSE事業では光ガイディングバーPFASフリータイプの開発完了により欧州グローバル自動車メーカー向け新規需要獲得を狙う。
非車載分野(レンズカバー・物流資材等)への展開も継続し、収益多様化を図る。
ASEAN・米国での建材ビジネスの順調な推移と新規OEM品・海外向け車両部材の販売拡大により、2026年3月期の営業損失は29百万円(前期△122百万円)まで縮小。各現地法人での原価低減・販管費抑制を継続し、早期黒字転換を目指す。
第7次中計においてグローバル経営基盤強化を重点課題として位置付けている。
最終更新: 2026年7月19日

