事業内容
株式会社遠藤製作所は1950年創立の新潟県燕市に本拠を置く金属製品加工メーカー。鍛造技術と塑性加工技術をコアに、ゴルフクラブヘッド・人工関節等医療機器・航空機部品を手掛けるファインプロセス事業(売上高8,552百万円)と、メタルスリーブ・自動車等鍛造部品・精密型打鍛造全般を手掛けるメタル事業(売上高9,685百万円)の2セグメントで構成される。
製品のほとんどはOEM生産であり、住友ゴム工業・IHIなど国内大手企業が主要顧客。タイに複数の製造子会社を持ち、2025年2月には日亜鍛工株式会社を子会社化し建設機械・発電用タービンブレード分野へ事業領域を拡大した。
ビジネスモデル
当社グループは、顧客ブランドによるOEM生産を基本とし、鍛造・機械加工・研磨等の高度な金属加工技術を提供することで収益を得る。国内(燕市本社・日亜鍛工)で企画・開発・生産技術開発を担い、タイ3拠点(ENDO THAI、ENDO FORGING、ENDO METAL SLEEVE)でコスト競争力のある製造を行うグローバル分業体制を採用。
研究開発費304百万円を投じ、提案型開発による製品差別化と新規受注獲得を推進している。
企業の強み
1968年のゴルフクラブヘッド製造開始以来、鍛造・機械加工・研磨技術を蓄積。同技術をゴルフから医療機器(人工関節)・航空機部品へ横展開し、ファインプロセス事業の営業利益率11.1%を実現。技術の多用途展開が収益基盤の多様化に寄与している。
ENDO THAI、ENDO FORGING、ENDO METAL SLEEVEの3社をタイに擁し、コスト競争力のある製造体制を構築。2025期のメタル事業売上高9,685百万円のうち鍛造・メタルスリーブの大部分をタイ拠点が担い、国内開発・海外製造の分業モデルを確立している。
2025年2月に日亜鍛工株式会社を子会社化し、建設機械・発電用タービンブレード等の大型鍛造品分野へ参入。純資産合計23,297百万円に対し負債合計4,678百万円と財務健全性が高く、成長投資余力を保持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は12,590百万円(2021期)→18,237百万円(2025期)と一貫して増収基調を維持。2026年12月期第1四半期も4,991百万円(前年同期比8.7%増)と増収を継続した。
一方、営業利益は2021期1,838百万円をピークに2025期1,027百万円まで低下しており、原材料・輸送費高騰と円安による仕入コスト上昇が利益率を圧迫している。2026年12月期第1四半期の経常・純利益の前年同期比減少は前年の補助金収入(営業外収益)の剥落が主因であり、営業利益ベースでは4.4%増益を確保。
通期業績予想(売上高21,000百万円、営業利益1,150百万円)は変更なし。外部要因として中東情勢による原油高・輸送費上昇、米国関税政策によるメタルスリーブ需要減が下振れリスクとして存在する。
成長戦略
事業ポートフォリオ再構築・経営基盤強化・資本効率向上の3テーマでROE5%以上を目指す
ゴルフ・医療機器・航空機分野での出荷拡大を推進。2026年12月期第1四半期にゴルフ・医療・航空機分野が堅調に推移し、ファインプロセス事業売上高が27.1%増収を達成。新規受注獲得に向けた設備投資(建設仮勘定1,257百万円)も継続実施中。
メタルスリーブ分野での米国関税・取引先再編の影響を受け、農耕機・二輪車等の新分野受注獲得と日亜鍛工を活用した大型鍛造品分野への展開を推進。2026年12月期第1四半期は受注減少の影響が顕在化しており、下期の回復が課題。
生産能力強化と生産効率化による原価低減を継続実施。2026年12月期第1四半期の販管費は506百万円と前年同期541百万円から削減を実現。為替・原油高等のコスト上昇圧力に対し、内部効率化で対応する方針を継続。
ROE目標5%以上の達成に向け、利益成長と資本政策の両面から取り組む。2025期ROEは2.6%と目標を大幅に下回る状況が継続。2026年12月期通期純利益予想1,000百万円(前期比66.4%増)が実現すれば改善方向に向かうが、目標達成には更なる利益拡大が必要。
最終更新: 2026年7月17日

