事業内容
クボテック株式会社は1979年創業の技術開発型企業で、当社および米国子会社Kubotek USA, Inc.の2社で構成されるグループを形成している。主力事業は、FPD・半導体・高機能フィルム向けの画像処理外観検査装置(Opticsシリーズ)を開発・製造・販売する「検査機システム」事業と、3次元モデリング・計測・加工機能を統合したCAD/CAMソフトを米州市場で展開する「創造エンジニアリング」事業の2本柱。
主要顧客はXiamen Tianma Optoelectronics Co., Ltd.をはじめとする中国・アジアのFPDメーカーおよび北米製造業。2026年10月に東京証券取引所スタンダード市場からの上場廃止が決定している。
ビジネスモデル
日本セグメントは顧客仕様に応じた受注生産型の画像処理外観検査装置を製造・販売し、大型案件の引き渡し時期に売上が集中する構造を持つ。米国セグメントはKubotek USA, Inc.が3DCADソフトウェアを見込み生産・ライセンス販売する形態で、現地通貨ベースでは横ばい推移が続く。
研究開発費は当連結会計年度86,717千円を計上し、技術蓄積を通じた製品競争力の維持を図っている。
企業の強み
アレイパターン・カラーフィルター・配向膜・有機EL・ガラス基板・高機能フィルムなど液晶パネル製造の全工程に対応する検査装置ラインナップを自社開発している。高速・高精細な欠陥検出とLOOCSによる工程全体の一元管理機能は、1993年のOptics開発以来40年超の技術蓄積に裏付けられた固有の競争優位である。
米国子会社Kubotek USA, Inc.が自社開発の3Dカーネルを搭載したCAD/CAMソフトウェアを保有し、モデリング・計測・加工を統合するCACシステムとして米州市場に展開している。ソフトウェア資産は有形固定資産と異なり減価が緩やかで、当連結会計年度のソフトウェア取得支出203百万円が示すとおり継続的な開発投資が行われている。
Xiamen Tianma Optoelectronics Co., Ltd.向けに前連結会計年度689百万円(売上比41.5%)の大型FPD案件を納入した実績を持つ。当連結会計年度は434百万円(同20.6%)と比率は低下したものの、中国大手顧客との取引継続実績は新規案件獲得における参照事例として機能する固有の強みである。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は2,102百万円(前期1,662百万円、前期比26.5%増)と5期連続増収を達成。営業損失は△112百万円(前期△125百万円)、当期純損失は△156百万円(前期△201百万円)と損失幅は縮小傾向にある。
日本セグメントでは中国向け大型FPD案件(Tianma向け)の引き渡し進捗が売上増を牽引した。一方、キャッシュフロー面では投資活動に定期預金預入56百万円が加わり(訂正後)、期末現金残高は113百万円まで低下。
外部要因として中国FPD市場の設備投資サイクルが業績変動の主因となっており、棚卸資産の653百万円減少が営業CFの赤字幅を抑制した。
成長戦略
検査機新市場開拓・画像処理エンジン拡販・3Dソフト新規顧客獲得の三本柱
Xiamen Tianma向けを中心とした大型FPD検査装置案件の引き渡しを進め、2026年3月期に日本セグメント売上高(外部顧客)1,092百万円を計上。次期の受注獲得・契約負債積み上げが業績継続の鍵となる。
FPD向けで培った画像処理外観検査技術を隣接市場へ横展開し、特定顧客・市場への依存度低減と新規収益源の確立を目指す。画像処理型検査エンジンの開発・拡販による新規顧客獲得も並行して推進。
Kubotek USA, Inc.が自社開発3Dカーネルを搭載したソフトウェア製品の米州市場での新規顧客開拓を継続。現地通貨ベースは横ばい推移であり、円安効果に依存しない実質的な顧客基盤拡大が課題。
最終更新: 2026年7月19日

