事業内容
株式会社ジェイ・エム・エスは1965年創業の医療機器・医薬品メーカーで、輸液・栄養領域、透析領域、外科治療領域、血液・細胞領域の4領域を中核事業として展開する。国内では当社が製造・販売の主体を担い、海外ではシンガポール・インドネシア(血液・細胞)、中国(透析関連)、フィリピン(血液バッグ)、ドイツ(欧州透析販売)、米国・韓国・タイ等の現地法人が各地域市場を担当する。
連結子会社10社・関連会社2社で構成され、2026年3月期の連結売上高は65,845百万円。主要顧客は病院・透析クリニック・血液センター等の医療機関であり、日本赤十字社やHAEMONETICS CORPORATIONなど大手医療機関・医療機器商社との取引実績を持つ。
ビジネスモデル
国内では自社工場(三次・出雲・千代田等)で製造した医療機器・医薬品を販売し、一部は商品仕入販売も行う。海外拠点は主にグループ内生産分担体制を採り、シンガポール・フィリピンで製造した血液バッグ等をアフリカ・アジア・北米向けに販売する。
ドイツ子会社は商品仕入販売モデルで固定費を抑制しつつ欧州透析市場へ展開する。設備投資・研究開発費を継続投下しながら、製品ラインナップの拡充と価格転嫁・原価低減によって収益を確保する構造である。
企業の強み
国内において血液透析(HD)と腹膜透析(PD)の両システムを取り扱う唯一のメーカーとして、患者の選択療法啓発に貢献している。HD向け血液透析装置「GC-X01」へのBVモニター追加、PD向け「APD装置 PD-Relaxa」へのPDダイアリー機能追加など、デジタル機能を継続的に拡充している実績を持つ。
閉鎖式薬剤移注システム「ネオシールド」を中核とする薬剤調製・投与クローズドシステムは、2026年3月期においても国内販売が引き続き伸長し、注力事業として成長を継続している。さらにJAXAの宇宙環境下での細胞培養研究にも同技術が採用されており、技術の汎用性と信頼性が外部機関によって認められている。
1979年のシンガポール設立を皮切りに、中国(1988年)、ドイツ(1993年)、フィリピン(2014年)と段階的に海外拠点を構築し、アフリカ・アジア・欧州・北米をカバーする多地域展開体制を確立している。2026年3月期の海外セグメント合計売上高(外部顧客)は24,093百万円に達し、グループ売上高の約36.6%を占める。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期58,169百万円から2025期69,749百万円まで4期連続増収を達成したが、2026期は65,845百万円と前期比3,904百万円減(5.6%減)に転落した。血液バッグ・成分献血用回路の販売減少が主因。
営業利益は872百万円(2025期)から381百万円(2026期)へ56.3%減少し、韓国拠点の事業再編損934百万円を特別損失に計上した結果、親会社帰属当期純損失は783百万円となった。自己資本比率は50.2%と財務健全性は維持。
2027年3月期は売上高66,000百万円(+0.2%)、営業利益1,000百万円(+162.1%)、当期純利益600百万円への回復を会社は予想している。為替前提は1米ドル=150円、1ユーロ=175円。
成長戦略
中期経営計画2027最終年度として構造改革の成果実現と成長製品の販売拡大を両輪で推進
注力事業として位置付ける薬剤調製・投与クローズドシステムは2026年3月期も国内販売が伸長。医療安全ニーズを背景に国内シェア拡大を継続しつつ、海外展開加速により中長期的な収益貢献を目指す。
韓国生産拠点の再編を2026年3月期に実施し、事業再編損934百万円を特別損失として計上。退職給付に係る負債も減少(574百万円→197百万円)。フィリピン・シンガポールの赤字拠点については稼働率改善と原価低減を継続推進中。
高齢化進展を背景に需要が拡大している摂食嚥下関連用品の販売が2026年3月期も引き続き伸長。国内の高齢化・慢性疾患増加という市場環境を自社の製品ラインナップで取り込み、安定的な収益源として育成する。
欧州向け(ドイツセグメント)および北米向け(その他セグメント)でAVF針の販売が好調に推移。2026年3月期にその他セグメントが前期比17.5%増収・黒字転換を達成。透析需要の世界的拡大を背景に多地域での販売強化を継続する。
2026年4月17日の取締役会で広島市中区加古町の本店所在地に新社屋建設を決定。着工予定2027年2月、竣工予定2031年8月(新社屋のみ2029年12月)。研究開発機能強化・本社機能高度化・環境負荷低減・防災性向上を目的とする。業績への影響は現在精査中。
最終更新: 2026年7月19日

