事業内容
株式会社ダブルエーは、婦人靴の企画・販売事業(売上高の約90%)と婦人服の企画・販売事業の2セグメントを展開するファッション企業。ORiental TRaffic、WA ORiental TRaffic、卑弥呼、NICAL等の靴ブランドと、MISCH MASCH、31 Sons de modeのアパレルブランドを保有する。
国内実店舗175店舗・EC29店舗に加え、香港・マカオ・台湾に海外実店舗37店舗を展開。商品企画から生産管理・販売まで一気通貫で担う垂直統合型のビジネスモデルを採用し、20代〜50代の女性を主要顧客層とする。
2019年東証マザーズ上場、2024年11月に東証プライム市場へ移行した。
ビジネスモデル
商品企画担当者が店頭接客と工場巡回を兼務する一気通貫体制により、消費者ニーズを商品開発に直結させる。製造はパートナー工場への委託で固定費を抑制しつつ、直営店舗・自社EC・大手ECモールの複合チャネルで販売する。
予約販売による需要予測の高度化で在庫最適化を図り、他社ブランドへの委託販売でチャネル外の顧客獲得も行う。創業以来、既存サプライチェーンの省力化による中間マージン低減を競争優位の源泉としている。
企業の強み
商品企画担当者が販売スタッフとして店頭接客を行い、同一担当者が生産工場を巡回・指導する体制を構築。消費者の声を直接商品開発に反映させることで、顧客満足度の高いオリジナル商品の提供を可能にしている。第三者機関による継続的な品質検査も実施し、耐久性・安全性を担保している。
ORiental TRaffic、卑弥呼、NICAL等の靴ブランドに加え、MISCH MASCH、31 Sons de modeのアパレルブランドを展開。国内実店舗175店舗・EC29店舗・海外実店舗37店舗・海外EC5店舗の計229店舗(グループ合計)を運営し、駅ビル・大型SC・百貨店への出店で安定集客を実現している。
2025年1月期末時点で純資産10,749百万円、現金及び現金同等物2,529百万円を保有。複数金融機関との当座貸越契約1,900百万円(借入未実行残高1,900百万円)を確保しつつ、有利子負債への依存なく事業運営を行っており、財務健全性は高い水準を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期15,702百万円から2026期23,327百万円まで5期連続増収を達成してきたが、2027年1月期第1四半期は4,564百万円(前年同期比4.6%減)と減収に転じた。営業利益は2024期1,763百万円をピークに2025期1,671百万円、2026期1,066百万円と2期連続減益が続いており、2027年1月期第1四半期は営業損失457百万円と大幅悪化。
主因はCM放映に伴う広告宣伝費増加、人件費・物流費の上昇による販管費の膨張(前年同期比12.8%増)と、実店舗販促施策見直しによる一時的な売上減少の重複。外部要因として為替差益103百万円が営業外で発生し経常損失353百万円に一定程度緩和。
通期業績予想(売上高24,661百万円、営業利益1,504百万円)は据え置かれているが、第1四半期の損失幅を踏まえると下期への依存度が極めて高い状況にある。
成長戦略
ブランド認知拡大・オンライン強化・アパレル収益化による多軸成長
スポーツブランドORTRのCM放映によりスニーカーブランドの認知拡大を図り、オンライン販売の好調につなげている。2027年1月期第1四半期においてオンライン販売が好調に推移したことが確認されており、広告投資の効果が一部顕在化している。
ただし広告宣伝費の増加が営業損失の主因となっており、投資対効果の検証が今後の課題。
不採算・低効率店舗の退店と旗艦店の改装・リニューアルを通じて、店舗ポートフォリオの質的向上を図る。2027年1月期第1四半期では一部店舗の退店と販促施策見直しにより一時的に実店舗売上が減少したが、中長期的な収益性改善を目的とした構造改革として位置付けられている。
2025年1月期に事業譲受した31 Sons de modeのオンライン販売が好調に推移し、婦人服セグメントの売上高は前年同期比12.2%増の544百万円を達成。セグメント損失は44百万円と前年同期(55百万円の損失)から改善傾向にあるが、店舗改装費・人件費増・物流費増が収益化を阻んでおり、黒字転換時期は不透明。
実店舗に加えオンライン販売の拡大を成長戦略の柱として位置付け、各ブランドのEC強化を推進。2027年1月期第1四半期では婦人靴・婦人服の両セグメントでオンライン販売が好調に推移しており、実店舗の一時的な販売減少を部分的に補完する役割を果たしている。
最終更新: 2026年7月17日

