事業内容
株式会社TORICOは「世界を虜にする」をビジョンに掲げ、コミック全巻セットに特化したネット書店「漫画全巻ドットコム」を中核とするECサービスと、東京・渋谷や大阪・天王寺の自社店舗を拠点とするマンガイベントサービスを展開する。2005年創業、2022年東証グロース上場。
2025年11月より新たに暗号資産事業(イーサリアム取得・運用)を開始し、マンガ事業と暗号資産事業の2セグメント体制へ移行した。主要顧客はマンガファン全般(国内・インバウンド・海外)で、アジア圏への海外展開も積極推進している。
ビジネスモデル
ECサービスでは楽天・Amazon・Yahoo等のモールを通じたコミック全巻セット販売と自社直営サイト運営で収益を得る。イベントサービスでは自社店舗でのマンガ展開催・グッズ販売・サイン会等の体験型コンテンツを提供し、EC誘導との相乗効果を狙う。
暗号資産事業ではイーサリアムのステーキング・レンディング等の運用益(インカムゲイン)を新たな収益源として構築中である。
企業の強み
2006年開始の「漫画全巻ドットコム」はコミックまとめ買いサービスのパイオニアとして長年データを蓄積。独自データベースと全巻セット特化の倉庫運営によるロングテール戦略で競合を引き離す優位なポジションを確立。低返本率を実現する安定的な仕入力と販売力の好循環が他社の短期模倣を困難にしている。
長年にわたる出版社との取引実績に基づく強固なネットワークを保有。独自データベースがもたらす低返本率が出版社からの信頼を高め、他社が容易に到達し得ない安定的な仕入力を確保している。「返本せず大量販売」と「在庫を切らさない安定仕入」の好循環が収益基盤を支えている。
「漫画全巻ドットコム」等のECサービスと「マンガ展」イベントサービスを並行展開し、各サービスを入り口として別サービスへの回遊・利用を促す相乗効果を実現。渋谷・天王寺の自社店舗に加え、台湾・タイ・マレーシア・中国・上海等アジア圏への海外展開も進め、インバウンド需要との接点を多層的に構築している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期5,391百万円をピークに5期連続で減少し、2026年3月期は3,188百万円(前期比13.3%減)。外部要因として紙コミックス市場の前年比14.4%減・電子コミックの伸び率急鈍化が逆風となった。
一方、営業損失は前期△260百万円から△68百万円へ大幅縮小し、販管費削減と売上総利益率改善(36.2%→39.5%)による収益構造改革の成果が表れた。ただし暗号資産評価損254百万円の計上により経常損失は△340百万円(前期△264百万円)へ拡大。
当期純損失は△365百万円(前期△446百万円)と縮小した。営業CFは49百万円のプラスに転換(前期△140百万円)した一方、暗号資産取得による投資CFは△1,089百万円と大幅な資金流出となった。
成長戦略
EC収益構造改革・イベント海外展開・暗号資産事業の3軸で2027年3月期営業黒字化を目指す
ポイント・広告宣伝費を抑制し各ECモールの営業利益最大化を優先。オンラインショップ運営費・荷造運賃の大幅削減を継続し、売上規模の追求から利益体質の構築へ方針転換。2026年3月期に販管費を前期比268百万円削減し下半期営業黒字化を達成。
国内では「BL映像化作品」「配信者・ゲーム実況者企画」「アニメ・キャラクター」等の多様なIPで複数ヒットイベントを継続展開。海外ではタイ・マレーシア・中国・台湾での現地協業によるイベント開催を実現し、日本発コンテンツの海外収益基盤を拡充。
2025年11月開始の暗号資産事業でイーサリアムを戦略的に取得・運用。2026年3月末時点で2,474.8649ETH(総取得価格1,080百万円)を保有。
ステーキング・レンディング・DeFi等を組み合わせた「稼ぐトレジャリー(PER型金融モデル)」の確立を目指す。EVO FUND向け第11回新株予約権(想定調達額約40.7億円)等で資金基盤を構築。
コミック市場の想定以上の停滞、イベント・海外事業へのシフト、暗号資産事業の本格化を踏まえ中期経営計画を見直し中。株式会社Mint Townとの資本業務提携に基づく連携も含め、新たな成長方針を内容確定次第速やかに開示する方針。
最終更新: 2026年7月19日


