事業内容
株式会社ニッチツは1950年設立(前身は1929年創立の朝鮮鉱業開発)の東証スタンダード上場企業。機械関連事業(舶用機器・産業機械)、資源関連事業(ハイシリカ=精製珪石粉等)、不動産関連事業(都内オフィスビル賃貸)、素材関連事業(耐熱塗料・高純度天然ゴム)の4セグメントで構成される。
主要顧客は国内造船所(大島造船所が売上高の約29.5%を占める最大顧客)、重電・製鉄メーカー、半導体・電子材料メーカー等の産業界。連結子会社3社(㈱ミンクス、東京熱化学工業㈱、三扇機工㈱)を含むグループで事業を展開する。
ビジネスモデル
機械関連事業は造船所・産業機械メーカーからの受注に基づき設計・製作・施工を行う受注型ビジネス。資源関連事業は自社鉱山由来の珪石を精製・加工し半導体封止材・ガラス等向けに販売する製造販売モデル。
素材関連事業は子会社が耐熱塗料・高純度天然ゴムを製造・販売。不動産関連事業は都内オフィスビルの賃貸により安定的なストック収益を確保する。
設備投資は自己資金で賄い、財務健全性を維持しながら各事業の競争力強化を図る。
企業の強み
大島造船所1社だけで2026年3月期売上高の29.5%(2,768百万円)を占める強固な取引関係を有する。機械関連事業の受注残高は3,626百万円(2026年3月期末)を確保しており、当面の工事量が手当てされている。
鋼材自動加工ライン新設(824百万円投資)により生産体制を強化し、工事量増加への対応力を高めている。
資源関連事業では自社素材をベースとした精製珪石粉(ハイシリカ)の製造・販売を一貫して手掛ける。2026年3月期に新型高性能ジェットミル導入(336百万円投資)を実施し、高純度・高付加価値製品の生産能力を強化。
半導体封止材需要が低迷する中でも高単価製品の販売増により収支を改善し、セグメント利益は前期の15百万円損失から51百万円黒字へ転換した。
2026年3月期末の自己資本比率は71.2%、現金及び現金同等物は3,343百万円と十分な流動性を確保。設備投資1,279百万円(完成ベース)を全額自己資金で賄いながら純資産は12,246百万円(前期比1,013百万円増)に拡大。
財務レバレッジを抑制しつつ積極的な設備更新・能力増強を継続できる財務体質を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2022・2023期の連続営業赤字から2024期に黒字転換(営業利益326百万円)し、2025期は売上高9,851百万円・営業利益270百万円と過去最高水準の売上を達成。しかし2026期は売上高9,381百万円(前期比4.8%減)・営業利益220百万円(同18.2%減)と反落。
機械関連事業の工事部門における前期大型工事の剥落・不採算工事発生、素材関連事業の耐熱塗料低調(売上高797百万円、前期比29.1%減)が主因。資源関連事業は半導体需要低迷が続く中で黒字転換(営業利益51百万円)したことが唯一の明るい材料。
2027年3月期は売上高8,800百万円・純利益120百万円と会社側はさらなる減益を予想しており、外部環境として米国関税政策・中東情勢による不透明感も業績下押しリスクとして意識される。
成長戦略
前中計「シン・ニッチツ2025」完了後、新中計策定と収益力強化・経営基盤確立を推進
鋼材自動加工ライン新設をはじめとした生産体制の再構築を2026年3月期に実施。スポット工事の積極的取り込みにより船殻ブロックが順調に推移。2027年3月期は船殻ブロックが堅調維持を見込む一方、ハッチカバーはやや低調の予想。
洋上風力関連等の再生可能エネルギー分野での新規受注を2026年3月期に獲得。重電・製鉄機械関連で一定の受注を確保。2027年3月期は発電所・プラント設備工事の受注強化を図る方針。不採算工事の再発防止が収益改善の前提条件。
半導体封止材依存からの脱却を図り、液晶関連・特殊ガラス・海外需要の取り込みと高単価製品の販売増により2026年3月期に黒字転換を達成(営業利益51百万円)。2027年3月期は半導体封止材・半導体関連向けガラスとも前期並みの需要回復遅延を見込む。
前中計「シン・ニッチツ2025」に続く新たな経営計画の策定を図る方針を表明。収益力の強化と安定した経営基盤の確立を基本方針とする。また、資本政策の柔軟性・機動性確保を目的として資本金を1,100百万円から100百万円へ減少する無償減資を2026年8月に実施予定(後発事象)。
最終更新: 2026年7月19日

