事業内容
北陸電気工業株式会社は1943年創業の電子部品専業メーカーで、抵抗器(皮膜抵抗器・可変抵抗器等)、モジュール製品(混成集積回路・ユニット製品等)、電子デバイス(センサ・圧電部品等)、その他電子部品(回路基板等)を製造・販売する。国内製造拠点に加え、マレーシア・タイ・中国・シンガポール・米国等に製造・販売子会社17社を展開するグローバル体制を持つ。
主要顧客は無錫夏普電子元器件(売上高の15.3%)をはじめとする電機・自動車・産業機器メーカーで、モビリティ・GX/DX・産業インフラ・スマート家電・医療の4ドメインを成長市場として位置づける。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
コンポーネント電子部品・MEMS/有機材料技術を活かしたセンサ・グローバル拠点による実装モジュールの3つをコア事業とし、研究開発費1,583百万円を投じて新製品を創出する。製造はASEAN・中国拠点で行い、販売は各国販売子会社を通じてグローバルに展開。
売上高の約98%を電子部品セグメントが占め、金型・機械設備セグメントがグループ内製造ラインを支援する垂直統合型の収益構造を持つ。
企業の強み
抵抗器・モジュール・センサ・圧電部品・安全部品等の多品種ラインナップを保有し、世界最速応答の容量式湿度センサや宇宙航空研究開発機構(JAXA)認定の耐サージ形高電力チップ抵抗器など、高機能製品の開発実績を有する。研究開発費は年間1,583百万円を計上し、技術の多様性が特定市場への依存を緩和している。
マレーシア・タイ・中国・シンガポール・米国等に製造・販売子会社17社を展開し、グローバルな生産・販売体制を構築している。2026年3月期末の純資産は25,817百万円、現金及び預金は13,079百万円と財務基盤も安定しており、2026年度にASEAN拠点拡充を中心に3,000百万円の設備投資を計画するなど、継続的な能力増強を実施している。
2026年3月期において5期連続の増配を決定し、純資産配当率(DOE)3%以上・配当性向35%目処の基準をいずれも上回った。営業キャッシュ・フローを安定的に創出しながら配当金713百万円・自己株式取得131百万円を実施しており、株主還元方針の継続性が有報に明示されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は43,128百万円(前期比△0.1%)とほぼ横ばい。営業利益は2,311百万円(同△11.1%)、経常利益2,742百万円(同△3.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,986百万円(同△9.5%)と全利益段階で減益。
外部要因として貴金属相場の高騰が材料コストを押し上げ、EV向け需要の失速が電子部品需要全体を弱含みにさせた。包括利益は3,939百万円(前期3,461百万円)と増加しており、為替換算調整勘定の増加(1,208百万円)が純資産を押し上げた。
2027年3月期は売上高47,000百万円(前期比+9.0%)を見込む一方、営業利益1,800百万円(同△22.1%)、純利益1,200百万円(同△39.6%)と大幅減益を予想しており、原材料価格上昇と収益環境の悪化が続く見通し。
成長戦略
新分野拡販・部材安定調達・売価交渉で収益環境悪化に対応しつつ中長期成長を追求
AIの拡大を背景としたデータセンター向け需要の取り込みと、中長期的なモビリティ電動化に向けた製品展開を推進。2026年3月期はデータセンター向けが増加したが、EV向け失速により電子部品全体の売上高は前期比+0.2%に留まった。
貴金属相場高騰に伴う原材料価格上昇に対し、顧客への売価転嫁交渉とコストダウンを並行して推進。2027年3月期予想では営業利益が大幅減益見通しであり、売価交渉の進捗が収益回復の鍵を握る。
中東情勢悪化に伴うサプライチェーン混乱リスクや資源価格高騰に備え、部材の安定調達に注力。2026年3月期末の棚卸資産は仕掛品を中心に増加(仕掛品2,979百万円→4,060百万円)しており、調達強化の動きが見られる。
グループ全体で生産効率の改善に継続的に取り組む。2026年3月期の減価償却費は1,158百万円(前期1,026百万円)と増加しており、設備投資(固定資産取得825百万円)を通じた生産能力・効率の向上を図っている。
最終更新: 2026年7月19日

