事業内容
株式会社戸上電機製作所は1925年創業の配電・制御機器メーカーで、当社および子会社8社で構成されるグループを形成する。主力の産業用配電機器事業では、電磁開閉器・SOG開閉器(波及事故防止機器)・配電用自動開閉器・配電盤及びシステム機器を製造・販売し、電力会社や産業用途向けに電力の安定供給を支える製品を提供する。
これに加え、自動車業界向けプラスチック成形加工事業、産業用機械向け金属加工事業を展開する。国内製造拠点に加え、中国(常熟・蘇州)に製造子会社を持ち、海外向け需要にも対応する。
2026年3月期の連結売上高は30,746百万円。
ビジネスモデル
グループ各社が製造を担い、東京戸上電機販売㈱等の販売子会社を通じて電力会社・産業顧客へ製品を供給する垂直統合型モデル。主力の産業用配電機器事業が売上の約83%を占め、電力会社の設備更新需要を安定的な収益基盤とする。
材料コスト上昇局面では販売価格の適正化を実施し、TPW(Togamigroup Production Way)によるコストダウンと組み合わせて利益率を維持・改善する構造を持つ。
企業の強み
2026年3月期の産業用配電機器事業売上高は25,629百万円(前期比10.2%増)、受注残高は5,304百万円(同11.6%増)に達する。SOG開閉器・配電用自動開閉器・配電自動化用子局など電力会社の設備更新に不可欠な製品群を揃え、中部電力パワーグリッド㈱向けだけで3,234百万円(売上比10.5%)の実績を持つ。
グループ独自の生産方式TPW(Togamigroup Production Way)を全セグメントで推進し、製造システム・試験装置の自動化や機種統廃合による生産性向上を継続実施。AIを用いた「微地絡・地絡原因特定システム(特許取得)」の商品化開発や色変化検知システムのDX展示会出展など、自社技術の高度化にも取り組む。
2026年3月期末の借入金及びリース債務残高は652百万円にとどまる一方、現金及び現金同等物は6,941百万円を保有。純資産合計は24,432百万円で、負債合計8,995百万円を大幅に上回る。自己株式取得(900百万円)と配当金支払(718百万円)を実施しながらも財務健全性を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期23,575百万円から2026年3月期30,746百万円へ5期で30.4%拡大。営業利益は同期間1,478百万円から3,748百万円へ2.5倍超に拡大し、売上高営業利益率は6.3%から12.2%へ大幅改善。
2026年3月期は電子制御器(+10.8%)・配電用自動開閉器(+8.1%)・配電盤及びシステム機器(+16.2%)・プラスチック成形加工(+25.1%)と全セグメントが増収。外部要因として電力会社の設備更新投資継続・自動車業界需要回復が追い風となった。
ただし2027年3月期は原材料・エネルギー価格高止まり・人件費上昇を背景に営業利益12%減を会社側が予想しており、成長加速から踊り場局面への移行が見込まれる。
成長戦略
既存事業の高収益化・海外展開加速・人的資本強化の3本柱で持続成長を目指す
DX推進・TPW(Togamigroup Production Way)による生産性・品質向上と主力製品の継続的コストダウンを推進。材料コスト上昇局面での販売価格適正化(価格改定)を実施し、2026年3月期に売上高営業利益率12.2%を維持。
2027年3月期は利益反落予想だが、価格転嫁と効率化の継続で収益基盤の維持を図る。
電磁開閉器の海外向け需要増加(取引先在庫調整ほぼ解消)を取り込み、海外売上の拡大を推進。新規事業創出については具体的な開示は限定的だが、排水処理施設向けシステム機器など隣接領域への展開が進んでいる。2026年3月期の為替差益62百万円計上は海外取引拡大の一端を示す。
雇用・所得環境の改善を背景に人件費上昇が続く中、人材への投資を重点課題として位置付け。給料・賞与等の販管費は2026年3月期に増加しており、人材確保・育成への取り組みを継続。2027年3月期の利益減少要因の一つとして人件費上昇が挙げられており、生産性向上との両立が課題。
最終更新: 2026年7月19日

