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株式会社戸上電機製作所

6643東証スタンダード電気機器

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株式会社戸上電機製作所6643

事業内容

株式会社戸上電機製作所は1925年創業の配電・制御機器メーカーで、当社および子会社8社で構成されるグループを形成する。主力の産業用配電機器事業では、電磁開閉器・SOG開閉器(波及事故防止機器)・配電用自動開閉器・配電盤及びシステム機器を製造・販売し、電力会社や産業用途向けに電力の安定供給を支える製品を提供する。

これに加え、自動車業界向けプラスチック成形加工事業、産業用機械向け金属加工事業を展開する。国内製造拠点に加え、中国(常熟・蘇州)に製造子会社を持ち、海外向け需要にも対応する。

2026年3月期の連結売上高は30,746百万円。

ビジネスモデル

グループ各社が製造を担い、東京戸上電機販売㈱等の販売子会社を通じて電力会社・産業顧客へ製品を供給する垂直統合型モデル。主力の産業用配電機器事業が売上の約83%を占め、電力会社の設備更新需要を安定的な収益基盤とする。

材料コスト上昇局面では販売価格の適正化を実施し、TPW(Togamigroup Production Way)によるコストダウンと組み合わせて利益率を維持・改善する構造を持つ。

企業の強み

2026年3月期の産業用配電機器事業売上高は25,629百万円(前期比10.2%増)、受注残高は5,304百万円(同11.6%増)に達する。SOG開閉器・配電用自動開閉器・配電自動化用子局など電力会社の設備更新に不可欠な製品群を揃え、中部電力パワーグリッド㈱向けだけで3,234百万円(売上比10.5%)の実績を持つ。

グループ独自の生産方式TPW(Togamigroup Production Way)を全セグメントで推進し、製造システム・試験装置の自動化や機種統廃合による生産性向上を継続実施。AIを用いた「微地絡・地絡原因特定システム(特許取得)」の商品化開発や色変化検知システムのDX展示会出展など、自社技術の高度化にも取り組む。

2026年3月期末の借入金及びリース債務残高は652百万円にとどまる一方、現金及び現金同等物は6,941百万円を保有。純資産合計は24,432百万円で、負債合計8,995百万円を大幅に上回る。自己株式取得(900百万円)と配当金支払(718百万円)を実施しながらも財務健全性を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高30,746百万円・営業利益3,748百万円・当期純利益2,676百万円と全指標で前期を上回り、5期連続の増収増益を達成。外部要因として電力会社の次世代型設備更新・配電設備強化投資の継続が主要ドライバーとなっており、市場環境として追い風が持続している。

自己資本当期純利益率(ROE)は11.5%と前期11.1%から改善し、収益性向上が確認できる。

会社側の2027年3月期予想は売上高31,000百万円(前期比0.8%増)・営業利益3,300百万円(同12.0%減)・経常利益3,450百万円(同13.5%減)・当期純利益2,450百万円(同8.4%減)と、増収ながら利益は反落する見通し。中東情勢緊迫化に伴う部材調達コスト上昇・人件費増加が主因とみられ、外部要因による収益圧迫リスクが顕在化する可能性がある。

配当も年間140円から130円へ減配予定。

連結売上の約83%を産業用配電機器事業が占める高依存構造は、同セグメントの需要変動が業績全体に直結するリスクを内包する。一方、2026年3月期は自己株式取得900百万円を実施しつつ期末配当を70円から80円に増配(年間140円)したが、翌期予想では年間130円への減配を公表。

株主還元の方向性が一貫しておらず、資本政策の透明性向上が課題として残る。後発事象として2026年5月29日に83,600株の自己株式消却を予定しており、資本効率向上への取り組みは継続している。

成長戦略

既存事業の高収益化・海外展開加速・人的資本強化の3本柱で持続成長を目指す

DX推進・TPW(Togamigroup Production Way)による生産性・品質向上と主力製品の継続的コストダウンを推進。材料コスト上昇局面での販売価格適正化(価格改定)を実施し、2026年3月期に売上高営業利益率12.2%を維持。

2027年3月期は利益反落予想だが、価格転嫁と効率化の継続で収益基盤の維持を図る。

電磁開閉器の海外向け需要増加(取引先在庫調整ほぼ解消)を取り込み、海外売上の拡大を推進。新規事業創出については具体的な開示は限定的だが、排水処理施設向けシステム機器など隣接領域への展開が進んでいる。2026年3月期の為替差益62百万円計上は海外取引拡大の一端を示す。

雇用・所得環境の改善を背景に人件費上昇が続く中、人材への投資を重点課題として位置付け。給料・賞与等の販管費は2026年3月期に増加しており、人材確保・育成への取り組みを継続。2027年3月期の利益減少要因の一つとして人件費上昇が挙げられており、生産性向上との両立が課題。

最終更新: 2026年7月19日