事業内容
株式会社宮入バルブ製作所は1949年創業、東京証券取引所スタンダード市場上場の高圧ガス用バルブ専業メーカーである。主力製品はLPガス容器用弁(一般家庭用・工業用・自動車用)、バルク貯槽用付属機器、LPガス設備用弁(陸上・海上輸送用)であり、LNG用弁・船舶用弁・医療用弁・消火設備用弁など多岐にわたる。
近年は食品加工向けサニタリーバルブ、散水ノズル、ワイン醸造機器、きくらげ栽培システムなど新分野にも展開。主要顧客はサンエツ金属、矢崎エナジーシステム、昌栄機工など。
甲府工場を主要生産拠点とし、JIS・ISO9001・ISO14001認証を取得している。
ビジネスモデル
需要予測に基づく見込み生産を基本とし、一部受注生産を組み合わせる製造販売モデル。売上高7,044百万円のうち製品商品売上高が5,892百万円、作業屑売上高が1,151百万円を占める。
黄銅材加工時に発生する削り屑を材料メーカーへ売却する屑売上高は、黄銅材価格と工場稼働率に連動して変動する副次的収益源となっている。運転資金は自己資金と金融機関短期借入、設備投資は長期借入を基本とし、6行との当座貸越契約で流動性を確保している。
企業の強み
1949年創業以来、LPガス容器用弁を中核製品として製造し続け、JIS表示許可工場・高圧ガス保安協会認定検査会社・ISO9001認証を取得。LPガスバルク供給システム用弁類ではトップシェアを保有しており、2023年度をピークとした更新需要(初期設置後20年)への対応で在庫作り込みによる短納期体制を整備している。
2018年7月に一貫生産設備の更新を完了し、全工程でバーコードによる出来高管理を導入。生産リードタイムの短縮と作業効率改善を実現している。
当期の生産実績は黄銅弁4,397,001千円(前期比107.1%)、鉄鋼弁1,473,319千円(前期比95.9%)で合計104.0%と稼働率が上昇し、作業屑売上高の増加(前期比13.9%増)にも寄与した。
LNG・液体水素・圧縮水素向け超低温弁の開発を継続し、2025年9月に昌栄機工株式会社との製品開発専業合弁会社を設立。輸送用LNGコンテナ向けベローズシール形セミロング低温弁(15A〜50A)の開発完了・受注獲得、液体水素用グローブ弁のプラント会社受注獲得など具体的な成果が生まれており、研究開発費は214,727千円を投じている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期5,386百万円から2026年3月期7,044百万円へ5期で31%増加し増収基調を維持。一方、営業利益は2023年3月期265百万円をピークに低下し、2025年3月期は82百万円まで落ち込んだ後、2026年3月期は111百万円に回復。
当期純利益は2025年3月期に独占禁止法関連損失148百万円の特別損失計上で75百万円の損失となったが、2026年3月期は同特損消滅により60百万円の黒字に転換した。外部要因として黄銅材価格の高止まりと円安が製造コストを押し上げており、作業屑売上高(1,151百万円、前期比13.9%増)が部分的に相殺している。
2027年3月期は売上高7,300百万円・営業利益140百万円を会社予想とするが、関税政策リスクが下振れ要因として存在する。
成長戦略
LPガス主力事業の収益維持と低温弁(LNG・水素)を第2の柱として育成。
主力のLPガス容器用弁(2026年3月期3,413百万円、売上構成比48.5%)の販売維持・拡大を図る。次期はバルク付属機器の増加も見込む。製品値上げ・調達先多様化により収益性改善を目指す。
2026年3月期に船舶用346百万円(前期比11.5%増)は増加したが、車載用147百万円(前期比16.3%減)は減少。次期は船舶用・車載用ともに回復が見込まれるとしており、鉄鋼弁セグメントの収益改善に寄与する見通し。
エネルギー転換を背景に液体水素・LNG用バルブ等の低温弁事業を第2の柱として育成。品揃えの完成と引合い獲得の段階に達しており、高圧ガスバルブ専業メーカーとしての技術・認証実績を活用して事業化を推進する。
黄銅材価格高止まりや物価上昇に対応するため、経費削減・生産性向上・調達先多様化・製品値上げを継続実施。2026年3月期の販売費及び一般管理費は955百万円と前期963百万円から削減されており、一定の成果が出ている。
最終更新: 2026年7月19日

