事業内容
株式会社ツバキ・ナカシマは1934年創業、奈良に本社を置く精密ボール・精密ローラーの専門メーカーである。鋼球・セラミック球・超硬合金球・ガラスボール・プラスチック球など20,000種類超の精密ボールを製造販売するプレシジョン・コンポーネントビジネスが売上収益の98.7%を占める。
主要顧客はAB SKF(売上収益の20.4%)、SCHAEFFLER(同10.3%)等の大手ベアリングメーカーで、自動車・工作機械・半導体製造装置・風力発電等の幅広い産業に部品を供給する。日本・米国・欧州(イタリア・ポーランド・スロバキア等)・アジア(中国・タイ・インド)の11カ国に製造販売拠点を持つグローバル企業である。
ビジネスモデル
20,000種類超の精密ボール在庫を活用した短納期対応力を競争優位とし、大手ベアリングメーカーへの継続的な部品供給で収益を得る。製造は見込生産方式を採用し、グローバル製造ネットワークで規模の経済を追求する。
セラミックボールはEV・半導体製造装置・風力発電向けの戦略製品として高付加価値化を図る。売上収益69,837百万円のうち98.7%がプレシジョン・コンポーネントビジネスによる。
企業の強み
鋼球・セラミック球・超硬合金球・ガラスボール・プラスチック球等20,000種類超の幅広い精密ボールを製造販売し、豊富な在庫を活用した短納期対応を強みとする。自動車・工作機械・医療・光通信等の多様な産業に対応できる製品多様性が顧客基盤の安定に寄与している。
1934年創業以来90年超にわたり精密加工分野の専門知識・経験を蓄積。日本・米国・欧州・アジアの11カ国に製造販売拠点を展開し、顧客の海外生産シフトに対応できるグローバルフットプリントを保有する。
2025年12月期の設備投資は1,882百万円を実施し、設備更新・ボトルネック工程への投資を継続している。
2025年12月期のFCF(営業活動CF+投資活動CF)は11,642百万円と前期から10,569百万円改善した。棚卸資産の減少(12,685百万円)と事業売却収入(2,048百万円)が寄与し、現金及び現金同等物残高は34,633百万円に増加。
インタレスト・カバレッジ・レシオも前期3.3倍から6.6倍に改善した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上収益は2022年12月期の79,036百万円をピークに減少傾向が続き、2025年12月期は69,837百万円まで落ち込んだ。2026年12月期第1四半期は17,784百万円(前年同四半期比2.7%減)と減収が継続している。
利益面では、2025年12月期に営業損失22,336百万円・当期損失27,214百万円という大規模損失を計上した後、2026年12月期第1四半期は固定資産売却益1,041百万円の計上を主因に営業利益1,127百万円・親会社帰属四半期利益308百万円と黒字転換した。EBITDAも2,004百万円(前年同四半期比62.1%増)と改善。
ただし外部要因として欧州自動車産業の低迷・中東情勢によるエネルギーコスト上昇・円安の影響が混在しており、本業の実力ベース収益回復の確認には継続的なモニタリングが必要である。通期予想(売上収益70,000百万円、営業利益2,500百万円)は2026年2月13日公表値から変更なし。
成長戦略
中期経営計画(2025〜2029年)でコスト改革・成長市場集中投資により2029年12月期売上87,000百万円・営業利益10,000百万円を目指す
TN GEORGIA固定資産の一部売却(2026年2月実施)に代表されるグローバル製造拠点の最適化により、固定費削減と資本効率向上を図る。2026年12月期第1四半期に固定資産売却益1,041百万円を計上し、投資活動CFは781百万円のプラスを確保した。
長引く欧州自動車産業の低迷に対応するため、欧州事業の収益構造改革と顧客・製品ミックスの転換を推進。2026年12月期第1四半期においても欧州低迷の影響が売上収益の減収要因として継続しており、改革の効果発現には時間を要する状況。
セラミック事業の新製品投入およびEV・半導体製造装置・風力発電等の成長市場への参入により、自動車産業依存度の低減と収益源の多様化を図る。中期経営計画(2025〜2029年)の中核施策として位置付けられているが、現時点での定量的な進捗開示は限定的。
中期経営計画に基づく調達・生産コスト削減施策を推進。2026年12月期第1四半期において棚卸資産が前期末比1,195百万円減少し、在庫管理の改善が確認された。人件費・燃料等の価格上昇による圧迫が続く中、コスト削減施策の継続が不可欠。
最終更新: 2026年7月17日

