事業内容
油研工業は1929年創業、1941年以降一貫して油圧機器の研究・生産・販売を手掛ける独立系油圧専業総合メーカである。油圧ポンプ・モータ、各種制御弁等の「油圧製品」、産業機械向け油圧システム・ユニット・シリンダの「システム製品」、自動切屑圧縮機等の「環境機械」の3事業部門を展開する。
国内(日本セグメント)に加え、台湾・インド・中国・韓国・東南アジア等のアジアセグメント、英国拠点のヨーロッパセグメントを有し、連結子会社12社を含む計22社体制でグローバルに事業を展開。主要顧客は一般産業機械メーカ・設備投資需要を持つ製造業全般であり、2026年3月期の連結売上高は32,865百万円。
ビジネスモデル
自主技術開発を基本姿勢とし、油圧製品・システム製品・環境機械の3部門で製造から販売・保守サービスまでを一貫して提供する。海外グループ会社との分業体制(グローバルサプライチェーン構想)により部品調達・製造コストを最適化しつつ、提案型営業・個別開発品の拡販で付加価値を高める。
売上の約53%をアジアセグメントが占め、海外製造・販売拠点が収益の主軸を担う構造となっている。
企業の強み
1969年台湾、1976年インド、1978年香港と油圧業界の中でいち早くアジアに進出し、長期的なブランド認知を構築。2026年3月期のアジアセグメント売上高は17,380百万円とグループ最大セグメントを形成しており、台湾・インド・中国・韓国・東南アジアに製造・販売拠点を有する。
油圧製品(売上高20,878百万円)、システム製品(7,687百万円)、環境機械他(4,300百万円)の3事業部門を有し、単一製品依存リスクを分散。環境機械部門はプラ新法対応新製品の市場投入など社会課題対応型製品を展開しており、継続的な高成長が収益に貢献している。
2025年3月にGROTEK ENTERPRISES PRIVATE LIMITED(ユケン・インディア子会社)を連結子会社化し鋳物部品の内製化を実現。台湾での部品内製化投資も継続しており、2026年3月期のアジアセグメント設備投資額は1,641百万円と前期(966百万円)から大幅増加。
グループ内調達によるコスト競争力強化と安定供給体制の構築が進展している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2025年3月期の33,496百万円から2026年3月期は32,865百万円へ▲1.9%減少。営業利益は1,921百万円から1,729百万円へ▲10.0%減少し、当期純利益も1,249百万円から1,044百万円へ▲16.4%減少した。
アジアセグメントの売上高が前期比▲7.8%(17,380百万円)と落ち込んだことが主因であり、外部要因として中国・アジア向け産業機械需要の軟化が影響したとみられる。一方、日本セグメントは売上高14,865百万円(前期14,075百万円、+5.6%増)と堅調を維持。
ヨーロッパも620百万円(前期570百万円、+8.7%増)と拡大した。営業キャッシュ・フローは2,038百万円と前期(2,084百万円)並みを確保したが、設備投資拡大により投資キャッシュ・フローは▲2,582百万円と支出が増加した。
成長戦略
中期経営計画Step2で高収益市場シェア拡大・最先端化製品拡充・環境型新製品群拡大を推進
中期経営計画Step2(2025〜2028年3月)の中核施策として、油圧機器の高付加価値製品群を拡充し、高収益市場でのシェア拡大を図る。2026年3月期の有形・無形固定資産増加額は2,542百万円と前期(1,910百万円)から大幅増加しており、製造能力・技術基盤への積極投資が進行中。
インドでGROTEK ENTERPRISES PRIVATE LIMITEDを連結子会社化し、鋳物部品の内製化によるコスト競争力強化とサプライチェーンの安定化を推進。アジアセグメントの設備投資は2026年3月期に1,642百万円と前期(966百万円)から大幅増加しており、インドを中心とした生産能力増強が進行中。
2026年3月期にJPN株式会社(東京都大田区)の株式100%を取得し連結子会社化。みなし取得日を期末としたため当期は貸借対照表のみ連結。次期以降の損益貢献を通じて国内セグメントの収益基盤拡充が期待される。
環境機械事業は国内セグメントにおける高成長分野として位置付けられており、油圧機器需要の景気循環リスクを緩和する収益多様化に貢献。中期経営計画Step2においても環境型新製品群の拡大が明示的な施策として推進されている。
最終更新: 2026年7月19日

