事業内容
シリウスビジョン株式会社は、1966年創業の東証スタンダード上場企業。「モノづくり現場の目視検査ゼロ」をビジョンに掲げ、印刷品質検査用ソフトウエア「AsmilVision」、グラビアシリンダー版検査機「GRACE」、刷り出し検版機「S-Scan-LNC」など多様な画像検査システムを開発・販売する。
主要顧客はラベル印刷・グラビア印刷・紙器パッケージ印刷メーカーで、近年は半導体・電子基板業界にも展開を拡大。連結子会社5社(株式会社UniARTS、株式会社ウェブインパクト、シリウスビジョン上海、SiriusVision THAILAND、SiriusVision VIETNAM)を擁し、AI・クラウドサービスを組み合わせた検査ソリューションを国内外に提供する。
ビジネスモデル
主力収益源は画像検査機本体(ハードウエア)と検査ソフトウエア(AsmilVision、PolarVision等)の販売。これに加え、子会社UniARTSがAI印刷検査・クラウドサービスを、ウェブインパクトがSaaS型プロダクト(WEB給・Sync等)および受託開発・官公庁向けシステムを提供し、ストック性収益を補完する。
2025年12月期の売上高は2,065百万円、受注残高は674百万円。
企業の強み
2018年9月に画像検査機の販売累計台数が1,000台を超えた。ラベル印刷・グラビア・紙器パッケージ等の多様な印刷市場に製品を納入しており、主力製品S-Scan-LNCは大手印刷会社への複数台導入が継続するなど、既存顧客基盤の厚みが受注の下支えとなっている。
過去5年間の研究開発費(人件費含む)は総計15億円以上。この投資成果として、小型卓上検査機「S-Comet」(2025年10月リリース)、学習不要の新AI「Regulus」(2025年11月発表)、AI印刷検査システム(2024年6月リリース)など複数の新製品・新技術を市場投入している。
子会社ウェブインパクトは「WEB給」「Sync」「QUICK GATE」等のSaaS型プロダクト販売、システム運用サービス、受託開発、官公庁向け申請審査クラウドシステムの売上が堅調に推移しており、画像検査事業の変動リスクを一定程度緩和するストック型収益源として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期4,138百万円をピークに低迷が続き、2025期は2,065百万円まで縮小。しかし2026年12月期第1四半期(2026年1月〜3月)は568百万円(前年同期比35.4%増)と回復基調に転じた。
国内画像検査事業の売上が前年同期比約78.8%増加し、売上構成改善と販管費削減(295百万円→218百万円)の相乗効果で営業利益85百万円(前年同期は36百万円の損失)を達成。親会社株主帰属四半期純利益は365百万円だが、うち298百万円はウェブインパクト株式売却益(特別利益)。
外部要因として、ラベル印刷検査市場での設備投資回復の動きと既存顧客の老朽化検査機更新需要が売上回復を後押しした。自己資本比率は72.2%(前期末66.2%)に改善し、財務基盤は強化された。
成長戦略
画像検査事業への集中とAI・新製品展開で収益基盤の再構築を目指す
役職員数の約25%削減、技術開発拠点の再編、事務所コスト低減、研究開発投資の凍結等を実施。2026年12月期第1四半期において販管費218百万円(前年同期295百万円)を実現し、営業黒字を達成。通期でも営業利益150百万円を目標とする。
2025年10月29日リリースの重量10kgの小型卓上検査機S-Cometを、化粧品・医薬品・半導体・電子基板など幅広い業種へ展開。各業界からの引き合いが増大しており、新市場開拓の牽引役として期待される。
従来のAI印刷検査システムの課題(膨大な不良品の深層学習負担)を解消する新製品Regulusを複数の印刷現場で評価中。導入により印刷現場の目視検査ゼロを実現し、既存AI製品からの置き換えと新規顧客獲得を目指す。
中国機械メーカーとの連携強化により自社ソフトウェアを搭載した中国製検査機を中国・日本・ASEAN向けに販売拡大。2026年12月期第1四半期において中国画像検査事業が営業黒字へ転換。ASEAN事業も固定費削減と運営効率化により損益改善が進んでいる。
事業ポートフォリオ見直しの一環として2026年3月31日にウェブインパクト全株式を譲渡し、関係会社株式売却益298百万円を計上。画像検査事業への集中と将来の成長分野への投資資金を確保した。
最終更新: 2026年7月17日

