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エンシュウ株式会社

6218東証スタンダード機械

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エンシュウ株式会社6218

事業内容

エンシュウ株式会社は1920年創業の浜松市に本拠を置く製造業企業で、工作機械関連事業と部品加工関連事業の2セグメントを主軸とする。工作機械事業ではマシニングセンタ等の製造販売に加え、レーザー加工システムやSIer・IoTサービスを展開し、米国・タイ・インドネシア・中国・インド・ベトナムに連結子会社10社を有するグローバル体制を構築している。

部品加工事業ではヤマハ発動機を主要顧客として二輪車・四輪車エンジン・駆動部品の受託加工を行い、2026年3月期の売上高19,218百万円のうち同社向けが8,418百万円(43.8%)を占める。不動産賃貸事業も小規模ながら安定収益源として機能している。

ビジネスモデル

工作機械関連事業では自社設計・製造した工作機械を国内外に販売するほか、エンシュウコネクティッドを通じたSIer・IoTサービスや保守サービスで継続的な収益を獲得する。部品加工関連事業では自社工場でヤマハ発動機等から受託した部品を量産加工し、安定した仕事量を収益基盤とする。

工作機械事業で培った加工技術・自動化ノウハウを部品加工ラインに応用することで、両事業間のシナジーを創出する構造を志向している。

企業の強み

2026年3月期の部品加工関連事業は売上高12,390百万円(前期比3.7%増)、セグメント利益738百万円(前期比98.5%増)を達成。現場主導の生産性向上活動による原価低減が奏功し、営業利益率は6.0%に改善。

工作機械事業で蓄積した加工技術・自動化ノウハウを受託加工ラインに展開することで競争力を維持している。

米国・タイ・インドネシア・中国・インド・ベトナムに連結子会社を有し、工作機械の販売・製造・サポート体制を多地域で整備している。タイ・中国の製造子会社には技術援助契約に基づき立形マシニングセンタの製造技術を供与し、ロイヤリティ収入も得る構造を確立している。

工作機械事業において①システム工作機械、②顧客共同開発型機械製造、③レーザー加工システム、④SIer&IoT、⑤保守サービスの5事業への構造転換を中期経営計画に基づき推進中。歯科加工機の量産開始、BEVモーター向け自動化対応実証機の納入、自動車向けレーザー加工専用機の納入など具体的な実績が積み上がっている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高19,218百万円(前期比12.2%減)と減収ながら、営業利益380百万円・当期純利益236百万円と前期の大幅赤字から黒字転換した。ただし売上高営業利益率は2.0%、ROEは2.3%にとどまり、収益水準は過去5期平均と比較しても低い。

2027年3月期予想(売上高22,100百万円、営業利益800百万円)の達成が本格回復の試金石となる。外部要因として、円安に伴う原材料価格上昇や米中対立・関税政策の不透明感が引き続き業績変動リスクとなる。

工作機械関連事業は2026年3月期もセグメント損失407百万円と赤字継続だが、前期損失1,126百万円から大幅縮小した。2027年3月期予想では同事業の増収黒字化を計画しており、5事業体制への構造転換の進捗が評価の焦点となる。

外部要因として、北米・インド等の需要動向や半導体・EV関連投資の回復が工作機械受注の鍵を握る。構造改革の実効性と新市場開拓の進捗を継続的に確認する必要がある。

2026年3月期末の退職給付に係る負債は2,270百万円(前期末1,820百万円から450百万円増加)と拡大しており、会計上の見積り変更(費用処理年数13年→11年)により当期利益を40百万円押し下げた。有利子負債(短期借入金4,079百万円・社債3,060百万円・長期借入金4,355百万円等)は高水準を維持しており、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は8.1年。

金利上昇局面では財務費用の増加が収益を圧迫するリスクがある。自己資本比率は35.5%と前期(34.8%)から小幅改善したが、財務基盤の強化が引き続き課題である。

成長戦略

工作機械5事業体制への転換と部品加工の収益多様化でROE回復を目指す

①システム工作機械、②顧客共同による開発型機械製造、③レーザー加工システム事業、④SIer&IoT事業、⑤保守サービス事業の5事業を柱とした事業構造への変革を推進。新市場の開拓と付加価値向上により、2027年3月期での同事業黒字化を計画している。

既存の大型二輪車用部品・自動車関連部品に加え、工作機械事業のノウハウを活かした新たなモノづくり提案による受注拡大を図る。自社工場の自動化・省人化を積極推進し、SIer&IoT事業とのシナジーを活用した高効率生産体制を構築する。原材料価格高騰への適切な価格転嫁も推進。

本社および現地法人での収益改善施策を継続し、販売費及び一般管理費の削減を推進。2026年3月期に販管費を前期比731百万円削減し営業黒字転換を実現した実績を踏まえ、2027年3月期は営業利益800百万円(営業利益率3.6%)を目標とする。

2027年3月期の年間配当予想を12円(前期10円から2円増配)とし、配当性向30.3%を計画。業績回復に伴う株主還元の段階的な拡充を示している。

最終更新: 2026年7月19日