事業内容
豊和工業は1907年創業の愛知県に本拠を置く複合製造企業。マシニングセンタ・空油圧機器等の工作機械関連、防衛省向け20式小銃等の火器、路面清掃車等の特装車両、防音サッシ等の建材の4事業を主軸とし、不動産賃貸・商社・物流の子会社群を擁する。
主要顧客は防衛装備庁(2026年3月期売上高の26.7%を占める6,428百万円)および自動車関連業界。東京証券取引所スタンダード市場・名古屋証券取引所プレミア市場に上場。
2026年3月期の連結売上高は24,064百万円。
ビジネスモデル
主力の火器事業は防衛省との受注契約に基づく納入型ビジネスで、受注残高3,761百万円(2026年3月期末)が売上の可視性を担保する。建材・特装車両はニッチ市場向け受注生産。
不動産賃貸(営業利益率約80.9%)が安定キャッシュを供給し、工作機械関連の構造改革コストを吸収する構造。子会社の商社・物流機能がグループ内バリューチェーンを補完する。
企業の強み
20式5.56mm小銃をはじめとする防衛省向け装備品の製造において高い専業性を持ち、2026年3月期の火器セグメント売上高は8,965百万円(前期比13.4%増)、営業利益1,255百万円(同37.8%増)を達成。期末受注残高3,761百万円が次期以降の売上を裏付ける。
防衛生産基盤強化法に基づく特定取組契約という新たな契約形態も活用している。
不動産賃貸セグメントは売上高508百万円に対し営業利益411百万円(営業利益率約80.9%)を計上。追加投資ゼロで高いキャッシュ創出効率を維持しており、工作機械関連の構造改革に伴う損失(営業損失1,017百万円)を吸収するグループ全体の収益安定装置として機能している。
建材セグメントでは防音サッシの売上増加により2026年3月期売上高3,232百万円(前期比7.2%増)、営業利益276百万円(前期比607.7%増)を達成。特装車両セグメントの受注残高は790百万円(前期末比90.8%増)と大幅積み上がり。
いずれもニッチ市場における継続的な製品需要と受注獲得力を示している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期19,697百万円→2025期24,827百万円と拡大してきたが、2026期は24,064百万円(前期比3.1%減)と反落。工作機械関連が自動車業界の設備投資需要減少により22.1%減の5,421百万円となったことが主因。
火器は防衛省向け20式小銃の納入増加と防衛生産基盤強化法に基づく特定取組契約の売上計上により13.4%増の8,965百万円と好調。営業利益は1,186百万円(前期比5.3%減)と小幅減益にとどまり、売上総利益率は前期17.0%から17.6%へ改善。
特別損失に関係会社株式評価損116百万円・事業整理損112百万円を計上したが、投資有価証券売却益216百万円が一部相殺し、当期純利益は741百万円(前期比1.1%減)。2027年3月期は売上高23,560百万円(前期比2.1%減)、営業利益1,410百万円(同18.9%増)、当期純利益1,080百万円(同45.7%増)を予想。
成長戦略
工作機械関連の収益構造改革と火器・建材の収益力向上で2028年3月期増益を目指す
市場規模に適合した収益構造への変革を掲げ、中国現地法人(丰和(天津)机床有限公司)の解散・清算を決議し不採算事業を切り離し。中国向け在庫の棚卸資産評価損計上など構造改革コストを先行計上済み。採算性重視の製品・販売戦略とニッチトップ領域の開拓を推進。
20式小銃の納入数増加と補用部品等装備品の拡販を継続。防衛生産基盤強化法に基づく特定取組契約等の新たな契約形態を活用し、生産基盤への投資(2026年3月期火器セグメント減価償却費326百万円)を通じて供給能力を維持・拡大。
2027年3月期は特定取組契約の売上消滅を見込みつつも20式小銃納入増で補完する方針。
2026年4月1日付でマシンサービス株式会社(特装車両の売買・リース・整備)を子会社化(議決権比率51%)。英和株式会社との三位一体の事業運営により、路面清掃車のリユースビジネスとアフターサービス分野でのシナジーを追求。
2026年3月期末の特装車両受注残高は790百万円(前期末414百万円から90.8%増)と積み上がっており、次期売上への貢献が期待される。
防音サッシの需要増加を捉えた拡販と価格転嫁による採算性改善を推進。2026年3月期は売上高3,232百万円(前期比7.2%増)、営業利益276百万円(前期39百万円から大幅増益)を達成。
受注残高も904百万円(前期634百万円から42.6%増)と積み上がっており、次期の安定的な売上貢献が見込まれる。
中長期的な安定配当(通期20円)を基本としつつ、利益が増加した場合は配当性向30%を目安に株主還元を強化する方針を明示。2027年3月期予想当期純利益1,080百万円に対し、配当性向22.3%を予想。利益増加時の増配余地を示している。
最終更新: 2026年7月19日

