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株式会社エーワン精密

6156東証スタンダード機械

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株式会社エーワン精密6156

事業内容

株式会社エーワン精密は1970年創業、東京証券取引所スタンダード市場上場の精密機械工具専業メーカー。事業はコレットチャック部門(売上高構成比約70%)、切削工具部門(同約30%)、自動旋盤用カム部門(同約1%)の3セグメントで構成される。

主力のコレットチャックはCNC自動旋盤に使用される消耗品工具であり、自動車・半導体・電子部品など幅広い精密部品加工メーカーを顧客とする。大手メーカーが参入しにくい多品種少量のニッチ分野に特化し、50年超の実績と技術蓄積を競争優位の源泉としている。

山梨工場を主要生産拠点とし、韓国・中国・台湾等アジア向け輸出も展開(輸出比率9.6%)。

ビジネスモデル

機械工具は使用により消耗するため、顧客からのリピートオーダーが継続的に発生する構造を持つ。受注生産方式を採用し、顧客仕様に応じた多品種少量品を短納期で供給することで差別化を図る。

長年の設備償却進展と熟練人材の蓄積により固定費が抑制されており、安定受注が確保できれば高い利益率を実現できる体制が確立している。コレットチャック部門のセグメント利益率は2025年6月期で36.7%に達する。

企業の強み

1970年の創業以来50年超にわたりコレットチャック・自動旋盤用カムの設計・製造に特化。繰り返し精度と耐久性が求められる消耗品工具において、長年の技術蓄積と熟練社員の増加が生産効率向上に寄与。コレットチャック部門のセグメント利益率は2025年6月期に36.7%を達成している。

2025年6月期末の総資産8,058百万円に対し負債合計は573百万円にとどまり、純資産7,485百万円と極めて健全な財務構造を維持。有利子負債はほぼゼロで、内部留保を活用した機動的な設備投資と継続的な株主還元(配当金支払500百万円)を両立している。

コレットチャック・切削工具はいずれも使用により消耗する消耗品であり、顧客が必要とするたびに注文が入るリピートオーダー構造を持つ。販売先10%超の特定顧客は存在せず、自動車・半導体・電子部品等の多業種に分散した顧客基盤が景気変動に対する耐性を高めている。

エンヴァリスの着眼点

2026年6月期第3四半期累計の営業利益は120百万円(前年同期比165.0%増)、経常利益は152百万円(同124.5%増)と大幅改善。通期予想の営業利益298百万円に対し3Q累計で40%を達成しており、第4四半期(4月〜6月)に178百万円の上積みが必要だが、年度末需要の増加傾向(3月受注増加)を踏まえると達成可能性は相応に高い。

売上原価率が前年同期の74.7%から67.7%へ大幅改善したことが利益急回復の主因であり、コスト構造の改善が定着しているかが注目点。

切削工具部門のセグメント利益は3Q累計で83百万円(前年同期2百万円)と急拡大。外部要因として市販超硬切削工具のタングステン不足による値上げ・欠品が再研磨需要を押し上げており、市販切削工具再研磨の売上高は239百万円(前年同期比0.4%増)と横ばいながら、別注切削工具は118百万円(同8.3%増)と伸長。

ただし外部環境依存の側面があり、タングステン供給が正常化した場合の需要持続性は不透明。

2025年6月期は減損損失計上で最終赤字となったが、2026年6月期は3Q累計で四半期純利益104百万円を計上し黒字転換。ただし通期予想当期純利益220百万円でも純資産7,212百万円に対するROEは約3%程度にとどまる見込みで、潤沢な内部留保・金融資産と低収益のギャップは依然として大きい。

配当100円(予想)の維持は評価できるが、資本効率改善に向けた自己株式取得や増配等の追加的な株主還元策の有無が投資判断の焦点となる。

成長戦略

半導体・医療向けコレットチャック需要の取り込みと切削工具部門の収益基盤再構築

中国を中心とした半導体増産に伴う検査用プローブ部品加工用コレットチャックの受注が増加しており、AI普及に伴う高スペック半導体需要を背景とした市場環境として追い風が継続。3Q累計でコレットチャック部門売上高827百万円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益305百万円(同1.8%増)を計上。

高精度研削盤の活用による品質・コスト競争力の強化と、タングステン不足を背景とした再研磨需要の取り込みを推進。3Q累計でセグメント利益83百万円(前年同期2百万円)と急回復しており、収益基盤の再構築が進展している。別注切削工具は前年同期比8.3%増と伸長。

3Q末時点で建設仮勘定12百万円、機械装置及び運搬具の純額が前期末比8百万円増加しており、生産設備への継続投資を実施。精密微細加工用機械の新規購入増加という市場環境として追い風を受け、工作機械向け需要の取り込みを図る。

最終更新: 2026年7月17日