事業内容
旭ダイヤモンド工業は1937年創業のダイヤモンド工具専業メーカーで、CBN工具・砥石を含むダイヤモンド工具の製造・販売を単一セグメントで展開する。主要顧客は電子・半導体業界(売上高の約40%)、機械業界(約25%)、輸送機器業界(約23%)、石材・建設業界(約9%)と多岐にわたる。
国内では千葉工場・三重工場等の製造拠点を持ち、海外はアジア・オセアニア、欧州、北米、中南米に製造販売子会社・販売子会社を展開するグローバルネットワークを構築している。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
自社工場での製造から国内外の子会社・関連会社を通じた直接販売までを一貫して担う垂直統合型モデル。顧客の加工ニーズに応じた多品種・カスタム対応を強みとし、研究開発費2,568百万円(2026期)を投じた技術開発で製品差別化を図る。
設備投資資金および運転資金はほぼ全額を自己資金で賄える財務基盤を持ち、安定的なキャッシュ創出力を収益の源泉としている。
企業の強み
1937年創業以来87年にわたりダイヤモンド工具専業として事業を継続。電子・半導体、輸送機器、機械、石材・建設と4つの主要業界に製品を供給し、特定業界の需要変動リスクを分散する多業界対応体制を構築している。2026期の売上高41,983百万円はこの幅広い顧客基盤に支えられている。
国内製造拠点に加え、フランス・台湾・中国・インドネシア・タイの海外製造販売子会社、および米国・メキシコ・ドイツ・スウェーデン・オーストラリア・マレーシア・インド・ベトナムの販売子会社を擁する。2023年にはベトナム・インド法人を追加し、アジア新興国への展開を強化している。
2026期末の自己資本比率78.5%、純資産64,133百万円と財務健全性が高い。設備投資2,726百万円および研究開発費2,568百万円を全額自己資金で充当しており、営業キャッシュフロー5,412百万円の安定創出が財務基盤を支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期37,161百万円→2023期39,320百万円と拡大後、2024期38,653百万円に一時減少したが、2025期41,006百万円・2026期41,983百万円と回復基調にある。営業利益は2022期2,811百万円をピークに2024期1,526百万円まで落ち込んだが、2025期2,311百万円・2026期2,403百万円と改善傾向。
外部要因として、AI・先端半導体需要の拡大、メモリー生産回復、航空機需要回復が業績を押し上げた一方、EV販売鈍化・自動車生産減少・中国経済停滞が逆風となった。2026期は減損損失1,920百万円の計上により当期純利益は2,009百万円と前期比19.4%減となった。
成長戦略
電子・半導体分野を中核に据えた「中期経営計画2030」でグローバルニッチトップを目指す
電子・半導体業種を最重点成長分野と位置付け、AI向け先端半導体加工用工具・メモリー関連工具・半導体製造装置向けセラミックス工具の売上拡大を推進。業種別販売戦略による新規受注創出とシェア拡大を図る。
国内外の不採算事業・部門の撤退・縮小および工場集約による構造改革を断行。価格改定(値上げ)による粗利率改善と生産性向上・原価低減を継続実施。欧州子会社の事業構造改善引当金を計上し製造拠点統合を進行中。
研究開発費2,568百万円(2026期)を投じ、CMPコンディショナ・PCD多刃エンドミル等の新製品開発を推進。2025年5月にAAダイヤモンドテクノロジー株式会社を設立し研究開発機能を強化。新基幹システム活用による経営数値のリアルタイム把握と業務改革を推進。
2023年にベトナム・インドの子会社を追加設立し、アジア新興国市場への展開を強化。日本・アジア・オセアニア・欧州・北米・中南米の多地域展開により、地域分散型の収益基盤を構築する。
既存のダイヤモンド工具製造・販売に加え、受託試験等のソリューション事業など新たな収益源の検討を進める。AIを活用した開発スピードの向上も並行して推進。
最終更新: 2026年7月19日

