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ダイジェット工業株式会社

6138東証スタンダード機械

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ダイジェット工業株式会社6138

事業内容

ダイジェット工業は1938年創業の超硬工具専業メーカーで、超硬合金の素材開発から切削工具・耐摩耗工具の製造・販売まで社内で一貫して手掛ける。主力の切削工具(売上高の82%)は金型加工用途を中心に国内外の製造業向けに供給し、耐摩耗工具はEV・HEV用電池ケース金型等の新分野にも展開。

国内販売(3,981百万円)と輸出(5,310百万円)の比率は約43:57で、北米・欧州・アジアに子会社・関連会社を持つグローバル販売体制を構築している。連結売上高は9,292百万円(2026期)。

ビジネスモデル

超硬合金の素材製造から切削工具・耐摩耗工具の完成品まで自社内で一貫生産することで、顧客ニーズへのタイムリーな対応と品質管理を実現する。販売は国内外の代理店・特約店・販売店を通じた間接販売と需要家への直販を組み合わせ、米国子会社DIJET INC.・独国子会社DIJET GmbHが海外販売を担う。

受注生産と見込生産を組み合わせ、期末受注残高1,356百万円(前期末比54.7%増)を積み上げている。

企業の強み

超硬合金の素材開発・製造から切削工具・耐摩耗工具の完成品まで社内一貫製造を実現。これにより独自材料(高硬度・高抗折力合金素材HS10・HS20等)の開発・標準化が可能となり、競合が模倣困難な製品差別化を実現している。当期研究開発費は406百万円を投じ、新コーティング材種DS2等を市場投入した。

米国・ドイツに100%出資子会社、中国に持分法適用関連会社を持ち、北米1,117百万円・欧州1,401百万円・アジア2,761百万円の輸出体制を構築。連結売上高に占める輸出比率は57.2%に達し、国内需要変動リスクを分散する地理的多様性を有する。

国内外展示会(MF-TOKYO2025・MECT2025・EMO)への継続出展で販路拡大を図っている。

当期末の受注残高は1,356百万円と前期末877百万円から54.7%増加。切削工具の受注残高が985百万円(前期比51.6%増)、焼肌チップが109百万円(同121.7%増)と全製品カテゴリで積み上がっており、次期以降の売上高への転換が見込まれる受注基盤を形成している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は648百万円(前期比195.8%増)、当期純利益は784百万円(同281.6%増)と大幅改善を達成した。しかし2027年3月期の会社予想は営業利益400百万円(前期比38.3%減)、当期純利益300百万円(同61.7%減)と急減を見込む。

2026年3月期の当期純利益には投資有価証券売却益184百万円の特別利益が含まれており、実力ベースの収益力は数字ほど高くない点に留意が必要である。

2026年3月期の売上原価は5,771百万円と前期(5,783百万円)比でほぼ横ばいながら、売上高増加により売上原価率が62.1%(前期65.8%)へ改善した。販売費及び一般管理費も2,873百万円(前期2,791百万円)と増加しており、固定費負担は継続している。

2027年3月期予想の為替レートは1米ドル160円・1ユーロ185円を想定しており、外部要因として円安水準の継続を前提としているが、米中通商政策をめぐる動向等による為替変動リスクが収益予想の不確実性を高めている。

自己資本比率は55.0%(前期49.8%)へ改善し、1株当たり純資産も3,197.17円(前期2,671.63円)へ上昇した。一方、短期借入金1,664百万円・長期借入金2,462百万円と有利子負債残高は依然として高水準にある。

棚卸資産は5,343百万円(前期4,821百万円)と522百万円増加しており、受注残高増加に対応した在庫積み増しとみられるが、需要変動時の在庫リスクは残る。配当は55円(前期25円)へ増額されたが、2027年3月期予想は35円へ減額予定であり、利益水準に連動した配当政策が確認される。

成長戦略

新製品投入・アジア販路拡大・EV新分野開拓による持続的成長

アルミ高速加工用エンドミル「アルミジェット」や高送り加工用TA工具「マックスマスターミニ」等の新製品発売とラインナップ拡張を積極的に実施。切削工具の売上高は前期比5.4%増の7,659百万円、生産高は同9.8%増と成果が出ている。

海外子会社や国内販売店との連携強化により国内外市場・顧客の新規開拓を推進。EMO(ドイツ)等の国際展示会出展により欧州向け売上高は前期比4.6%増の1,401百万円、アジア向けは同6.6%増の2,761百万円を達成。受注残高は前期末比54.6%増の1,356百万円まで積み上がっている。

独自開発の高硬度・高抗折力合金素材を活用し、EV・HEV用電池ケース金型等の新分野での販路拡大を推進。従来の金型素材では対応困難な用途での採用実績を積み上げており、自動車産業のEV化という構造変革を成長機会として捉えている。耐摩耗工具の販売は前期比6.9%減だが新分野での成果が報告されている。

売上原価率の改善(65.8%→62.1%)に示されるように、生産効率化と品質改善の取り組みが収益性向上に貢献。2027年3月期は売上高9,600百万円・営業利益400百万円を目標とし、不透明な経営環境下での収益基盤の安定化を図る。

最終更新: 2026年7月19日