事業内容
株式会社FUJIは、愛知県知立市を本拠とする産業機械メーカーで、当社および子会社18社で構成されるグループを形成する。主力のロボットソリューション事業では、モジュール型電子部品装着機「NXTR」や拡張型オールインワン装着機「AIMEXR」、ダイボンダ等の半導体製造装置を製造販売する。
マシンツール事業では工作機械を手掛ける。売上高の90.8%を海外が占め、中国・タイ・インドを中心とするアジア地域が主要市場。
AIサーバー・データセンター向け設備投資の拡大を主要需要ドライバーとし、2026年3月期に売上高180,642百万円と過去最高を更新した。
ビジネスモデル
FUJIは自社開発の電子部品実装ロボットおよび工作機械を製造し、グローバルな販売子会社網を通じて電子機器・半導体・自動車メーカー等に販売する。単品売りにとどまらず、ターンキーソリューション(設計から納入・稼働まで一括提供)やソリューション営業を通じて顧客の生産ライン全体を支援することで付加価値を高める。
研究開発費8,514百万円を継続投資し、製品競争力を維持する。
企業の強み
従来主力機「NXTIII」からの切り替えが2026年3月期に完了し、自動化・高密度実装・性能向上の優位性が顧客に評価された。需要拡大に対応すべく2024年9月に岡崎工場新工場棟を完成させ、生産体制を強化。ロボットソリューション事業の生産高は前期比57.8%増の187,120百万円に達した。
2026年3月期の海外売上高は163,971百万円で売上高全体の90.8%を占める。米国・ドイツ・中国・インド・シンガポール・ブラジル等に販売・製造子会社を展開し、アジア・欧米の主要市場を自社網でカバーする。
中国向け単一顧客(アメリカンテック社)への依存度は12.0%にとどまり、地域分散が図られている。
2026年3月期末の自己資本比率は83.5%、純資産合計は232,454百万円。現金及び現金同等物残高は53,159百万円を保持し、有利子負債依存度は極めて低い。
内部留保を主要財源として研究開発・設備投資・株主還元を賄う財務構造を維持しており、主要金融機関との12,000百万円の融資枠も確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期148,128百万円→2023年3月期153,326百万円をピークに2024年3月期127,059百万円・2025年3月期127,387百万円と2期連続低迷が続いたが、2026年3月期は180,642百万円と過去最高水準に迫る急回復を達成。外部要因としてタイ・インドを中心としたAIサーバー関連設備需要の高水準推移と半導体関連需要の伸長が主牽引。
営業利益率は10.8%→16.2%に大幅改善。一方、のれん減損損失9,717百万円の計上により当期純利益は15,733百万円(前期比+44.3%)にとどまり、営業利益の伸びに比べ純利益の回復は限定的。
マシンツール事業は自動車関連需要低迷・北米販売数量減少により営業損失107百万円に転落。2027年3月期会社予想は売上高211,000百万円・営業利益43,600百万円と更なる成長を見込む。
成長戦略
AIサーバー・半導体需要を取り込みロボットソリューションで高成長、次世代事業の事業化も推進
モジュール型電子部品装着機NXTRおよびAIMEXRを拡販の軸に据え、新規市場・顧客開拓を推進。NXTRは自動化・高密度実装・性能向上・機能拡張の優位性が評価され、NXTⅢからの切り替えが完了。AIサーバー・半導体・自動車電動化向け需要を取り込み、全製品でシェアNo.1を目指す。
NXTRの需要拡大に対応すべく、2024年9月に完成した岡崎工場の新工場棟を整備し生産体制を強化。受注高197,151百万円・受注残高61,660百万円(ロボットソリューション)の積み上がりに対応する供給能力の確保が目的。
スマートロッカーシステム「Quist」、移乗サポートロボット「Hug」、廃棄物選別ロボット「R-PLUS」をはじめとする電子部品実装ロボット以外の製品の事業化を推進し、次世代の収益柱の創出を図る。現時点では売上規模は限定的だが、中長期的な収益多角化を目指す。
自動車関連設備需要の低迷(特に北米)により2026年3月期は営業損失107百万円に転落。ターンキーソリューションビジネスの強化と複合加工旋盤新機種「ACUFLEX」の製品競争力向上により収益基盤の安定化を図る。市場環境の本格回復にはなお時間を要すると会社は見込んでいる。
利益配分の基本方針として配当性向50%を基本とし、2026年3月期年間配当90円(配当性向50.3%)、2027年3月期予想年間配当190円(配当性向50.6%)と大幅増配を予定。自己株式取得(2026年3月期2,374百万円)も実施し、総還元性向の向上を図る。
最終更新: 2026年7月19日

