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浅香工業株式会社

5962東証スタンダードその他製品

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浅香工業株式会社5962

事業内容

浅香工業株式会社は1661年創業、1893年にショベル・スコップの国産化に成功した歴史を持つ大阪・堺市の製造販売会社である。事業は「生活関連用品」と「物流機器」の2セグメントで構成される。

生活関連用品では自社工場(堺工場)でショベル類を製造するほか、園芸・農業・除雪・散水関連用品を仕入販売し、ホームセンターや専門店ルートを主要販路とする。物流機器では電動移動棚・ラック等を仕入販売し、三菱ロジスネクスト(現ロジスネクスト)を筆頭顧客とする。

子会社・国富産業株式会社がショベル柄等の原材料・木製品を製造し、グループ一体で生産体制を支える。

ビジネスモデル

生活関連用品セグメントはショベル類の自社製造(売上高の約10%)と仕入商品販売(約53%)を組み合わせ、ホームセンター・専門店・EC等の多チャネルで販売する。物流機器セグメントは電動移動棚等を仕入れ、三菱ロジスネクスト(売上高比21.2%)・DCM(同10.2%)等の大口顧客向けに据付工事込みで納入する高利益率モデルを採る。

2026年3月期の売上総利益率は27.5%、営業利益率は3.7%。

企業の強み

1661年創業、1893年のショベル国産化以来「良品声なくして人を呼ぶ」を経営理念に掲げ、「象印」商標(1897年登録)を軸に品質第一主義を貫く。海外廉価品が溢れる市場においても国内プロ向け市場での地位を維持しており、ホームセンター・専門店ルートでの継続的な販売実績がブランド力の持続性を裏付けている。

物流機器セグメントは2026年3月期に売上高3,046百万円に対しセグメント利益375百万円、利益率12.3%を確保した。仕入販売モデルながら据付工事を伴う大型案件を中心に高い付加価値を実現しており、受注金額は前期実績を上回る水準を維持している。

生活関連用品(利益率2.6%)との二極構造が全社収益を下支えしている。

2026年3月期末の自己資本比率は65.6%(2022年3月期48.1%から継続改善)、純資産は4,598百万円。長期借入金の返済を進め負債を2,412百万円まで圧縮しており、財務レバレッジリスクは低い。

現金及び現金同等物残高は1,155百万円を確保し、設備投資・借入返済・配当を自己資金で賄える流動性を持つ。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の当期純利益は410百万円(前期比80.2%増)と大幅増益だが、その主因は投資有価証券売却益258百万円(特別利益)。本業の営業利益は311百万円(前期比2.1%増)にとどまり、売上高営業利益率は3.7%と低水準。

2027年3月期予想では当期純利益170百万円(前期比58.6%減)と特別利益剥落後の実力値に回帰する見通しであり、投資家は経常利益ベースの収益力で評価すべきである。

2027年3月期会社予想は売上高8,400百万円(前期比+0.5%)、営業利益220百万円(前期比29.3%減)、経常利益250百万円(前期比27.9%減)と大幅な利益減少を見込む。物流機器は引き合い案件の減少傾向が継続し収益悪化が予想される。

生活関連用品も販売価格改定に伴う消費者の買い控えが懸念される。外部要因として原材料・エネルギー価格の高止まりや米国通商政策の影響も下押しリスクとなる。

売上高は2022年3月期8,555百万円から2026年3月期8,357百万円まで5期連続で8,300〜8,600百万円の狭いレンジに収まっており、構造的な成長力の乏しさが課題。輸出は2026年3月期に133百万円(売上高比1.6%)と縮小傾向にあり、海外展開による成長も限定的。

除雪関連用品の市場流通在庫減少による早期受注期待や新製品投入は短期的な追い風だが、中長期の成長戦略の具体性が問われる。

成長戦略

生活関連用品の価格改定浸透・新製品投入と物流機器の受注回復が当面の焦点

ショベル類・アウトドア用品類で段階的な販売価格改定を実施し、利益率の向上を図る。2wayショベルやエヴァンゲリオンコラボショベル等の新製品投入で顧客獲得と単価向上を両立。2026年3月期に生活関連用品セグメント利益が140百万円(前期49百万円から大幅増)と成果が出始めている。

市場流通在庫が減少している除雪関連用品について冬場に向けた早期受注を獲得し、売上の季節変動を平準化する。猛暑による散水関連用品の需要拡大も取り込み、土農具類と合わせて生活関連用品全体の増収基調を維持する。2026年3月期に除雪・散水関連が増収に貢献した実績がある。

引き合い案件が減少傾向にある中、懸命な受注活動により受注金額では前期実績を上回る水準を維持。三菱ロジスネクスト(2026年3月期売上高1,769百万円)を中心とした既存顧客への深耕と新規案件獲得を並行して推進し、2027年3月期の売上回復を目指す。

保有する投資有価証券(2026年3月期末1,506百万円)を戦略的に管理し、適切なタイミングでの売却益計上や新規取得を通じて財務収益を確保する。2026年3月期に258百万円の売却益を計上した実績があり、含み資産の活用が財務戦略の一環となっている。

最終更新: 2026年7月19日