事業内容
那須電機鉄工は1929年創業の社会インフラ専業メーカーで、電力・通信インフラ事業(送電鉄塔・配電設備材料・通信鉄塔等の製作販売および通信鉄塔設備工事)と交通等インフラ事業(交通システム材料・道路設備工事・地中線設備工事・溶融亜鉛めっき等)の2セグメントを展開する。主要顧客は東京電力パワーグリッド(売上高の31.1%)・東北電力(同9.4%)等の電力会社および通信キャリアで、当社・連結子会社7社・非連結子会社1社で構成されるグループ体制を持つ。
東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
電力・通信インフラ事業(売上高の82.5%)では鉄塔・鋼管柱等の製作販売と通信鉄塔設備工事を、交通等インフラ事業(同17.5%)では交通システム材料の製作販売・道路設備工事・表面処理を手掛ける。受注生産型を基本とし、電力会社・通信キャリア・道路管理者等の大口顧客から継続的に受注を獲得する構造。
2026年3月期の営業利益率は13.3%。
企業の強み
東京電力パワーグリッドへの販売高は7,385,108千円(売上高比31.1%)、東北電力は2,229,184千円(同9.4%)と、電力大手との継続的な取引関係が確立されている。1929年の創業以来、一貫して電力・通信・鉄道・道路インフラ向け製品を供給してきた実績が顧客基盤の厚みを支えている。
八千代工場(鉄塔)・大阪工場(鉄塔・架線金物)等の製造拠点に加え、関西営業部・中部支店・東北営業所・北海道営業所・九州・沖縄支店等の全国営業網を保有。連結子会社7社(那須電材産業・那須電機商事・東北那須電機・北海道那須電機・那須化成・那須エンジニアリング・Nテック)が製造・販売・設計・表面処理の各機能を担い、グループ一体でサービスを提供する体制を構築している。
2026年3月期末の純資産は33,537百万円、有利子負債残高は4,129百万円にとどまり、現金及び現金同等物8,218百万円が有利子負債を上回るネットキャッシュ状態にある。総資産47,563百万円に対し自己資本比率は高水準を維持しており、設備投資や事業拡大に対応できる財務的余力を有している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は23,747百万円(前期比+3.5%)、営業利益3,147百万円(同+13.0%)、経常利益3,397百万円(同+15.6%)、親会社株主帰属純利益2,483百万円(同+31.7%)と全項目で過去5期最高を更新。電力・通信インフラ事業では大型幹線鉄塔受注と5G基地局向け資機材が寄与(セグメント売上高+4.3%)。
販管費削減(前期比△51百万円)と特別損失の大幅縮小(前期316百万円→当期59百万円)が純利益の大幅増加を後押しした。包括利益は4,930百万円(前期比+126.1%)と急拡大したが、これは保有株式の時価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加(+2,383百万円)が主因。
2027年3月期の会社予想は売上高19,656百万円(△17.2%)、営業利益2,401百万円(△23.7%)と急減速を見込んでおり、大型案件の剥落が業績の下押し要因となる見通し。
成長戦略
2029年創立100周年に向け「2027中期経営計画」第三次計画を推進中
小規模鉄塔受注の減少を大型幹線鉄塔受注で補完する戦略を継続。電力会社のレベニューキャップ制度対応・再エネ拡大・原子力再稼働対応に伴う設備投資需要を取り込み、安定的な業量を確保する。2026年3月期は電力・通信インフラ事業売上高19,589百万円と前期比4.3%増を達成。
通信会社の5G基地局向け資機材受注に積極的に取り組むとともに、既存通信鉄塔の延命化工事需要を取り込む。5G普及に伴う基地局設備投資増加という外部環境を自社の受注拡大に結びつける戦略。2026年3月期は通信インフラ事業が電力事業の補完役として機能した。
高速道路関係の大型案件減少を補うべく、老朽化道路関連設備の更新受注と都市機能強靭化に資する無電柱化提案を積極展開。外環自動車道・リニア中央新幹線等の国家的プロジェクトは工事中断・工期延期等で不透明な状況が続くが、既存インフラ更新需要で業量を維持する方針。
中東情勢緊迫化に伴う鋼材・燃料コスト上昇リスクに対し、受注ミックスの最適化と販管費削減を継続。2026年3月期の販管費は2,040百万円と前期比51百万円削減し、営業利益率13.3%(前期12.1%)を達成。2027年3月期は減収局面でのコスト管理が利益率維持の鍵となる。
最終更新: 2026年7月19日

