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那須電機鉄工株式会社

5922東証スタンダード金属製品

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那須電機鉄工株式会社5922

事業内容

那須電機鉄工は1929年創業の社会インフラ専業メーカーで、電力・通信インフラ事業(送電鉄塔・配電設備材料・通信鉄塔等の製作販売および通信鉄塔設備工事)と交通等インフラ事業(交通システム材料・道路設備工事・地中線設備工事・溶融亜鉛めっき等)の2セグメントを展開する。主要顧客は東京電力パワーグリッド(売上高の31.1%)・東北電力(同9.4%)等の電力会社および通信キャリアで、当社・連結子会社7社・非連結子会社1社で構成されるグループ体制を持つ。

東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

電力・通信インフラ事業(売上高の82.5%)では鉄塔・鋼管柱等の製作販売と通信鉄塔設備工事を、交通等インフラ事業(同17.5%)では交通システム材料の製作販売・道路設備工事・表面処理を手掛ける。受注生産型を基本とし、電力会社・通信キャリア・道路管理者等の大口顧客から継続的に受注を獲得する構造。

2026年3月期の営業利益率は13.3%。

企業の強み

東京電力パワーグリッドへの販売高は7,385,108千円(売上高比31.1%)、東北電力は2,229,184千円(同9.4%)と、電力大手との継続的な取引関係が確立されている。1929年の創業以来、一貫して電力・通信・鉄道・道路インフラ向け製品を供給してきた実績が顧客基盤の厚みを支えている。

八千代工場(鉄塔)・大阪工場(鉄塔・架線金物)等の製造拠点に加え、関西営業部・中部支店・東北営業所・北海道営業所・九州・沖縄支店等の全国営業網を保有。連結子会社7社(那須電材産業・那須電機商事・東北那須電機・北海道那須電機・那須化成・那須エンジニアリング・Nテック)が製造・販売・設計・表面処理の各機能を担い、グループ一体でサービスを提供する体制を構築している。

2026年3月期末の純資産は33,537百万円、有利子負債残高は4,129百万円にとどまり、現金及び現金同等物8,218百万円が有利子負債を上回るネットキャッシュ状態にある。総資産47,563百万円に対し自己資本比率は高水準を維持しており、設備投資や事業拡大に対応できる財務的余力を有している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高23,747百万円(前期比+3.5%)、営業利益3,147百万円(同+13.0%)、親会社株主帰属純利益2,483百万円(同+31.7%)と好決算。しかし2027年3月期の会社予想は売上高19,656百万円(同△17.2%)、営業利益2,401百万円(同△23.7%)と大幅な減収減益を見込む。

大型案件の剥落や受注環境の変化が主因とみられ、業績の持続性に対する投資家の評価が問われる局面にある。

市場環境として、通信会社の5G基地局投資、データセンター急増・半導体工場新増設による電力需要増、カーボンニュートラルに向けた再エネ送電インフラ整備は中期的な需要を下支えする外部要因として評価できる。一方、電力会社のレベニューキャップ制度下での経営効率化や大型案件の受注タイミングによる業績の振れ幅が大きく、2027年3月期予想の急減速はその典型例。

案件パイプラインの可視性が低い点は引き続き注視が必要。

2026年3月期の年間配当は640円(前期450円から大幅増配)、配当性向30.1%。しかし2027年3月期予想配当は450円と減配を予定しており、業績連動型の配当政策が鮮明。

1株当たり純資産28,446円に対し配当利回りは限定的で、PBR面での割安感はあるものの、業績変動に伴う配当の不安定さが機関投資家の評価を抑制する可能性がある。自己株式取得(当期1,714千円)は小規模にとどまっており、資本効率改善への取り組みは道半ば。

成長戦略

2029年創立100周年に向け「2027中期経営計画」第三次計画を推進中

小規模鉄塔受注の減少を大型幹線鉄塔受注で補完する戦略を継続。電力会社のレベニューキャップ制度対応・再エネ拡大・原子力再稼働対応に伴う設備投資需要を取り込み、安定的な業量を確保する。2026年3月期は電力・通信インフラ事業売上高19,589百万円と前期比4.3%増を達成。

通信会社の5G基地局向け資機材受注に積極的に取り組むとともに、既存通信鉄塔の延命化工事需要を取り込む。5G普及に伴う基地局設備投資増加という外部環境を自社の受注拡大に結びつける戦略。2026年3月期は通信インフラ事業が電力事業の補完役として機能した。

高速道路関係の大型案件減少を補うべく、老朽化道路関連設備の更新受注と都市機能強靭化に資する無電柱化提案を積極展開。外環自動車道・リニア中央新幹線等の国家的プロジェクトは工事中断・工期延期等で不透明な状況が続くが、既存インフラ更新需要で業量を維持する方針。

中東情勢緊迫化に伴う鋼材・燃料コスト上昇リスクに対し、受注ミックスの最適化と販管費削減を継続。2026年3月期の販管費は2,040百万円と前期比51百万円削減し、営業利益率13.3%(前期12.1%)を達成。2027年3月期は減収局面でのコスト管理が利益率維持の鍵となる。

最終更新: 2026年7月19日