事業内容
株式会社アサカ理研は、電子部品屑・エッチング廃液等の産業廃棄物から金・銀・白金・パラジウム等の貴金属および銅を独自技術で回収・精製・販売する資源循環型企業である。1969年創業、福島県郡山市に本社を置き、東証スタンダード市場に上場。
主要顧客は電子部品・デバイスメーカー、歯科関連業者等。貴金属事業(売上高の約84%)を中核に、環境事業・システム事業・運輸事業・分析事業を展開。
連結子会社アサカ弘運株式会社がグループ内物流を担う。長期ビジョンとして「資源循環社会の実現に貢献するNo.1企業」を掲げ、次世代成長事業としてリチウムイオン電池(LiB)再生事業の2028年4月量産稼働開始を目指している。
ビジネスモデル
顧客から電子部品屑・エッチング廃液等を集荷し、独自開発の「ハイエクト装置」(溶媒抽出法)等で貴金属・銅を分離精製。回収した金地金・銀地金・白金・パラジウム等を国内商社や電子材料メーカーへ販売するほか、顧客ニーズに応じた材料加工品として返却するスキームも提供する。
廃液再生・銅回収・水処理剤販売も行い、廃棄物処理と資源販売の両面で収益を得る構造。金属相場(金・銅)の水準が収益に直結する特性を持つ。
企業の強み
1971年に金回収技術を開発して以来、50年超にわたり貴金属リサイクル技術を蓄積。独自開発の「ハイエクト装置」(溶媒抽出法)による精製技術を保有し、2012年度には経済産業省特許庁主催「知財功労賞」で特許庁長官表彰(特許活用優良企業)を受賞。技術的参入障壁が高い事業領域での競争優位を確立している。
2025年9月期において、金のドル建て価格が過去最高値を更新する高水準で推移したことを受け、貴金属事業の売上高は7,268百万円(前期比11.3%増)、セグメント利益は302百万円(同111.9%増)と大幅増益を達成。金相場の上昇が売上・利益に直接反映される収益構造を持つ。
本社工場(2015年)およびいわき工場(2017年)において、紛争鉱物不使用を証明するRMAP(旧CFS)認証を取得。グローバルサプライチェーンにおける調達適格性を担保しており、国際的な電子部品・デバイスメーカーとの取引継続・拡大に寄与する国際認証基盤を保有している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は7,968〜8,686百万円のレンジで推移していたが、2026年9月期は通期予想10,750百万円と初めて1兆円台に迫る水準へ急拡大。中間期売上高5,283百万円は通期予想の49.1%進捗。
営業利益率は中間期で13.6%(前年同期5.6%)と大幅改善。外部要因として金価格は地政学リスク・安全資産需要・米国金利引き下げ期待を背景に高水準を維持し、銅価格もAI普及に伴うデータセンター建設需要等で堅調推移。
営業CFは409百万円の収入を確保したが、棚卸資産増加679百万円・売上債権増加155百万円が資金を圧迫。現金及び現金同等物は4,891百万円と潤沢な水準を維持している。
成長戦略
既存事業の収益力強化とLiB再生事業の商業化による事業構造転換
回収貴金属を顧客ニーズに沿った材料に加工返却する多様なビジネススキームの提案により新規顧客獲得と既存顧客維持・拡大を推進。製造工程の効率化によるコスト低減にも注力し、相場変動に左右されにくい収益基盤の構築を図る。
CO₂排出量削減とレアメタル高回収率を両立するプロセスを構築済み。いわき工場の増築および生産設備の導入を進行中。電池メーカーとのMOUに基づきリサイクル業務受託スキームの確立に向けた交渉を継続。中東情勢不安定化による設備調達への影響リスクあり。
電池メーカーの工場から排出される工程廃材の一部について当社がリサイクル業務を受託する覚書(MOU)に基づき、関係企業等との交渉を継続中。スキーム確立により安定的な原料調達と受託収益の確保を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

