事業内容
新報国マテリアル株式会社は1949年創業の特殊合金素形材メーカーで、東京証券取引所スタンダード市場に上場。主力の特殊合金事業では、半導体およびFPD製造装置向けの低熱膨張合金鋳物・精密加工部品を製造・販売するほか、鉄鋼業界向け高温高強度合金鋳物も手掛ける。
主要顧客はキヤノン(売上高比28.7%)、ニコン(同26.4%)、日本製鉄(同15.4%)。第二事業として本社工場跡地等の不動産賃貸を行い、安定収益を確保している。
2021年に現社名へ変更し、インバー合金のグローバルニッチトップを目指す戦略を推進中。
ビジネスモデル
特殊合金事業では、自社鋳造工場およびネットワーク化した外注メーカーを活用し、インバー合金等の独自ブランド素形材を製造・精密加工して半導体・FPD製造装置メーカーへ直接販売する。研究開発費361百万円を投じた技術力が参入障壁を形成。
不動産賃貸事業は追加投資不要で営業利益率78.2%を誇り、特殊合金事業の業績変動を補完する安定収益源として機能している。
企業の強み
低熱膨張合金(インバー合金)分野で独自ブランド材を保有し、研究開発費361百万円を継続投入。非磁性インバー合金・水素インフラ向け極低温用・熱可塑性CFRP成形金型用など多様な派生品開発を進め、顧客へのサンプル提供を実施済み。技術的差別化が主要顧客との長期取引関係を支えている。
2025期の販売実績において、キヤノン1,591百万円(28.7%)、ニコン1,462百万円(26.4%)、日本製鉄851百万円(15.4%)の上位3社で売上高の70.5%を占める。半導体・FPD製造装置の主要メーカーとの継続的な取引関係が安定した受注基盤を形成している。
2025期末の自己資本比率は75.2%(前期比3.2ポイント増)、純資産5,806百万円。有利子負債は長期借入金1,100百万円から700百万円へ圧縮が進む一方、現金及び預金3,314百万円を保有。無借金に近い財務健全性が設備投資・研究開発への継続的な資金投入を可能にしている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の推移は、2022期(売上高6,361百万円、営業利益638百万円)をピークに2025期(売上高5,540百万円、営業利益466百万円)まで減速。2026年12月期第1四半期は売上高1,477百万円(前年同期比10.2%減)、営業利益154百万円(同26.9%減)、四半期純利益130百万円(同19.7%減)と前年同期の高水準からの反動が継続。
外部要因として、AI・データセンター向け半導体製造装置投資は前年第4四半期を底に回復局面に入りつつあるものの、米国関税政策・地政学リスクによる先行き不透明感が残る。2026年通期予想(売上高6,000百万円、営業利益650百万円)は前期比それぞれ8.3%増・39.4%増と大幅な回復を見込んでいるが、第1四半期時点での進捗は計画比で遅れ気味。
成長戦略
インバー合金グローバルニッチトップと金属3D積層造形を軸に売上100億円企業を目指す
AI及びデータセンター向け先端半導体製造装置への設備投資拡大を主要成長ドライバーと位置付け。2026年第1四半期は前年同期比減収も、前四半期比では売上高300百万円増と回復基調。受注状況は堅調と説明されており、下半期の本格回復に期待。
欧州半導体製造装置メーカー向けにサンプル出荷を開始し、海外市場への販路拡大を推進。国内市場依存からの脱却と売上基盤の多様化を図ることで、特定顧客・地域への集中リスクを低減する狙い。
金属3D積層造形装置への大型投資を実施し、補助金60百万円を取得済み。製造技術の確立により既存の精密加工に加えた新たな製造ソリューションを提供し、顧客の設計自由度向上ニーズに対応。中長期的な収益性改善の柱として位置付け。
インバー合金「IC-DX」の水素関連分野での実用化試験を複数社・公的研究機関と共同推進(極低温特性評価)。熱可塑性CFRP成形金型向け「VIC-65」展開により、半導体製造装置以外の新規市場開拓を図る。
最終更新: 2026年7月17日

