事業内容
東京鐵鋼は1939年創業、栃木県小山市に本社工場を置く電炉専業の棒鋼・鉄筋メーカーである。JIS規格に基づく小形棒鋼および鉄筋コンクリート用棒鋼の製造・販売を主力とし、独自開発のネジフシ鉄筋「ネジテツコン」と機械式継手を組み合わせたエンジニアリングサービスを通じて建設現場の省力化・合理化を提案する。
連結子会社8社・持分法適用関連会社1社を含むグループで、貨物運送・設備メンテナンス等の周辺事業も展開。主要顧客は伊藤忠丸紅住商テクノスチール、阪和興業、エムエム建材等の鉄鋼商社であり、上位3社で売上高の約79%を占める。
東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
鉄スクラップを主原料とする電炉製鋼で棒鋼を生産し、商社経由で建設業者へ販売する。収益の核心は、汎用棒鋼ではなく独自規格のネジテツコンおよび機械式継手という高付加価値製品の拡販による価格プレミアムの確保にある。
製品価格と原料(鉄スクラップ)価格の差であるメタルスプレッドの管理が利益率を左右する構造であり、2026年3月期の鉄鋼事業セグメント利益率は16.5%を維持している。
企業の強み
独自開発のネジフシ鉄筋「ネジテツコン」は1983年に建築センター評定を取得した固有技術であり、機械式継手と組み合わせた省力化工法として建設業界に定着している。2026年3月期の鉄鋼事業セグメント利益率は16.5%を記録しており、汎用棒鋼メーカーと比較して高い収益性を維持している。
2026年3月期末の純資産合計は63,416百万円、負債合計は17,033百万円であり、自己資本比率は約78.8%と極めて健全な財務構造を有する。金融機関との間に総額12,000百万円のコミットメントラインも設定しており、資金調達の安定性・機動性も確保されている。
2018年に株式会社伊藤製鐵所を持分法適用関連会社化し、資本業務提携を締結。生産余力が逼迫する本社工場(小山)を補完する生産拠点として伊藤製鐵所を活用し、ネジテツコンの生産拡大を推進している。2023年9月にはJOTS株式会社(新潟県三条市)も設立し、生産・供給体制の多様化を図っている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2022年3月期(売上高66,089百万円、営業損失192百万円)を底に急回復し、2025年3月期には売上高82,593百万円・営業利益14,676百万円と過去最高水準を達成。しかし2026年3月期は売上高72,540百万円(前期比12.2%減)、営業利益12,042百万円(同17.9%減)、親会社株主帰属当期純利益8,075百万円(同25.6%減)と大幅に反落した。
外部要因として、年度後半の鉄スクラップ価格急騰がコストを押し上げた一方、人手不足・諸資材高騰を背景とした工事遅延・見直しにより鉄筋用小棒の出荷低迷が常態化した。売上高営業利益率は17.8%(2025年3月期)から16.6%(2026年3月期)へ低下したものの、依然として高水準を維持。
2027年3月期は売上高76,000百万円(前期比4.8%増)、営業利益10,000百万円(同17.0%減)を予想しており、売上回復の一方で利益はさらに低下する見通し。
成長戦略
高付加価値製品拡販・DX推進・配当性向引き上げを柱とする新中期経営方針(2026年度~3ヵ年)
高付加価値製品である太径・高強度鉄筋の販売地域を拡大し、従来の高層建物に加え中低層物件もターゲットとする。省力化ソリューション提案営業を強化し、顧客の課題解決型差別化戦略で汎用品との価格競争を回避しながらメタルスプレッドを確保する。
製造工程の効率化と物流コスト削減を継続的に推進するとともに、DX戦略により業務効率化と競争力強化を図る。2026年3月期の販売費及び一般管理費は8,414百万円と前期(8,699百万円)比で削減を実現しており、コスト管理の取り組みは継続中。
旧中期方針の連結配当性向30%以上から新中期方針では35%~40%へ目標を引き上げ。2027年3月期の配当予想は年間100円(分割後基準、分割前換算300円)、配当性向36.0%を見込む。2026年4月1日付で1株→3株の株式分割を実施し、投資家層の拡大も図る。
旧中期方針のROE10.0%以上目標を達成(2026年3月期実績13.1%)。新中期方針ではROE11.0%以上を目標に設定。自己株式取得(2026年5月取締役会決議:上限35万株・500百万円)による資本効率向上策も継続的に実施。
最終更新: 2026年7月19日

