事業内容
ノリタケ株式会社は1904年創業の老舗素材・加工技術企業。研削砥石・研磨布紙を手掛ける工業機材、積層セラミックコンデンサ用材料・電子ペーストを中核とするセラミック・マテリアル、焼成炉・混合装置等のエンジニアリング、陶磁器食器の4事業を展開する。
連結子会社23社・関連会社4社を含むグループで、売上高142,908百万円のうち海外売上比率は45.3%に達し、自動車・電子・半導体・食品など幅広い産業を顧客基盤とする。VISION2030として「マテリアル×プロセスの独自技術で変化する社会の欠かせない推進役」を掲げ、環境・エレクトロニクス・ウェルビーイングの3成長領域への事業転換を進めている。
ビジネスモデル
自社の材料合成・成形・焼成・加工技術を一貫して保有し、研削砥石・電子材料・産業炉・食器を製造販売する。セラミック・マテリアル事業が営業利益率16.6%と高収益を牽引し、工業機材・エンジニアリングが安定収益を補完する構造。
設備投資(2026年3月期15,038百万円)と研究開発費(2,366百万円)を継続投下し、AIサーバー・自動車向け電子材料など成長領域への製品ラインを拡充することで収益性向上を図る。
企業の強み
セラミック・マテリアル事業は売上高50,035百万円、営業利益8,324百万円、営業利益率16.6%を達成。MLCC用材料がAIサーバー向け・ADAS向けで堅調に拡大し、前期比売上高10.0%増・営業利益23.8%増を実現。
MLCC用材料の設備投資額5,861百万円(前期比2,120百万円増)を実行し、生産能力増強を進めている。
2026年3月期の研究開発費は2,366百万円。成長領域向け特許出願を重点化した結果、特許保有件数は目標865件を上回る920件に達し、3年前比約1.3倍に増加。
GaN半導体用研磨工具・パワー半導体用銀ペースト接合材・半導体用銅ナノペーストを開発・プレスリリースするなど、新商品創出の実績が積み上がっている。
2026年3月期末の純資産合計は167,738百万円、自己資本比率72.5%と財務健全性が高い。現預金残高は19,570百万円を確保し、設備投資・M&Aに対応できる資金流動性を維持。ROEは前期8.7%から9.0%へ改善し、第13次中計目標(2027年度ROE9%以上)を前倒しで達成した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期127,641百万円→2026年3月期142,908百万円と緩やかな拡大基調。営業利益は2024年3月期10,709百万円をピークに2025年3月期10,213百万円へ一旦低下したが、2026年3月期は11,114百万円と過去最高を更新した。
牽引役はセラミック・マテリアルの営業利益8,324百万円(前期比23.8%増)で、AIサーバー・自動車向け電子材料という外部需要拡大が追い風。一方、工業機材は米国関税政策・アジア景気低迷の影響で営業利益が前期比12.1%減少。
営業CFは10,043百万円(前期2,015百万円から大幅改善)と資金創出力も回復した。2027年3月期は売上高150,000百万円(前期比5.0%増)、営業利益11,500百万円(同3.5%増)を予想(想定為替レート1米ドル150円)。
成長戦略
環境・エレクトロニクス・ウェルビーイングへの選択と集中でVISION2030を実現
AIサーバー・自動車(ADAS)向け需要拡大を見据え、セラミック・マテリアルセグメントの設備投資を2026年3月期に5,861百万円(前期2,741百万円から大幅増)実施。2027年3月期も継続投資を予定し、需要拡大局面での収益獲得体制を整備する。
LG Chem Ltd.と共同で自動車向けパワー半導体用銀ペースト接合材を開発。三菱商事グループと半導体向け回路形成用銅ナノペーストの市場展開を推進。エレクトロニクス分野の高付加価値商品ラインナップを拡充し、次の収益柱の育成を図る。
従来の製品別から市場別(成長領域別)への事業体制再編を実施済み。徹底した収支改善(拡販・価格適正化・OEM活用・原価低減)に取り組む。国内・タイ国の汎用品製造体制再編・整備により競争力を強化し、2026年3月期に2.8%まで低下した営業利益率の回復を目指す。
2026年4月1日付で食器事業をセラミック・マテリアル事業に編入。体制スリム化と事業運営効率化を図るとともに、セラミックス事業とのシナジー創出を通じて収益改善に向けた構造改革を推進。2026年3月期に643百万円の営業損失を計上した食器事業の黒字化が課題。
成長領域を対象とした事業横断体制を組成し、M&A・資本提携等に向けた具体的アプローチを開始。名古屋大学発スタートアップ株式会社TOWINGへの出資・協業も開始。
株主還元は第13次計画期間中に1株当たり年間70円(分割後)を下限とした累進配当と機動的な自己株式取得で総還元性向50%以上(3期累計)を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

