事業内容
オカモト株式会社は1934年創業の東証プライム上場企業。プラスチックフイルム・壁紙・自動車内装材・産業資材等を扱う「産業用製品」セグメントと、コンドーム・浣腸・カイロ・除湿剤・シューズ等を扱う「生活用品」セグメントを二本柱とし、国内外23社の連結子会社を擁するグループを形成する。
売上高108,040百万円(2026年3月期)のうち産業用製品が約70%、生活用品が約30%を占め、食品・電子・医療・消費財など幅広い産業・消費者層を顧客基盤とする。静岡・茨城・福島・岡山等に国内製造拠点を持ち、米国・タイ・中国・ベトナム等にも海外拠点を展開する。
ビジネスモデル
産業用製品では加工事業者向けにプラスチックフイルム等を製造・販売し、安定的な量販収益を得る。生活用品では独自のゴム・素材技術を活かしたコンドーム等の高付加価値製品を消費者向けに販売し、23.9%(2026年3月期)の高いセグメント利益率を実現する。
研究開発費1,454百万円を投じ、静岡・茨城の研究開発センターで新製品・環境配慮製品を継続開発することで、ブランド価値と競争力を維持する。
企業の強み
2026年3月期の生活用品セグメント利益は7,643百万円、利益率は23.9%に達する。コンドームを中心とした独自技術に基づく高付加価値製品群が収益を牽引しており、グループ全体の営業利益6,248百万円を大幅に上回るセグメント単独利益を創出する収益エンジンとなっている。
創業90年超にわたりゴム・プラスチック素材の研究開発を継続し、産業用フイルムから医療・日用品まで多岐にわたる製品群を「オカモトブランド」として展開。会社統合・合併・事業譲受を通じて製造技術・ノウハウを吸収し、静岡・茨城の2研究開発センターで年間1,454百万円の研究開発投資を継続している。
産業用製品(売上高75,756百万円)と生活用品(売上高32,040百万円)の二セグメントを持ち、景気サイクルや需要変動の影響を相互に補完する構造を有する。産業用製品が売上規模を支え、生活用品が高利益率で収益を補完することで、単一事業依存リスクを低減している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期89,581百万円から2025期109,107百万円まで4期連続増収を達成したが、2026期は108,040百万円(前期比1.0%減)と初の減収に転じた。営業利益は2024期10,040百万円をピークに2025期8,701百万円、2026期6,248百万円と2期連続で大幅に悪化し、ピーク比37.8%の低下となった。
外部要因として円高(前年度対比1ドル約3円の影響)と中国レアメタル規制によるアンチモン価格高騰が主因。売上総利益率は21,784百万円/108,040百万円=20.2%(前期21.9%)と低下。
2027期会社予想は売上高114,000百万円(+5.5%)・営業利益6,000百万円(▲4.0%)と増収ながら減益継続を見込む。
成長戦略
新工場・自動化投資による生産基盤強化と生活用品の高付加価値・海外展開加速
2025年竣工の岡山工場・倉庫を西日本の生産・物流面の拠点として順次稼働を進める。BCP対策としての機能も担い、既存工場の自然災害リスク分散に寄与する。2026年3月期に有形固定資産が3,229百万円増加しており、投資は具体化段階にある。
省人化設備の稼働開始に加え、生産ラインから出荷までを一貫した自動化投資を継続的に実行。2026年3月期の設備投資支出は7,467百万円と前期比2.1倍に拡大。コスト削減・生産効率改善による産業用製品セグメントの収益性回復を目指す。
新たに導入した基幹システムを用いて、原材料調達から生産管理・在庫管理までの業務効率化を推進。AI技術等を活用した製造効率化も課題として掲げており、デジタル化による間接コスト削減を図る。
コンドームを中心に独自技術を活かした高付加価値製品の投入を加速し国内収益基盤を強化。海外では重点市場のチャネル深耕に加え、地域の文化・価値観を尊重したローカライズ戦略を推進。
中国景気低迷・インバウンド減少の影響を受けた2026年3月期の生活用品売上高は32,040百万円(前期比6.4%減)にとどまり、海外戦略の実効性が問われる局面にある。
成長分野であるフェムテックや環境配慮商品を拡販し、既存ブランドの価値向上と新規販路開拓を推進。環境負荷に配慮した新製品の研究やリサイクル素材の活用、水平リサイクルの推進等により資源循環対応の高度化も図る。
最終更新: 2026年7月19日

