事業内容
株式会社JCUは、プリント配線板・半導体パッケージ基板・自動車部品・住宅建材向けの表面処理薬品および装置の開発・製造・販売を行う専業メーカーである。国内では新潟工場・総合研究所(川崎)・熊本事業所を擁し、海外は中国・台湾・韓国・タイ・ベトナム・インドネシア・インド・マレーシア・メキシコ・米国など13子会社・1関連会社を通じてグローバルに事業を展開する。
主要顧客はエレクトロニクス産業(半導体パッケージ基板・プリント基板メーカー)および自動車部品メーカーであり、AI・IoT普及に伴う電子デバイス高機能化の恩恵を直接受けるポジションにある。
ビジネスモデル
薬品事業が売上高の約91%・セグメント利益率47.2%を占める高収益構造を持つ。顧客の製造ラインに組み込まれる消耗品としての薬品は継続的な需要を生み出し、装置事業では「装置と薬品の一体販売」により薬品の継続使用を促進する。
グローバル拠点網を通じた現地密着型の技術サービスと、MIを活用した新製品の継続投入が競合参入障壁を形成している。
企業の強み
2026年3月期の薬品事業セグメント利益は12,716百万円、セグメント利益率は47.2%に達する。消耗品としての薬品は顧客製造ラインへの組み込みにより継続需要が発生し、高い粘着性を持つ収益構造を実現している。前期比でも売上高11.5%増・セグメント利益19.1%増と増収増益を達成した。
創業以来の「装置と薬品の一体販売」戦略により、顧客の製造プロセスに深く組み込まれた競争優位を構築している。装置部門が薬品研究開発に参画し、薬品性能を最大限に引き出す専用装置を開発・提供することで、競合他社が単独では代替困難な差別化されたソリューションを提供している。
中国(上海・深圳・湖北)・台湾・韓国・タイ・ベトナム・インドネシア・インド・マレーシア・メキシコ・米国に自社子会社を設立し、現地密着型の販売・技術サービス体制を構築している。2026年3月期において台湾での薬品売上高が前年同期比で大幅増加するなど、グローバル拠点が業績に直結している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期24,256百万円→2023期24,860百万円→2024期24,860百万円と横ばい推移後、2025期28,357百万円(前期比14.1%増)、2026期29,672百万円(同4.6%増)と拡大基調。営業利益は2023期に8,041百万円へ一時低下後、2025期10,514百万円、2026期12,156百万円と連続最高益を更新。
外部要因として生成AI・サーバー投資拡大による半導体パッケージ基板需要の拡大が薬品事業を牽引。2027年3月期会社予想は売上高33,400百万円(前期比12.6%増)、営業利益12,300百万円(同1.2%増)、当期純利益8,800百万円(同3.0%減)と増収ながら微減益見通し。
装置事業の低迷と法人税等支払増加が利益を圧迫する見込み。
成長戦略
半導体アドバンスドパッケージ領域への集中投資と多地域展開でニッチトップを目指す
半導体アドバンスドパッケージ領域への対応強化を目的に熊本事業所を新設し、国内研究開発体制を2拠点化。2026年3月期の建物及び構築物(純額)が3,401百万円から9,835百万円へ急増しており、設備投資が本格化。有形固定資産取得支出7,329百万円の大部分が国内拠点整備に充当されたとみられる。
2025年3月期〜2027年3月期を対象とした中期計画のもと、「成長分野への積極的な投資」「経営基盤の強化」「DX推進によるデータの利活用」「既存市場における収益性強化」「サステナビリティ経営の推進」「人的資本・知財・無形資産の活用」の6方針を推進。2026年3月期は薬品事業利益率47.2%を達成し収益性強化が進捗。
データ科学・AIを活用したマテリアルズインフォマティクスにより、表面処理薬品の新製品開発サイクルを短縮し、半導体パッケージ基板・プリント基板向け次世代製品の創出を加速。DX推進によるデータ利活用を中期計画の基本方針の一つに位置付けており、研究開発の効率化と競争優位の維持を図る。
台湾では半導体パッケージ基板向け薬品売上が前年同期比で大幅増加、韓国では半導体市場の底打ちを受けた緩やかな回復が継続。2026年3月期の台湾売上高は4,679百万円(前期3,645百万円)と28.4%増加。
生成AI・サーバー投資拡大という市場環境を追い風に、現地顧客との関係深化と新規顧客開拓を推進。
最終更新: 2026年7月19日

