事業内容
ファルコホールディングスは、臨床検査事業(売上高の約61%)・調剤薬局事業(約35%)・ICT事業(約4%)の3セグメントで構成される医療関連持株会社。臨床検査事業では全国の病院・診療所から臨床検体検査を受託するほか、体外診断用医薬品の製造・販売やゲノム医療関連検査を展開。
調剤薬局事業では101店舗(フランチャイズ3店舗含む)を運営し、高齢者施設・在宅医療への対応を強化。ICT事業では診療所向けクラウド型レセプト支援サービス「レセスタ」および中小規模病院向けクラウド型電子カルテ「HAYATE/NEO」を提供し、医療DX推進を担う。
主要顧客は医療機関(病院・診療所)および患者・高齢者施設。1962年創業の歴史を持ち、東京証券取引所スタンダード市場に上場。
ビジネスモデル
臨床検査事業は医療機関からの検体受託という継続的フロー収益が基盤。調剤薬局事業は処方箋応需に基づく安定的な収益を確保。
ICT事業はクラウドサービスの特性を活かしたサブスクリプション型のストック収益モデルで、契約数増加に伴い利益率が改善する構造。2026年3月期のICT事業営業利益率は26.6%に達しており、グループ全体の収益性向上に寄与している。
企業の強み
受託臨床検査(売上高26,662百万円)を基盤に、体外診断用医薬品「MSI検査キット(FALCO)」の製造販売、NIPT受託、遺伝性腫瘍パネル検査の研究開発、さらに医療情報システム開発まで医療バリューチェーンを垂直統合。競合が短期間で模倣困難な複合的事業基盤を有する。
2026年3月期末の自己資本比率は70.0%、有利子負債残高は1,255百万円に対し現金及び現金同等物は8,267百万円を保有。実質無借金に近い財務構造により、設備投資・株主還元・M&Aへの機動的な資本配分が可能な状態を維持している。
2023年3月に株式会社ビー・エム・エルと業務・資本提携を締結。検査機能の相互補完・受注拡大、基幹ラボの相互連携によるBCP対応、地域ラボの相互活用による効率化、顧客基盤の相互活用によるICT事業の収益拡大を図る。株式の相互保有により関係の安定性も確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期50,007百万円をピークにコロナ特需剥落で2024年3月期43,007百万円まで低下後、2025年3月期43,313百万円、2026年3月期43,578百万円と緩やかな回復基調。営業利益は2024年3月期2,152百万円を底に2025年3月期2,335百万円、2026年3月期2,498百万円と3期連続増益。
売上原価が前期29,956百万円から29,766百万円へ減少し売上総利益率が改善(30.8%→31.7%)したことが利益拡大の主因。外部要因として物価高騰・賃金上昇によるコスト増圧力が続く一方、臨床検査事業の生産性向上とICT事業の高成長が全社収益を牽引。
2027年3月期は売上高44,300百万円(前期比1.7%増)、営業利益2,700百万円(同8.1%増)を会社予想として開示。
成長戦略
基盤事業の事業変革とゲノム・ICT成長事業への経営資源集中で持続的成長を実現
大都市圏を重点地域とした事業展開と検査データの集中管理による業務効率化を推進。2026年3月期は受託数増加と生産性向上によりセグメント営業利益が前期比13.9%増の1,816百万円を達成。コスト構造改善が着実に進捗している。
周産期医療に係るNIPTの受託数増加・販路拡大が進み、体外診断用医薬品「MSI検査キット(FALCO)」の販売も堅調。遺伝性腫瘍パネル検査の薬事申請・保険適用に向けた研究開発を推進中であり、将来的な市場拡大が期待される。
高齢者施設からの処方箋応需拡大とICT活用による調剤業務の標準化・効率化を推進。2026年3月期は6店舗閉局(101店舗体制)と薬価改定の影響で営業利益が前期比17.4%減と苦戦。新ビジネスモデルの確立が急務。
「レセスタ」「HAYATE/NEO」の契約・導入数が順調に増加し、2026年3月期売上高は前期比18.4%増の1,720百万円、営業利益は同29.7%増の458百万円を達成。新機能開発への継続投資でサービス競争力を強化中。
連結純資産配当率(DOE)5%を目標に継続的な増配を実施。2026年3月期年間配当125円(前期123円)、2027年3月期予想128円。後発事象として上限300,000株・800百万円の自己株式取得を決議し、資本効率向上への取り組みを強化。
最終更新: 2026年7月19日

