事業内容
オンコリスバイオファーマは2004年設立のウイルス創薬専業バイオ企業。腫瘍溶解ウイルスOBP-301(食道がん)・次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702(膵臓がん等)を中心とした「がんのウイルス療法領域」と、LINE-1阻害剤OBP-601(神経難病)・ウイルス感染症治療薬OBP-2011を中心とした「重症ウイルス感染症領域」の2軸でパイプラインを構築。
2025年12月にOBP-301の国内製造販売承認申請を完了し、従来のライセンス型から製薬会社型とのハイブリッド事業モデルへの移行を進めている。東京証券取引所グロース市場上場。
ビジネスモデル
従来はパイプラインを一定段階まで開発後に製薬企業へライセンス許諾し、契約一時金・マイルストーン・ロイヤリティを得るライセンス型モデルを採用。OBP-601はTransposon社(総額3億ドル超のライセンス契約)、OBP-301台湾権はMedigen社へ許諾済み。
今後はOBP-301の国内自社販売(富士フイルム富山化学との販売提携、最大1,700百万円のマイルストーン)を加えた製薬会社型モデルを並行展開し、収益源の多様化を図る。
企業の強み
2025年12月に食道がん治療再生医療等製品として厚生労働省へ製造販売承認申請を完了。同月に希少疾病用再生医療等製品(オーファンドラッグ)指定を取得。
先駆け審査制度の対象品目指定(2019年)に加え、PMDAから全区分(臨床・非臨床・品質・GCTP・信頼性)の申請確認文書を受領済みであり、審査の進捗が確認されている。
2025年4月に腫瘍溶解アデノウイルスの内視鏡投与に関する特許を日本で成立(2040年5月まで存続)。同特許はOBP-301・OBP-702のみならず他社の腫瘍溶解アデノウイルスもカバーする広範な権利であり、競合他社の参入障壁として機能する可能性がある。米国・欧州でも審査中。
Transposon社によるPSP・ALS対象のPhase2臨床試験において、神経変性マーカーNfL・NfHの低下、炎症性バイオマーカーIL-6の低下、ALS機能評価スケール(ALSFRS-R)での病勢進行抑制、肺活量低下率のプラセボ比約50%減少など複数の有効性シグナルが確認された。FDAはPSPに対してファストトラック指定(2024年5月)を付与している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は642百万円(2021期)→976百万円(2022期)→63百万円(2023期)→31百万円(2024期)→29百万円(2025期)と、2022期のライセンス収入計上後は極小水準で推移。2026年12月期第1四半期は売上高3百万円(前年同四半期はゼロ)、営業損失420百万円(前年同四半期785百万円)と損失は大幅に縮小した。
費用削減が主因であり、外部環境としてホルムズ海峡封鎖に伴う原油価格急上昇等の不透明要因が存在するものの、研究開発費は245百万円と引き続き高水準。業績予想は未公表。
成長戦略
OBP-301国内販売開始を起点に、ハイブリッドモデルで複数パイプラインの収益化を加速
2025年12月にPMDAへ承認申請完了、2026年4月に適合性調査「適合」判定取得。富士フイルム富山化学との販売提携・三井倉庫HDとのサプライチェーン(GCTP適合)整備済み。新処方による製剤の18ヶ月安定性確認(2026年2月)も完了し、商用1ロット目の出荷体制が整っている。
2024年12月に台湾Medigen社と販売権ライセンス契約を締結。上市後はOBP-301最終製品の有償供給とロイヤリティ収入を見込む。
米国ではMSD社との胃がんPhase2共同治験(費用折半)およびNRGオンコロジーグループの食道がんPhase1試験が進行中であり、臨床データ蓄積による追加ライセンス機会の拡大を図る。
PSP Phase3試験(資金調達完了後2026年開始計画)、ALS Phase2/3試験(ヒーリーALSプラットフォーム活用・2026年開始計画)、アルツハイマー病Phase2試験(ADDF投資約5百万ドル活用・2026年開始計画)の3試験が2026年中の開始を計画。各開発イベント達成に伴うマイルストーン収入が当社業績に直結する。
AMED助成金事業を活用し、岡山大学消化器腫瘍外科学の研究グループがすい臓がんを対象とした医師主導Phase1治験を2026年に開始予定。ゲムシタビン耐性すい臓癌細胞株マウスモデルでPD-L1抗体併用による強い抗腫瘍効果を確認済み。
OBP-301との棲み分けを考慮しながら次世代パイプラインとして育成する方針。
最終更新: 2026年7月17日

