事業内容
Kudan株式会社は「Eyes to the all machines」をビジョンに掲げ、SLAM(自己位置推定・地図生成)を中核とする空間知覚技術の研究開発・ライセンス・ソリューション提供を行う技術集団である。カメラ・LiDAR・IMU等の多様なセンサから現実空間を認識・理解するソフトウェアを開発し、デジタルツイン(設備管理・インフラ点検・建設等)とロボティクス(自律移動・経路計画)の双方を支援する。
英国・ドイツ・米国にグローバル開発拠点を持ち、半導体・ロボットメーカー・システムインテグレーター・事業会社等を顧客・パートナーとして幅広く展開している。2026年3月期売上高は1,197百万円(前期比131.3%増)。
ビジネスモデル
収益は①SWアルゴリズム(SLAM等のライセンス・カスタマイズ開発)、②SWソリューション(Kudan PRISMを中心とした業務用アプリケーション)、③HWパッケージ(3Dスキャナー等のSW補完機器)の三形態で構成される。評価・開発・製品ライセンスの段階的な顧客製品化に加え、最終顧客の業務課題に対応するソリューション化にも注力し、将来的には高粗利ソフトウェアへの集中による収益性向上を目指している。
企業の強み
独ミュンヘン工科大学発のArtisense Corporationを2021年に完全子会社化し、2023年3月期に直接法SLAMと間接法SLAMのハイブリッド化に成功。Intel社のロボット開発プラットフォームへの本格採用は、当技術領域専門企業による世界初の大手半導体メーカー向け商用SLAM採用として記録されている。
日本・英国・ドイツ・米国に研究開発拠点を構え、SLAM・コンピュータビジョン・3次元認識・ロボティクス・AIの専門人材がグローバルに連携する体制を構築。外部研究機関・事業会社・技術パートナーとの連携も活用し、先端技術の実用化・商用化を推進している。
2026年3月期の販売費及び一般管理費は956百万円(前期比16.1%減)と削減施策が奏功。営業損失は586百万円(前期801百万円から縮小)、当期純損失も188百万円(前期802百万円から大幅改善)。期末現金及び現金同等物は1,986百万円を確保し、無借金経営を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期272百万円→2026期1,197百万円と5期で約4.4倍に拡大。2026期は特にデジタルツイン・ロボット向けHW・ソリューション販売の本格化により前期比131.3%増を達成。
営業損失は2025期△801百万円から△586百万円へ縮小し、固定費削減(販管費前期比16.1%減)の成果が表れた。ただし経常損失の大幅縮小(△743百万円→△174百万円)は為替差益354百万円(前期22百万円)という外部要因に依存する部分が大きく、実力ベースの収益改善幅は限定的。
2027期は売上高減収予想(1,030百万円)を開示しており、成長の持続性に注視が必要。
成長戦略
空間知覚プラットフォームの統合展開と高粗利ソフトウェアへの集中で収益性向上を目指す
設備管理・インフラ点検・災害対応等に向けたDXソリューションを提供。関連HWパッケージも活用しながら市場開拓・顧客基盤拡大を推進し、将来的な高収益ソフトウェア展開に向けた基盤を構築する。2026期に本格展開を開始し売上拡大に貢献。
物流・製造・建設・インフラ等の幅広い産業領域における自律移動需要に対応。政府関連プロジェクト等を通じてソフトウェア基盤の開発・事業連携を推進するとともに、知覚データ主導型のフィジカルAIモデル導入にも取り組む。
2026期に販管費を956百万円(前期比16.1%減)へ削減。2027期は売上高減収予想(1,030百万円)の中でも営業損失を340百万円へ縮小する計画であり、固定費コントロールによる損益分岐点の引き下げを継続的に推進する。
デジタルツインによる現実空間の高精度データ化技術とロボットによる空間行動データ取得技術を組み合わせ、フィジカルAI向けデータ技術を提供。両領域を横断する空間知覚技術による独自優位性の確立を進める。
最終更新: 2026年7月19日

