原材料価格変動リスク
石油化学製品・油脂・化成品等を主原料とし、原油価格変動の影響を強く受ける。原材料価格高騰時に製品価格への転嫁が困難または遅延した場合、売上原価の増加と利益の減少が生じる。複数取引先からの調達や安全在庫確保、一部原材料の自製化研究により対応しているが、リスクを完全に排除することはできない。
災害による生産停止リスク
国内生産能力の大部分が千葉県・神奈川県・茨城県の関東3県に集中しており、広域災害発生時には複数工場が同時停止するリスクがある。一部製品は専用設備かつ単独工場でのみ生産可能なため、大規模地震等で操業停止となれば顧客への供給に深刻な悪影響を及ぼす。耐震補強・津波対策工事の実施や複数工場での生産体制整備を進めているが、全製品への対応は困難な状況にある。
情報セキュリティリスク
2023年2月に第三者による不正アクセスを受け、保有データの一部が外部流出したことが確認されており、知的財産の漏洩リスクが現実化した事例がある。システム障害の長期化や情報漏洩が発生した場合、事業停止・社会的信用失墜・損害賠償責任・競争力低下等の多面的な影響が生じる。現在は情報セキュリティ強化に取り組んでいるが、二次被害の監視を継続中である。
有利子負債・金利変動リスク
2026年3月末時点で借入金・社債・リース債務を含む有利子負債が28,583百万円存在し、市場金利上昇時には支払金利の増加が経営成績に影響する。金利スワップの活用によりリスク低減を図っているが、完全なヘッジは困難である。また、金融市場の変動や信用状態の変化により必要資金の調達が困難となった場合、資金繰りに重大な影響を与える可能性がある。
中国子会社の事業リスク
東邦化学(上海)有限公司は2021年度から2023年度にかけて、中国国務院の生産停止指示・上海市ロックダウン・安全規制対応工事等により営業損益が赤字または少額の利益にとどまった経緯がある。2024〜2025年度は上海拠点2社合計で2期連続4億円前後の営業利益を計上したが、2025年末完了の加圧反応設備増設への投資回収が課題であり、業績悪化や資産時価下落時には固定資産の減損損失が発生するリスクがある。
中国カントリーリスク
中国に連結子会社3社を有し、中国を中心にアジア・欧米向けに販売しているため、政治・経済情勢の悪化、環境・安全規制の強化、世界経済のブロック化による貿易停滞、台湾情勢緊迫化による日中関係悪化等のリスクにさらされている。これらリスクが顕在化した場合、中国子会社の生産・販売活動に悪影響を及ぼし、売上高の減少やコスト増加につながる。特に足元では中国国内の規制強化と地政学的リスクが具体的な懸念材料として挙げられている。
競争優位性低下リスク
海外安価品の流入による価格競争激化、新興国企業の台頭、競合他社の急速な技術力向上、顧客化学品メーカーによる自製化等により競争力が低下するリスクがある。新技術・新製品の開発期間長期化や生産性改善の遅れも相対的な競争力低下につながり、売上高の減少や利益率の低下をもたらす可能性がある。独自技術の強化・製品差別化・品質管理の厳格化等により競争優位性の維持に努めている。
気候変動・炭素規制リスク
温暖化ガス排出量取引の本格導入や炭素税適用により直接コストが増加するほか、原燃料・電力価格の上昇や再生可能エネルギー・バイオマス原料使用拡大に伴うコスト増が見込まれる。化石燃料由来品の使用見直し等、顧客ニーズに極端な変化が生じた場合には既存事業に大きなマイナス影響が生じる可能性がある。GHG排出量削減目標を設定し省エネ・省資源対策に取り組むとともに、環境負荷低減製品の開発にも注力している。
火災・爆発等の事故リスク
危険物・化学製品を取り扱う工場において火災・爆発・化学物質流出等の事故が発生した場合、社会的信用の失墜・補償等の対応費用・生産停止による機会損失が生じ、売上高の減少とコスト増加が同時に発生する。全製造設備の定期点検・安全教育の徹底・安全装置および消火設備の充実により未然防止に取り組んでいるが、リスクをゼロにすることはできない。
人材確保・育成リスク
人材戦略を最重要課題の一つと位置づけており、適切な人材を十分に確保できない場合、事業遂行に制約が生じ機会損失や売上高の減少につながるリスクがある。多様な人材の積極採用・育成および生産工程の省人化による人的資源の有効活用を推進しているが、労働市場の競争激化等により必要な人材確保が困難となる可能性がある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

