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株式会社カーリット

4275東証プライム化学

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株式会社カーリット4275

事業内容

株式会社カーリットは1918年創業の化学品メーカーを源流とし、現在は化学品・ボトリング・金属加工・エンジニアリングサービスの4セグメントで事業を展開する。化学品セグメントでは産業用爆薬・過塩素酸アンモニウム(宇宙・防衛用推進薬原料)・電子材料・シリコンウェーハ等を手掛け、ボトリングでは清涼飲料水の受託製造、金属加工では耐熱炉内用金物・スプリング製造、エンジニアリングサービスでは建築・設備工事・塗料販売・構造設計を担う。

連結子会社11社を含むグループ全体の売上高は36,247百万円(2026年3月期)。主要顧客には伊藤園(売上高比10.2%)のほか、製鉄所・セメント工場・自動車メーカー・防衛関連需要家等が含まれる。

ビジネスモデル

化学品セグメントが売上高の約61%を占める中核事業であり、過塩素酸アンモニウムや電子材料等の高付加価値製品が利益を牽引する。ボトリング・金属加工・エンジニアリングサービスの3セグメントが安定的な収益基盤を形成し、グループ内部取引(エンジニアリングサービスのグループ向け建築工事等)も活用して収益を最大化する。

適正価格の反映と生産性向上活動によるコスト削減を組み合わせ、売上原価率を73.7%(前期74.9%)へ改善している。

企業の強み

過塩素酸アンモニウムは宇宙ロケット・防衛用固体推進薬の原料であり、カーリットは国内有数の製造拠点を保有する。2026年3月期も需要が堅調に推移し増収増益を達成。

中期経営計画「Challenge2027」の重点領域に位置づけ、固体推進薬製造設備を中心に化学品セグメントで5,023百万円の設備投資を実施済みであり、供給能力の増強が進んでいる。

群馬・赤城・長野の3研究所体制を整備し、電極関連部材・コンデンサ材料・次世代機能性色素・カスタマイズウェーハ・固体推進薬の各領域で専門的な研究開発を実施。研究開発費は800百万円(2026年3月期)。

研究企画室を設立し各研究所・営業・工場技術部門との連携を強化することで、製品の早期上市と新事業創出を目指す体制を構築している。

化学品・ボトリング・金属加工・エンジニアリングサービスの4セグメントが並立し、特定事業への依存度を低減している。2026年3月期において化学品が営業利益1,858百万円、金属加工602百万円、エンジニアリングサービス795百万円、ボトリング378百万円と各セグメントが黒字を維持。

自己資本比率69.0%、純資産39,793百万円と財務基盤も堅固である。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高36,247百万円(前期比1.8%減)ながら営業利益3,459百万円(同13.5%増)、当期純利益2,976百万円(同15.8%増)と質の高い増益を達成した。しかしシリコンウェーハ分野では顧客の在庫過多・生産調整が継続し、高利益製品の販売伸び悩みと工場稼働率低下による減益が続いている。

2027年3月期予想でも同分野の在庫調整継続が見込まれており、化学品セグメント全体の収益回復の足かせとなる可能性がある。

2027年3月期はPET飲料製造ラインの1本を4月〜12月の9カ月間にわたり改造工事する計画であり、ボトリングセグメントの売上高・利益が一時的に大きく減少する見通し。これが2027年3月期の連結営業利益予想3,200百万円(前期比7.5%減)・経常利益予想3,300百万円(同12.1%減)の主因となっている。

改造工事完了後の生産能力向上による収益回復が実現するかどうかが、中期計画最終年度(2027年度)の業績達成に向けた重要な確認ポイントとなる。

中期経営計画「Challenge2027」の投資促進フェーズとして、2026年3月期の固定資産取得支出は4,732百万円(前期3,186百万円)へ大幅増加し、有形固定資産は前期比3,152百万円増の22,635百万円となった。過塩素酸アンモニウムの生産能力増強やAIサーバー向け高付加価値電子材料の拡販が成長の下支えとして機能しているが、投資回収の進捗と2027年度の「収穫と飛躍」ステージへの移行が実現するかどうかを、設備稼働率・セグメント利益率の推移で継続的に確認する必要がある。

成長戦略

「Challenge2027」のもと宇宙・防衛・AI関連の重点領域へ集中投資し2027年度の収穫ステージを目指す

宇宙ロケット・防衛関連製品向け固体推進薬原料として需要が堅調に拡大する過塩素酸アンモニウムの生産設備増強を推進。2026年3月期の固定資産取得支出は4,732百万円と前期比大幅増加しており、中期計画の重点領域として投資を継続実行中。

市場成長の著しいハイエンドサーバー向け高効率回路用コンデンサ材料等の高付加価値製品を増販し、EV需要減速によるキャパシタ用電解液の減販影響を補完。2026年3月期に電子材料分野で増収増益を達成しており、引き続き成長の下支えとして機能することが期待される。

2026年4月〜12月の9カ月間にわたりPET飲料製造ラインの1本を改造工事する計画。工事期間中は売上高・利益が一時的に大きく減少する見通しだが、改造完了後の生産能力向上による受注拡大・収益回復を目指す。2027年3月期業績への一時的な下押し要因となる。

2026年3月期の1株当たり配当は42円(前期36円から6円増配)、配当性向32.2%。2026年5月に総額10億円を上限とした自己株式取得を予定しており、全額実行した場合の連結総還元性向は65.8%となる。PBRを指標とした企業価値向上を経営目標に掲げ、資本コストを意識した経営を推進している。

最終更新: 2026年7月19日