事業内容
株式会社カネカは1949年設立の東証プライム上場の総合化学メーカーで、「カガクでネガイをカナエル会社」をブランドスローガンに掲げる。事業はMaterial Solutions Unit(社会インフラ・モビリティ向け素材)、Quality of Life Solutions Unit(省エネ・情報化社会向け素材)、Health Care Solutions Unit(医療機器・医薬品)、Nutrition Solutions Unit(機能性食品素材・食品)の4セグメントで構成される。
売上高811,638百万円(2026年3月期)を誇り、国内外に広範なグループ会社を持つグローバル企業。環境・エネルギー、食糧、健康の三領域を中心に、研究開発型ビジネスモデルで社会課題解決型ソリューションを提供している。
ビジネスモデル
カネカは独自の化学・バイオ技術を起点に高付加価値素材・製品を開発し、産業用・消費者向けの多様な顧客に販売する。基盤事業(塩ビ・発泡樹脂等)が安定キャッシュを生み出し、そのキャッシュを先端事業(Medical・ポリイミドフィルム・生分解性バイオポリマー等)の研究開発・設備投資に再投資する循環構造を持つ。
研究開発費は年間39,891百万円、設備投資は54,004百万円(2026年3月期)に上り、ポートフォリオ変革を継続的に推進している。
企業の強み
先端事業(Performance Polymers(MS)・E&I Technology・Medical・Pharma・Supplemental Nutrition等)の収益構成比率は2024年度の48%から2025年度に53%へ拡大。特にMedicalが血液浄化器・カテーテルの拡販とアジア・米国への販売地域拡大により飛躍的に業容を拡大し、Health Care SUは売上高82,975百万円・営業利益14,840百万円と増収増益を達成した。
ベルギー・マレーシア・米国・シンガポール・中国等に製造・販売拠点を持ち、欧州・米州・アジアの地域統括会社を中心とした地産地消型グローバルビジネス体制を構築。ベルギーの変成シリコーンポリマー生産能力増強設備が稼働し、欧州需要を現地供給で取り込む体制が整備された。
中東情勢や関税リスクに対するレジリエンスを高めている。
2026年3月期の研究開発費は39,891百万円。生分解性バイオポリマーGreen Planet®の廃食油・CO₂からの樹脂培養技術、NEDOが採択した次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業、ポリイミドフィルムの能力増強決定など、複数の先端技術領域で研究開発を継続。
1984年のポリイミドフィルム製造開始以来の技術蓄積が競争優位の基盤となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は691,530百万円(2022期)→811,638百万円(2026期)と拡大基調を維持。一方、営業利益は2022期43,562百万円をピークに変動が続き、2026期は32,894百万円と2025期(40,050百万円)から7,155百万円減少した。
外部要因として、アジア市況の低迷・米国住宅市場の需要低調がMaterial SUを直撃し、原料高騰がQOL SUの収益を圧迫した。純利益30,977百万円(過去最高)は投資有価証券売却益22,714百万円に支えられており、実力ベースの収益力は営業利益率4.1%(前期5.0%)が示す通り低下している。
4Qに向けて営業利益が回復基調(4Q単独で約10,698百万円)にある点は次期への好材料。
成長戦略
ライフサイエンス・先端事業への重点シフトとR2B+Pによるポートフォリオ変革加速
北海道苫東の血液浄化器工場が戦力化し、同サイトでのカテーテル新プラント建設が順調に進行。アジア・米国への販売地域拡大を継続し、次期予想でHealth Care SU営業利益22.0%増を見込む。EndoStream Medical社による脳血管治療領域での新製品市場投入も開始。
先端事業(MS・E&I・PV・Medical・Pharma・Supplement)の収益構成比率を2024年度48%から2025年度53%へ拡大。Supplementの還元型Q10グローバル拡販、E&Iのポリイミドフィルム能力増強決定など、複数の先端事業が同時進行で成長中。
国内外の多様な用途での採用が拡大し、大型案件での顧客評価が着実に進展。優れた機能の認知浸透と社会実装の一段の進展が確認されている。中東情勢に端を発したエネルギー危機が再生エネルギーシフトを加速させ、環境素材への関心が高まる外部環境も追い風。
AI活用の進展により大きな需要成長が見込まれる高付加価値グレードのポリイミドフィルムの能力増強を決定。AI・IoT関連市場の力強い成長継続を背景に、QOL SUの収益改善に寄与することが期待される。次期QOL SU営業利益予想は19,200百万円(前期比6.9%増)。
2025年度〜2027年度を対象とした累進配当方針のもと、2026年3月期年間配当160円(前期130円)、2027年3月期予想210円(配当性向40%目安)へ増配。自己株式取得(上限140万株・70億円、2026年5月〜2027年3月)および消却(140万株、2027年3月31日)を実施予定。
最終更新: 2026年7月19日

