事業内容
チタン工業株式会社は1936年創立の酸化チタン・酸化鉄専業メーカーで、山口県宇部市に生産拠点を置く。主力の酸化チタン関連事業(売上高4,981百万円)では超微粒子酸化チタンを中心に化粧品・トナー・電子材料向けに供給し、酸化鉄関連事業(売上高3,156百万円)ではブレーキパッド・化粧品・塗料向けに展開する。
子会社の株式会社TBMを通じてチタン酸リチウム事業(東芝との合弁)も手掛ける。主要顧客は森下産業(売上比19.8%)、稲畑産業(17.1%)、東芝(16.4%)、岩瀬コスファ(10.7%)で、国内外の商社・メーカーを通じた販売網を構築している。
ビジネスモデル
酸化チタン・酸化鉄を自社工場で一貫製造し、国内外の商社や最終メーカーへ直販・間接販売する製造販売モデル。粒子形状制御・微粒子化・表面処理等6つのコア技術による差別化製品を提供し、販売価格値上げとコスト削減の両輪で利益率を改善する。
設備投資資金は金融機関からの長期借入で賄い、営業キャッシュフロー(2026年3月期1,023百万円)で借入返済と維持更新投資を賄う構造。
企業の強み
粒子形状制御・微粒子化・複合化・表面処理・分散・不純物低減の6技術を保有し、化粧品用超微粒子酸化チタンや封止材用・遮熱用無機複合酸化物など多様な高付加価値製品を開発。研究開発費は年間239百万円を投じ、全従業員の約8%にあたる21名が研究開発に従事している。
化粧品向け超微粒子酸化チタン専用工場を保有し、小ロット多品種生産に対応できる生産体制を構築。2026年3月期に酸化チタン関連事業の売上高が前期比8.1%増の4,981百万円となり、化粧品向け製品の出荷増加が業績回復を牽引した実績がある。
森下産業・稲畑産業・岩瀬コスファ等の専門商社および東芝等の最終メーカーと長期的な取引関係を構築。上位4社で売上高の約64%を占める安定した顧客基盤を持ち、日本・東アジア・北米・欧州を主戦場とする国内外の販売網を自社販売と商社連携で整備している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期8,149百万円→2024年3月期7,953百万円と減少傾向が続いたが、2026年3月期は8,139百万円(前期比4.4%増)と5年ぶりの高水準を回復。営業利益は2024年3月期に△726百万円の大幅赤字を計上したが、販売価格値上げとコスト削減により2025年3月期165百万円→2026年3月期299百万円と急回復。
酸化チタン関連事業の営業利益が1百万円→108百万円へ大幅改善したことが主因。親会社株主帰属当期純利益は202百万円(前期比1.1%増)と小幅増にとどまったが、前期に計上した投資有価証券売却益280百万円の剥落を考慮すると実質的な収益力は向上している。
外部要因として物価上昇継続と米国通商政策の不透明感が個人消費・需要に影響するリスクが残る。
成長戦略
第7次中計に基づき化粧品向け拡販・価格値上げ・コスト削減でROE8%・売上高150億円を目指す
超微粒子酸化チタン・酸化鉄の化粧品向け出荷増加を最重点施策として推進。2026年3月期に酸化チタン関連事業の化粧品向け出荷増加と価格値上げが奏功し、同セグメント営業利益が108百万円へ急回復。2027年3月期も継続拡販を計画。
酸化鉄関連事業においてブレーキパッド向け製品の新規採用を獲得し、トナー向け出荷減少を補完。2026年3月期に新規採用効果が顕在化し、酸化鉄関連事業の営業利益は180百万円(前期比17.9%増)を達成。自動車部品向けの安定需要を取り込む戦略。
原燃料コスト上昇に対応した販売価格値上げを両セグメントで継続実施。同時に製造コスト削減を徹底し、2024年3月期の大幅赤字からの損益構造改善を定着させる。2026年3月期の売上高営業利益率3.7%(前期2.1%)への改善がその成果を示す。
第7次中期経営計画の柱として、社会とともに繁栄する持続可能な社会の実現を追求。環境・社会課題への対応を通じた企業価値向上を推進。具体的な数値目標・施策の詳細は短信では開示されていない。
最終更新: 2026年7月19日

