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高圧ガス工業株式会社

4097東証プライム化学

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高圧ガス工業株式会社4097

事業内容

高圧ガス工業は1958年創業の産業ガス・化成品複合メーカーで、当社及び子会社42社・関連会社16社で構成されるグループを形成する。主力のガス事業では溶解アセチレンを中心に酸素・窒素・アルゴン・炭酸ガス・水素・特殊ガス等の各種高圧ガスおよびLPガス・ガス関連機器・容器を製造・販売する。

化成品事業では合成樹脂系接着剤・瞬間接着剤・塗料等を製造・販売し、建設・自動車・電子・医療・食品など幅広い産業を顧客基盤とする。ベトナムに製造販売子会社を持ち、欧米向け高機能接着剤の輸出も展開する。

東京証券取引所プライム市場上場。

ビジネスモデル

ガス事業では自社製造拠点と全国の販売子会社・関連会社ネットワークを通じてシリンダーガスを安定供給し、容器賃貸収入(営業収入)も加えた複合収益を得る。化成品事業では接着剤・塗料の自社製造品に加え化成品取扱い商品の仕入販売も行い、国内外の多様な産業向けに展開する。

設備投資は主に既存設備の更新・増強に充て、自己資金と長期借入金で賄う安定的な財務運営を基本とする。

企業の強み

溶解アセチレンは国内シェアが高く主力分野として位置付けられており、製造子会社7社・販売子会社17社・輸送子会社2社からなる全国ネットワークを構築している。長年の事業活動で培った地域密着型営業力により新規・スポット案件を継続的に獲得し、シリンダーガスビジネスの安定的な収益基盤を形成している。

売上高98,001百万円のうちガス事業が72,797百万円(約74%)、化成品事業が21,694百万円(約22%)を占め、産業ガス需要の変動を化成品事業が補完する構造を持つ。化成品事業では欧米向け皮膚縫合用高機能接着剤や環境配慮型水性接着剤など付加価値製品の開発・拡販を進め、収益多様化を図っている。

2026年3月期末の自己資本比率は68.2%と前期(64.1%)から改善し、純資産合計は85,001百万円に達した。長期借入金の返済(5,040百万円)を着実に進める一方、投資有価証券の時価上昇(3,233百万円増)により固定資産も拡充。

キャッシュ・フロー対有利子負債比率は0.8倍と低水準を維持し、財務健全性は高い。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は5,871百万円(前期比1.6%減)と2期連続の減益となった。ガス事業セグメント利益は前期比5.3%増と改善したが、化成品事業(前期比11.6%減)・その他事業(営業損失91百万円)が足を引っ張った。

2027年3月期予想の営業利益は5,900百万円(前期比0.4%増)と微増にとどまり、外部要因として原材料価格の高止まりや中東情勢に起因するコスト上昇が業績の上振れを制約する懸念がある。

2026年3月期の年間配当は40円(前期20円から倍増)、配当金総額は2,208百万円、配当性向は47.3%(前期23.0%)に上昇した。2027年3月期も40円を維持する方針。

一方、親会社株主帰属当期純利益は4,661百万円(前期比2.5%減)であり、利益成長が伴わない場合の配当維持能力については継続的な確認が必要。営業CFは8,002百万円と前期比24.6%増加しており、キャッシュ創出力は改善している。

溶解アセチレンは建設・土木向けの人手不足・資材高騰による工期遅れ、自動車向け生産台数減少、造船向けガス代替進展により売上が前期を下回った。外部要因として国内製造業の設備投資抑制が続く中、構造的な需要減少リスクが顕在化している。

化成品事業は甲賀工場のコスト負担が重く、欧州向け自動車部品用接着剤の大幅減少も響き、セグメント利益率は3.5%(前期4.0%)に低下。収益性改善には時間を要する見通し。

成長戦略

中期経営計画「チェンジ&チャレンジStageⅡ」に基づく5成長戦略を推進中

半導体関連分野を中心に水素・特殊ガスの需要回復が確認されており、ガス測定機器使用先での顧客獲得も進展。アルゴンは溶接配管工事・住宅設備向けに販売増加。引き続き高付加価値ガスの拡販を推進する。

前期新設の甲賀工場の生産体制強化により安定供給能力を向上。環境配慮型水性接着剤・高耐候性塗料など付加価値製品の開発を推進。欧米向け皮膚縫合用接着剤等ヘルスケア分野での販売増加が実績として確認されている。ただし甲賀工場のコスト負担が利益を圧迫しており、収益化が課題。

地域密着型営業による新規・スポット案件の獲得強化と、生産・販売・物流体制の効率化を継続推進。消火設備装置向け容器は堅調に推移。炭酸ガスは価格改定により収益改善を実現した。

2026年3月期の年間配当を前期比倍増の40円(配当性向47.3%)に引き上げ。2027年3月期も40円を維持する方針を公表。配当金総額は2,208百万円と前期1,104百万円から大幅増加し、株主還元姿勢を明確化した。

長期借入金を5,040百万円返済し、固定負債を大幅に圧縮。自己資本比率は68.2%(前期64.1%)に改善し、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は0.8倍(前期1.8倍)に低下。強固な財務基盤を維持しながら設備投資(有形固定資産取得4,422百万円)も継続実施。

最終更新: 2026年7月19日