事業内容
ラサ工業は1911年創業の東証プライム上場企業。化成品事業(売上高の約84%)では電子工業向け高純度リン酸・水処理用凝集剤を製造販売し、TSMCをはじめとする半導体メーカーや上水道インフラを主要顧客とする。
機械事業では下水道向け掘進機・破砕機等を手掛け、電子材料事業では化合物半導体向け高純度無機素材(赤燐・インジウム・ガリウム等)を供給する。台湾子会社(理盛精密科技股份有限公司)を通じた海外展開も行い、「産業をモトから支える」パーパスのもと、電子産業・ファインケミカル・リサイクルの三分野を戦略ターゲットとして事業を展開している。
ビジネスモデル
主力の化成品事業では自社製造した高純度リン酸・凝集剤を半導体メーカーや公共インフラ向けに直販・子会社経由で販売する。電子材料事業は化合物半導体市況に連動した高純度無機素材の販売で高い利益率を確保。
機械事業はレンタル・本体販売・消耗部品の複合収益モデルを採用。その他事業の石油精製用触媒再生(利益率63.4%)と不動産賃貸が安定的な高収益源として全体を下支えする構造となっている。
企業の強み
2026年3月期においてTaiwan Semiconductor Manufacturing Co.,Ltd.向け売上高は6,608百万円(総売上の13.8%)に達し、前期の5,617百万円から17.6%増加した。台湾子会社・理盛精密科技股份有限公司は2026年4月にも高純度リン酸製造設備を増設しており、世界最大の半導体受託製造企業との直接取引関係と現地製造能力を併せ持つ点は競合他社が短期間で模倣困難な固有の強みである。
売上高の約84%を占める化成品事業が安定収益基盤を形成する一方、電子材料事業(2026年3月期売上高2,395百万円、前期比52.1%増)が成長エンジンとして機能し、その他事業(利益率63.4%)が高収益で下支えする。単一市況への依存度を分散させる事業構成は、1911年以来の多角的事業経験の蓄積によって形成されたものである。
中期経営計画2026の最終年度目標(ROE10%、ROIC9%)に対し、2026年3月期時点でROE14.6%、ROIC12.2%をいずれも上回った。営業利益率は12.6%(前期比2.2ポイント改善)、自己資本比率は63.7%と財務健全性も高く、配当性向32.2%と株主還元目標(30%以上)も達成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高47,727百万円(前期比5.1%増)、営業利益6,012百万円(同26.9%増)、純利益4,359百万円(同39.2%増)と増収・大幅増益を達成した。外部要因として化合物半導体市況の堅調推移(電子材料事業売上高52.1%増)と上水道向け凝集剤の安定需要が寄与。
機械事業は建設機械の低調を土木機械の海外向け伸長が補い、セグメント利益が前期比240.3%増と急回復した。5期推移では2023年3月期(49,600百万円)の売上高ピークを下回るものの、営業利益率12.6%は過去5期で最高水準。
2027年3月期は売上高54,000百万円・営業利益6,200百万円を予想しており、増収基調の継続を見込む。
成長戦略
RasaVision2033のフェーズ1として電子産業・ファインケミカル・リサイクルの3分野で企業価値向上を推進
2026年3月期に化成品事業の設備投資3,529百万円を実施し、建設仮勘定が大幅増加。半導体向け高純度燐酸の海外向け販売が国内減収を補い増収を確保。2027年3月期も半導体市況の海外中心の堅調推移を前提に増収増益を予想。
赤燐・インジウム・ガリウムの販売拡大により2026年3月期売上高2,395百万円(前期比52.1%増)・セグメント利益696百万円(同185.2%増)を達成。2027年3月期はガリウムスポット販売剥落を見込みつつも若干の増収・利益前期並みを予想。
2026年3月期は下水道関連向け掘進機レンタルの堅調継続に加え、海外向け本体販売が伸長しセグメント利益405百万円(前期比240.3%増)と急回復。2027年3月期は建設機械の本体・プラント販売回復を見込み増収増益を予想。
2026年3月期の配当性向32.2%・ROE14.6%と目標を上回る水準を達成。年間配当180円(分割前)と前期120円から大幅増配。2027年3月期は株式分割後基準で年間配当36円(分割前換算180円相当)を予定し、配当性向32.7%を見込む。
最終更新: 2026年7月19日

