事業内容
朝日印刷株式会社は1946年創業の富山県拠点の印刷包材メーカーで、医薬品・化粧品向け印刷包材の製造・販売を主力とする。国内では富山・京都・大阪等に複数工場を持ち、マレーシアに3社の海外子会社を有する。
グループは当社を含む11社で構成され、印刷包材事業(売上高の約90%)、包装システム販売事業(同約9%)、人材派遣事業(同約1%)の3セグメントを運営する。主要顧客は医薬品・化粧品メーカーで、特定の単一顧客への売上依存(10%超)はなく、顧客分散が図られている。
長期ビジョンASAHI2035のもと「新たなパッケージングソリューション企業」への進化を目指している。
ビジネスモデル
主力の印刷包材事業では、自社工場での製造と国内外の販売網を通じた直接販売により収益を得る。包装システム販売事業では、包装機械・ラインの企画提案・仕入・販売を行い、前後工程を含むトータル提案で付加価値を創出する。
製造委託(協和カートン)や海外子会社の活用により生産体制を補完しつつ、省力化・省人化ニーズを取り込む包装システム事業が第二の収益柱として成長している。
企業の強み
医薬品・化粧品向け印刷包材に特化した事業を長年展開し、東京・大阪・名古屋・京都等の主要都市に支店・営業所を持つ全国営業網を構築している。2026年3月期においても医薬品向け・化粧品向け製品の受注が堅調に推移し、印刷包材事業売上高39,995百万円を維持した。
特定顧客への10%超依存がない分散した顧客基盤が安定収益の基盤となっている。
2019年にHarleigh (Malaysia) Sdn.Bhd.及びShin-Nippon Industries Sdn.Bhd.を、2023年にKinta Press & Packaging (M) Sdn.Bhd.をそれぞれ子会社化し、マレーシアに3社の海外生産・販売拠点を保有する。Shin-Nippon Industriesでは新工場建設プロジェクトが進行中であり、海外生産能力の増強が図られている。
包装システム販売事業は2026年3月期に売上高4,147百万円(前期比31.4%増)、セグメント利益690百万円(同36.3%増)と大幅な増収増益を達成した。印刷包材と包装機械を組み合わせたトータル提案に加え、前後工程を含む大型ライン案件の受注増加が実績として確認されており、エンジニアリング機能の強化が差別化要因となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期38,807百万円から2026年3月期44,642百万円へ5期連続で増収を達成したが、成長率は鈍化傾向にある(2026年3月期+1.6%)。営業利益は2022年3月期2,296百万円をピークに低下傾向が続き、2026年3月期は1,623百万円と過去5期で最低水準となった。
外部要因として原材料価格の継続的な高騰・物価上昇が売上原価を押し上げ、賃上げや工場再編に伴う減価償却費増加が固定費を拡大させた。包装システム販売事業の大幅増収増益(+31.4%)が全体の売上を下支えしたが、主力の印刷包材事業における中国向け受注の低迷が収益の足を引っ張った。
2027年3月期は売上高47,000百万円(+5.3%)、営業利益1,940百万円(+19.5%)への回復を会社予想として開示している。
成長戦略
中期経営計画2030でラベル・包装システム・海外の3事業拡大と資本効率向上を推進
2026年度からの5ヵ年計画として「中期経営計画2030」を策定・始動。収益性および資本効率の向上を重要テーマに位置づけ、既存事業の収益構造改革と成長3事業(ラベル・包装システム販売・海外)の拡大を推進する。累進配当・DOE2.4%目途の配当方針変更も資本効率向上策の一環として実施。
省人化・省力化ニーズを背景に包装機械・ラインのトータル提案販売を強化。2026年3月期に売上高4,147百万円(前期比+31.4%)、セグメント利益690百万円(前期比+36.3%)と大幅増収増益を達成しており、中期計画の成長戦略セグメントとして引き続き営業強化を継続する。
マレーシアのShin-Nippon Industries Sdn.Bhd.等の海外拠点への設備投資を継続。建設仮勘定が前期1,068百万円から1,920百万円へ増加しており、生産能力増強が進行中。ただし中国向け受注の低迷が続いており、海外事業の収益貢献回復が課題となっている。
2025年7月1日を企業結合日として、子会社・株式会社ニッポー(印刷包材事業)の株式を非支配株主から364百万円で追加取得。グループ内相乗効果の向上と経営効率化を目的とし、共通支配下の取引として処理済み。
「易きにつかない」挑戦人材の育成と人材ポートフォリオの変革を推進。DX推進によるIoT活用・生産性向上、廃インキの少ない印刷技術やリサイクル紙使用等のサステナブル製品・サービス対応を強化し、経営基盤の底上げを図る。
最終更新: 2026年7月19日

