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朝日印刷株式会社

3951東証スタンダードパルプ・紙

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朝日印刷株式会社3951

事業内容

朝日印刷株式会社は1946年創業の富山県拠点の印刷包材メーカーで、医薬品・化粧品向け印刷包材の製造・販売を主力とする。国内では富山・京都・大阪等に複数工場を持ち、マレーシアに3社の海外子会社を有する。

グループは当社を含む11社で構成され、印刷包材事業(売上高の約90%)、包装システム販売事業(同約9%)、人材派遣事業(同約1%)の3セグメントを運営する。主要顧客は医薬品・化粧品メーカーで、特定の単一顧客への売上依存(10%超)はなく、顧客分散が図られている。

長期ビジョンASAHI2035のもと「新たなパッケージングソリューション企業」への進化を目指している。

ビジネスモデル

主力の印刷包材事業では、自社工場での製造と国内外の販売網を通じた直接販売により収益を得る。包装システム販売事業では、包装機械・ラインの企画提案・仕入・販売を行い、前後工程を含むトータル提案で付加価値を創出する。

製造委託(協和カートン)や海外子会社の活用により生産体制を補完しつつ、省力化・省人化ニーズを取り込む包装システム事業が第二の収益柱として成長している。

企業の強み

医薬品・化粧品向け印刷包材に特化した事業を長年展開し、東京・大阪・名古屋・京都等の主要都市に支店・営業所を持つ全国営業網を構築している。2026年3月期においても医薬品向け・化粧品向け製品の受注が堅調に推移し、印刷包材事業売上高39,995百万円を維持した。

特定顧客への10%超依存がない分散した顧客基盤が安定収益の基盤となっている。

2019年にHarleigh (Malaysia) Sdn.Bhd.及びShin-Nippon Industries Sdn.Bhd.を、2023年にKinta Press & Packaging (M) Sdn.Bhd.をそれぞれ子会社化し、マレーシアに3社の海外生産・販売拠点を保有する。Shin-Nippon Industriesでは新工場建設プロジェクトが進行中であり、海外生産能力の増強が図られている。

包装システム販売事業は2026年3月期に売上高4,147百万円(前期比31.4%増)、セグメント利益690百万円(同36.3%増)と大幅な増収増益を達成した。印刷包材と包装機械を組み合わせたトータル提案に加え、前後工程を含む大型ライン案件の受注増加が実績として確認されており、エンジニアリング機能の強化が差別化要因となっている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高44,642百万円(前期比+1.6%)と増収を確保したものの、営業利益は1,623百万円(前期比△21.8%)と大幅に落ち込み、営業利益率は4.7%から3.6%へ低下した。原材料価格の高騰・物価上昇による売上原価の増加(34,051百万円→34,909百万円)に加え、賃上げや工場再編に伴う減価償却費増加で販管費も7,817百万円から8,108百万円へ拡大した。

2027年3月期予想では営業利益1,940百万円(前期比+19.5%)への回復を見込むが、コスト環境が改善しない場合の達成可能性には注視が必要である。

印刷包材事業の海外部門では前年好調だった中国向け製品の受注が2026年3月期を通じて低調に推移し回復に至らなかった。地政学的リスクや中国市場の需要動向が外部要因として引き続き不透明であり、海外事業の収益貢献が当初計画を下回るリスクが残る。

マレーシア拠点への設備投資(建設仮勘定増加)は中長期の成長に向けた布石だが、投資回収期間中の収益圧迫にも留意が必要である。

2026年3月期の営業キャッシュ・フローは3,209百万円(前期4,530百万円)へ減少し、財務活動によるキャッシュ・フローは△3,766百万円(前期△46百万円)と大幅な流出超となった。長期借入金の返済3,304百万円が主因であり、現金及び現金同等物の期末残高は9,978百万円から6,614百万円へ3,363百万円減少した。

一方で自己資本比率は48.6%から51.5%へ改善し、純資産も36,735百万円へ増加しており、財務健全性は維持されている。配当は年間38円を維持し、次期からDOE2.4%目途の累進配当方針へ移行する点は株主還元姿勢の明確化として評価できる。

成長戦略

中期経営計画2030でラベル・包装システム・海外の3事業拡大と資本効率向上を推進

2026年度からの5ヵ年計画として「中期経営計画2030」を策定・始動。収益性および資本効率の向上を重要テーマに位置づけ、既存事業の収益構造改革と成長3事業(ラベル・包装システム販売・海外)の拡大を推進する。累進配当・DOE2.4%目途の配当方針変更も資本効率向上策の一環として実施。

省人化・省力化ニーズを背景に包装機械・ラインのトータル提案販売を強化。2026年3月期に売上高4,147百万円(前期比+31.4%)、セグメント利益690百万円(前期比+36.3%)と大幅増収増益を達成しており、中期計画の成長戦略セグメントとして引き続き営業強化を継続する。

マレーシアのShin-Nippon Industries Sdn.Bhd.等の海外拠点への設備投資を継続。建設仮勘定が前期1,068百万円から1,920百万円へ増加しており、生産能力増強が進行中。ただし中国向け受注の低迷が続いており、海外事業の収益貢献回復が課題となっている。

2025年7月1日を企業結合日として、子会社・株式会社ニッポー(印刷包材事業)の株式を非支配株主から364百万円で追加取得。グループ内相乗効果の向上と経営効率化を目的とし、共通支配下の取引として処理済み。

「易きにつかない」挑戦人材の育成と人材ポートフォリオの変革を推進。DX推進によるIoT活用・生産性向上、廃インキの少ない印刷技術やリサイクル紙使用等のサステナブル製品・サービス対応を強化し、経営基盤の底上げを図る。

最終更新: 2026年7月19日