事業内容
Hamee株式会社は1998年設立、神奈川県小田原市に本社を置くEC特化型企業。iFaceブランドを中心としたモバイルアクセサリー・コスメ(ByUR)・ゲーミングモニター(Pixio)の企画・製造・販売を行う「コマース事業」と、EC事業者向けSaaS「ネクストエンジン」を提供する「プラットフォーム事業」の二本柱で構成される。
国内EC・卸販売に加え、韓国・米国・中国の連結子会社を通じたグローバル展開も推進。2025年4月期の連結売上高は22,895百万円、東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
コマース事業では自社企画・製造から卸販売・EC小売までのサプライチェーンを内製化し、iFace等ブランドを楽天・Amazon・ZOZOTOWNなど多数のECモールと雑貨量販店・家電量販店等リアル店舗で販売。プラットフォーム事業では自社EC運営で培ったノウハウをSaaS「ネクストエンジン」として外部EC事業者に提供し、受注件数連動の従量課金で安定収益を確保。
2025年4月期のプラットフォーム事業営業利益率は53.1%と高収益構造を実現している。
企業の強み
スマートフォンケースブランド「iFace」は2022年3月時点で世界累計販売数2,500万個を突破。若年層を中心に高い認知度を持ち、ディズニー・ムーミン等の人気IPコラボも展開。MagSafe対応高単価モデルの構成比上昇と周辺アクセサリーのクロスセルにより客単価向上を実現している。
2025年4月期末時点でネクストエンジンの契約社数は6,570社(前期末比314社増)、利用店舗数53,602店、利用店舗の取引総額は1兆1,879億円規模。プラットフォーム事業の営業利益率は53.1%と極めて高く、実質ARPUは前期比2,321円向上を達成している。
韓国連結子会社が製造機能を保有し、商品企画・デザインから製造・物流・EC販売・卸販売までを自社グループで完結。500社超の仕入先ネットワークも保有し、EC販売データをリアルタイムに商品企画へフィードバックする体制を構築している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年4月期13,413百万円から2025年4月期22,895百万円まで5期で約1.7倍に拡大したが、2026年4月期は22,073百万円(前期比3.6%減)と初の減収。主因はNE株式会社の株式分配型スピンオフ(2025年11月)によりプラットフォームセグメントの業績寄与が中間期までに限定されたことで、プラットフォーム事業売上高が前期比49.4%減の1,988百万円にとどまったこと。
コマース事業は前期比5.8%増の20,095百万円と増収を維持した。営業利益は983百万円(前期比58.2%減)、当期純利益は541百万円(同57.6%減)と大幅減益。
売上高営業利益率は10.3%から4.5%へ低下。2027年4月期予想は売上高22,817百万円(前期比3.4%増)、営業利益502百万円(同48.9%減)と減益継続の見通し。
外部環境として米国関税政策の不確実性、円安基調、原材料・物流コストの高止まりが継続している。
成長戦略
ZカルチャーSPA戦略でコマース4事業を垂直統合し3年CAGR+15.4%を目指す
充電器・モバイルバッテリー等の通電系アクセサリーを次期重点成長領域と位置づけ、商品開発および販売体制の構築を推進。Daily Line/Unique Lineの二軸戦略とCRM強化による指名買い育成と組み合わせ、2029年4月期売上高10,460百万円(CAGR約8.3%)を目標とする。
主軸「ByUR」の構造改革(原価低減・販管費最適化)による収益基盤強化と、新ブランド「ByGLOW」への戦略的先行投資を並行推進。2026年4月期にByURがベースメイク領域で主要ブランドポジションを確立し、ByGLOWも立ち上げ初期として一定の手応えを獲得。
2029年4月期売上高8,650百万円(CAGR約24.7%)を目標とする。
価格・スペック競争から脱却し、「インテリアに溶け込む洗練されたデザイン」と空間コーディネート提案という情緒的価値で独自ポジションを開拓。モニターアーム・デスク・チェア等周辺アクセサリー・家具カテゴリーへの本格展開とIPコラボ・ファンコミュニティ形成を推進。
2026年4月期売上高は前期比5.0%減と苦戦が続く。2029年4月期売上高4,640百万円(CAGR約9.6%)を目標とする。
米国・韓国・中国三極を軸に自社ブランドの販売拡充を推進。米国でのByUR展開、韓国でのゲーミングアクセサリー展開、中国でのオフラインチャネル拡大を並行推進。
大型3PL活用による物流効率化とSPAモデルによる高収益体制維持を図る。2026年4月期は前期比11.3%増を達成。
2029年4月期売上高7,139百万円(CAGR約24.1%)を目標とする。
2025年11月にNE株式会社の株式分配型スピンオフを実施し、コマース事業に特化した新グループ体制へ移行。新中期経営計画(2026年5月〜2029年4月)を策定し、「クリエイティブ魂に火をつける」というPurpose/Passionのもと「ZカルチャーSPAと脱炭素の両立」を全社中核戦略に位置づけた。
連結ベースで2029年4月期売上高30,889百万円、事業利益3,325百万円を目標とする。
最終更新: 2026年7月17日

