事業内容
Aiロボティクス株式会社は、自社開発AIシステム「SELL(セル)」を核に、スキンケアブランド「Yunth」・美容家電ブランド「Brighte」・ヘアケアブランド「Straine」の3ブランドを展開するD2C企業である。2016年の動画配信サービス創業から、AIマーケティング事業を経て2022年にD2Cブランド事業へ軸足を移し、2024年9月に東京証券取引所グロース市場へ上場。
主要顧客は国内の美容意識の高い女性層で、自社EC・ECモール・全国約17,500店舗の店頭卸という多チャネルで商品を届けている。2026年4月には株式会社BJCを完全子会社化し、プロフェッショナルチャネル(美容室・エステ業界)へも参入した。
ビジネスモデル
「SELL」がSNS広告のクリエイティブ自動生成・広告運用自動化・CRM施策高度化・需要予測を一気通貫で担い、顧客獲得コストを抑制しながら新規定期購入者を獲得する。Yunthブランドでは定期購入中心のストック型収益が積み上がり、LTV最大化を追求する。
店頭卸販売では代理店パートナーシップを活用してレバレッジを効かせた販売網拡大を実現し、製造はOEM委託で固定費を抑制している。
企業の強み
「SELL」は商品開発・需要予測・クリエイティブ自動生成・広告運用・CS対応・CRM施策の全工程をカバーする自社開発AIシステムであり、2018年の開発開始以来、自社ブランド運営データを継続的に学習させることで競合が短期間で模倣困難な独自ノウハウを蓄積している。広告媒体とのAPI連携により出稿・レポーティングも自動化されている。
Yunth(スキンケア)・Brighte(美容家電)・Straine(ヘアケア)の3ブランドを展開し、2026年3月期にはYunthの売上構成比が約44%まで低下し特定ブランド依存が緩和された。販路も自社EC・ECモール・全国約17,500店舗の店頭卸・プロフェッショナルチャネル(BJC子会社化後)と多層化しており、単一チャネルへの依存リスクが分散されている。
主力ブランドYunthは楽天市場で殿堂入りを達成し、ブランド認知と顧客基盤を確立している。2025年6月ローンチのヘアケアブランドStrainerは販売開始直後に楽天ランキング6冠を獲得し、全国約17,500店舗への展開を実現した。
連続的なヒット商品創出能力は「SELL」のデータ活用と自社開発・販売一体体制によって裏付けられている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高29,359百万円(前期比106.7%増)、営業利益3,802百万円(同53.3%増)、当期純利益2,654百万円(同55.9%増)を達成した。売上成長は加速しているが、営業利益率は17.5%から13.0%へ低下し、利益成長は売上成長を下回る。
外部要因としてインバウンド需要の力強い押し上げ効果がスキンケア市場を牽引した。一方、売上債権・棚卸資産の急増により営業CFは△5,880百万円と前期の+1,314百万円から大幅悪化。
財務活動で7,400百万円超の借入を実施し、総資産は6,966百万円から18,431百万円へ急拡大した。2027年3月期は連結ベースで売上高56,000〜60,000百万円、調整後EBITDA9,500〜12,000百万円を予想する。
成長戦略
BJC統合シナジー最大化と連続M&Aによる美容関連市場での規模拡大
2026年4月1日付でBJC全株式を取得(対価25,550百万円)。美容室・エステ業界向けプロフェッショナルチャネルへ参入し、「soaddicted」「SPICARE」等のカテゴリーリーダーブランドを獲得。双方の販売ネットワーク・顧客データ・商品開発力の相互補完によるシナジー創出を目指す。
2025年6月立ち上げの「Straine」が楽天ランキング6冠を獲得し、全国約17,500店舗のドラッグストア・バラエティーショップ等で堅調に販売を拡大。商品ラインナップ拡充と販路深耕により第3の主力ブランドへの育成を図る。
商品ラインナップおよびカラーバリエーションを拡充し、家電量販店での販売を強化。D2Cチャネルに加えリアル店舗での認知拡大を図り、美容家電市場でのプレゼンス向上を目指す。
クリエイティブ自動生成・広告運用自動化を通じた顧客獲得コスト低減とCRM施策高度化を継続。BJCグループへの展開も視野に入れ、グループ全体のマーケティング競争優位を強化する。
BJC取得を皮切りに、既存事業のオーガニック成長に加えて連続的なM&Aを通じたさらなる企業価値向上を目指す方針を明示。美容関連市場における成長機会の確実な取り込みを図る。
最終更新: 2026年7月19日

