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第一屋製パン株式会社

2215東証スタンダード食料品

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事業内容

第一屋製パン株式会社は1947年創業の東証スタンダード上場の製パンメーカーで、連結子会社3社とともにパン類・和洋菓子の製造販売を行う「食品事業」と、横浜工場跡地の土地賃貸を行う「不動産事業」の2セグメントを展開する。食品事業ではパン部門(売上高21,727百万円)、和洋菓子部門(同4,558百万円)、その他(同2,368百万円)で構成され、スーパー・コンビニ向けNB商品のほか、ハンバーガーチェーン・コンビニ向け業務用食材も手掛ける。

豊田通商株式会社と資本業務提携を結び、一部原材料の調達を同社経由で行っている。

ビジネスモデル

食品事業では自社工場でパン・菓子を製造し、小売・業務用チャネルへ販売することで売上高28,653百万円、営業利益1,434百万円を稼ぐ。DPS(第一パン生産方式)による生産効率向上と単品原価管理で収益性を管理する。

不動産事業では2022年12月閉鎖の横浜工場跡地を賃貸し、2025年6月より賃料全額計上が開始、売上高303百万円・営業利益275百万円と高利益率の安定収益源として機能している。

企業の強み

「大きなデニッシュシリーズ」「ひとくちつつみシリーズ」など長年支持されるロングセラー商品を保有し、定期的な原材料・配合見直しによるリニューアルで商品力を維持。2025年度も食品事業売上高は前期比5.9%増の28,653百万円を達成した。

ハンバーガーチェーン向け業務用食材パンおよびコンビニエンスストア向け店内加工用食材が各社の販促企画に合わせた商品提案により好調に推移。パン部門販売実績は前期比6.8%増の21,727百万円となり、業務用需要が売上成長を牽引した。

2022年12月閉鎖の横浜工場跡地を賃貸活用し、2025年6月より賃料全額計上が開始。不動産事業の売上高は前期比151.4%増の303百万円、営業利益は前期比238.1%増の275百万円と高い利益率(約90.8%)を実現し、食品事業のコスト圧力を補完している。

エンヴァリスの着眼点

2026年12月期第1四半期の営業利益294百万円は前年同期74百万円から約4倍に拡大し、好調なスタートを切った。しかし通期業績予想は売上高32,900百万円(前期比13.6%増)に対し、営業利益370百万円(前期比20.6%減)、経常利益310百万円(同30.6%減)、当期純利益180百万円(同43.9%減)と全利益項目で前期比減益を見込む。

1Qの進捗率(営業利益294百万円÷通期予想370百万円)は約79.5%と高水準であり、通期予想の保守性が問われる局面にある。

外部要因として、諸物価高騰を背景とした消費者の生活防衛意識の高まりにより内食・中食需要が堅調に推移しており、製パン業界全体への追い風となっている。一方で、原材料価格・物流費・人件費の上昇というコスト逆風も継続しており、同社はDPS活動や原価管理強化で対応しているものの、通期では利益圧迫要因として残存する見通し。

また2026年2月末以降の中東情勢緊迫化による景気先行き不透明感が消費者の購買行動に影響を与えるリスクも存在する。

横浜工場跡地の賃料全額計上は2025年6月に開始されており、2026年度は通年フル寄与が確定している。2026年12月期第1四半期の不動産セグメント利益109百万円は、前年同期14百万円から約7.8倍に拡大しており、グループ全体の営業利益294百万円の約37%を占める。

食品事業単体の収益変動リスクを高利益率の不動産収入が緩和する構造は評価できるが、不動産事業の規模(売上高114百万円)は食品事業(7,334百万円)に対して依然小さく、食品事業の収益改善が持続的成長の鍵となる。

成長戦略

高付加価値商品拡充・DPS活動継続・不動産収益安定化による持続的成長。

マーケティング部門と商品開発部門の連携深化により、人気企業とのコラボレーション商品・季節新商品の積極投入と主力ブランドの定期リニューアルを推進。2026年12月期第1四半期において食品事業売上高7,334百万円(前年同期比9.3%増)と成果が顕在化している。

第一パン生産方式(DPS)の継続的な実践により、製造工程の効率化と低採算製品の販売抑制・高採算製品の伸長を推進。部門別損益管理と単品原価管理の精度向上を組み合わせ、コスト高騰環境下での利益率改善を図る。2026年12月期第1四半期の売上総利益率は27.1%(前年同期26.1%)に改善。

横浜工場跡地の賃貸収入は2025年6月の建設完了に伴い全額計上が開始され、2026年度は通年フル寄与が継続。高利益率(約95%超)の不動産収入がグループ全体の収益を下支えし、食品事業のコスト変動リスクを緩和する収益構造を確立している。

最終更新: 2026年7月17日